10/08/31 第6回障がい者制度改革推進会議総合福祉部会議事録       障がい者制度改革推進会議総合福祉部会(第6回)議事録  日  時:平成22年8月31日(火)13:00〜17:46  場  所:厚生労働省 低層棟2階講堂  出席委員:佐藤部会長、尾上副部会長、茨木副部会長、荒井委員(代理出席)、       朝比奈委員、伊澤委員、伊東委員、石橋委員、氏田委員、大久保委員、       大濱委員、岡部委員、小澤委員、小田島委員、小野委員、柏女委員、       河崎委員、川崎委員、門屋委員、北野委員、君塚委員、倉田委員、       近藤委員、斎藤委員、坂本委員(代理出席)、佐野委員、清水委員、       末光委員、竹端委員、田中(伸)委員、田中(正)委員、中原委員、       中西委員、奈良崎委員、西滝委員、野澤委員、野原委員、橋本委員、       東川委員、広田委員、福井委員、藤井委員、藤岡委員、増田委員、       三浦委員、三田委員、光増委員、森委員、山本委員、渡井委員        ※会議の模様は、YouTubeの厚生労働省動画チャンネルにて動画配信していますので、  併せてご確認ください。 (URL:http://www.youtube.com/watch?v=TcmQ4X8yO0s) ○佐藤部会長  定刻になりましたので、ただ今から障がい者制度改革推進会議総合福祉部会を開会いた します。  部会長の佐藤でございます。  本日の会議は、報道関係者及び関係者の方に傍聴していただいております。ムービーカ メラが会場全体を通して撮影可能な状態になっておりますので、カメラに映りたくないと いう方がいらっしゃいましたら、挙手またはほかの方法でお知らせいただきますよう、お 願いいたします。  それでは、山井政務官よりご挨拶をお願いいたします。 ○山井政務官  皆さん、こんにちは。  お盆も過ぎてかなり暑さが和らぐのかなと思っていたら、まだまだ猛暑日が続いており ます。そういう中で特に車いすの方々、本当にこの厚生労働省までお越しいただくのはな かなか大変なことであったのではなかったかと思います。本日も熱心な議論のために全国 から多くの方々を代表してお越しをいただいていることに、心より感謝を申し上げます。 前回の7月27日から総合福祉法についての個別の議論が始まりまして、今回も事前に資料 を拝見させていただきましたが、500ページにも及ぶ多くの様々な意見が寄せられておりま す。それについても本日、熱心にご議論をいただきたいと思っております。  皆さんにとっても暑い夏で大変だったかと思いますが、私にとってもこの夏は大変でし た。何が大変であったかといいますと概算要求なんですね。政権交代してから初めての概 算要求をこの夏、組ませていただきました。その概算要求を組む段階では、毎日のように 皆さん方のお顔を思い出しながら、本当に皆さん方の前で説明できるようなものに何とか せねばならないというふうに、長妻大臣を初め、私たちも思い続けておりました。しかし、 皆さんもご存じのように今年度は一律1割カットというガイドラインがありまして、一律 1割カットというガイドラインをどうかいくぐって、障害者福祉の予算を確保するのかと いうことに過去1カ月間、本当にこれは障害福祉部だけではなくて、厚生労働省を挙げて 頭を悩ませてきたということであります。  そうした中におきまして、障害保健福祉部関係の概算要求は1兆2,000億円と、前年度の 7.9%増を要求しております。6月に閣議決定された障害者制度改革の推進のための基本的 な方向では、推進会議の議論を踏まえ地域生活の実現とインクルージブな社会の構築を目 指して、障害者が自ら選択する地域への移行支援や、移行後の生活支援の充実等を進める とされております。これを踏まえて元気な日本復活特別枠において、障害者の地域移行、 生活支援のための緊急整備事業として126億を要求しております。  これは施設や病院から地域移行を進め、地域生活の支援を充実するため、24時間の緊急 対応等の支援策を盛り込んだ地域移行推進重点プランの作成や、地域生活の場の整備等に 関わる費用を補助するものであります。これにつきましては特別枠ということで、政策コ ンテストというものに係るわけでありますけれども、何が何でも必要な予算でありますか ら、私たちは何が何でも確保していきたいというふうに思っております。また、多くの関 心があります自立支援医療の自己負担を軽減することに関しましては、検討課題として書 かせていただいております。この概算要求の詳しい内容につきましては、厚生労働省のホ ームページにも掲載をいたしております。  つくづく思いますけれども、本当に政権交代を行って、その中でコンクリートから人へ ということで、私たちは仕事を進めております。その中で初めて組んだこの概算要求の中 で、まだまだ不十分なものであるというふうに私自身も思いますし、皆さん方も当然、納 得してもらえる内容ではないかとは思っておりますが、半歩ずつでも一歩ずつでも着実に 皆さん方が地域で暮らせるように、また、安心して暮らし続けられるように、取り組んで いきたいというふうに思っております。  今日も、この永田町では代表選挙の小沢さんと菅さんの会談があるのではないかという ことで、そういう落ち着かない一日になっておりますけれども、私たちはそういうものに 惑わされることなく、本当に一歩一歩、着実に障害者福祉の充実のために皆さん方ととも に取り組んでまいりたいと思います。  本日は誠にありがとうございます。よろしくお願いいたします。(拍手) ○佐藤部会長  ありがとうございました。  山井政務官におかれましては、公務が重なっておりまして、ここで退室いたします。               〔山井政務官退室〕 ○佐藤部会長  これ以降はスチールカメラの方は退室されます。ムービーカメラはそのままです。  まず、委員の出欠状況と資料の確認について、事務局よりお願いいたします。 ○東室長  こんにちは。担当室長の東です。  まず、委員の出欠状況ですけれども、その前に事務局のほうに人事異動がありましたの で、ここでご紹介させていただきたいと思います。  厚生労働省障害保健福祉部企画課の藤井課長が異動されました。それで、後任として前 障害福祉課長であります中島課長が着任されております。 ○中島課長  よろしくお願いいたします。(拍手) ○東室長  障害福祉課長には中島課長の後任として土生課長が着任されております。 ○土生課長  土生と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手) ○東室長  また、地域移行・障害児支援室長として鈴木室長が着任されておられます。 ○鈴木室長  よろしくお願いいたします。(拍手) ○東室長  どうもありがとうございました。  続きまして、委員の出欠状況ですけれども、本日、ご欠席の委員は、北浦委員、平野委 員、福島委員、宮田委員の4名の方です。また、奈良県知事・荒井委員の代理として杉田 健康福祉部長に、南部町長・坂本委員の代理として牧田主任にご出席いただいております。 出席委員は51名となります。なお、朝比奈委員と駒村委員は遅れて参加されるとのことで す。  続きまして、資料の確認をさせていただきたいと思います。  まず、議事次第と配席図がございますけれども、議事次第の下のほうに配布資料の一覧 が載っております。ざっとご説明しますと、資料1−1から1−9までが「障害者総合福 祉法」(仮称)の論点についての意見ということで、分野ごとにまとめております。次に、 資料2ということで、「障害者総合福祉法」(仮称)の論点に関する現在の制度の状況等 について−No.2−というものがあるかと思います。さらに、追加資料1ということで、三 田委員から論点についての意見というものが出されております。  また、参考資料として1から8までありますが、1から8までの中身としては論点につ いての意見に関連する資料とか、総合福祉部会における議論に関する意見など、委員から 提出があったものを配布しております。また、参考資料9−1と9−2につきましては、 全国障害児・者実態調査、仮称ですけれども、これに関するワーキンググループに関する 資料を配布しております。さらに、追加参考資料として1と2があります。  このほか、資料番号がついておりませんけれども、論点D、E、Fについて8月31日に 議論していただきたいポイントということで、出させていただいておりますのが一つあり ます。それと、作業チームの位置付け及び運営について、これは後ほど配布ということに なります。さらに、施設入所者・入院患者の調査についての話し合いというものが部会長 名で1枚あるかと思います。それと、今日、ミニ学習会ということで基本合意文書のお話 があるかと思いますが、その文書があります。それと、先ほど山井政務官のお話にもあり ましたけれども、予算概算要求の主要事項ということで、23年度版がお手元にあるかと思 います。  さらに、お土産といったらおしかりを受けるかどうか分かりませんが、本が1冊、岡部 委員のほうから提供されております。多分、請求書は来ないと思いますのでお持ち帰りく ださい。それと、鳥取県のほうから、あいサポート運動に関してバッジ等がビニールの中 に入っているものがあるかと思いますので、お持ち帰りください。  資料関係は以上です。お手元にないものがあればお知らせください。事務局のほうで持 参したいと思います。  以上です。 ○佐藤部会長  本日の会議は17時までを予定しております。  なお、ご発言に際してのお願いがございます。まず、発言をされたい方は挙手もしくは その他の方法でお知らせいただいた上で指名を受けて、その後、お名前を述べられてから ご発言いただきたいと考えております。また、発言に際しては必ず卓上のマイクのスイッ チを押して、マイクが作動していることを確認してから発言をお願いいたします。発言は 時間がない中ではありますが、なるべく簡潔にゆっくりとお願いいたします。  以上、情報保障という観点から必ず守っていただきますようお願いいたします。  それでは、議事に入らせていただきます。  過去2回、ミニ学習会ということで、大事な文書についての学習を行ってまいりました。 最初は推進会議で総合福祉法について議論をした2月15日の議事概要、それから、前回は 障害者権利条約の学習をいたしました。今日は基本合意文書について、私のほうから説明 をさせていただきたいと思います。  基本合意文書というので、3枚物のとじたものがお手元にあろうかと思いますので、こ れをご覧いただきながら聞いていただければと思います。  今回の部会においては、第1回の総合福祉部会においても資料として提出されていた障 害者自立支援法違憲訴訟原告団・弁護団と厚生労働省との基本合意文書を取り上げます。 今回は時間の関係もあり、基本合意に至るまでの経緯及び基本合意文書の概要について、 簡潔に紹介させていただきます。  まず、経緯についてですけれども、平成20年10月31日に障害者自立支援法において、障 害者がサービスを利用する際に、原則1割負担をさせる制度、応益負担(定率負担)の制 度は、法の下の平等や生存権の保障を定めた憲法に違反するなどとして、東京や大阪など の障害者29名が国や自治体に負担の免除などを求めて、全国8地裁に一斉提訴しました。 その後、追加がなされて、最終的な原告の数は71名となりました。  その後、政権交代を経て、平成21年9月19日に長妻厚労大臣より自立支援法を廃止する 旨の方針表明、10月6日に厚生労働省・山井政務官より原告団・弁護団に対して話合いの 申し入れが行われ、その後、原告団・弁護団より厚生労働省との話合いに応じる旨が示さ れました。この後、山井政務官の要請を受けて、当時の与党3党の議員で構成された障害 者自立支援法改革調整会議と原告団・弁護団とで調整が開始されました。同年12月16日に は原告団・弁護団と山井政務官の協議も行われ、これらの協議等の結果、平成22年1月7 日に国・厚生労働省と原告団・弁護団との間で、障害者自立支援法違憲訴訟に係る基本合 意文書が取り交わされました。  その後、14の地方裁判所の全てで和解調停に向かい、4月21日の東京地裁での和解をも って自立支援法訴訟は終結しました。また、同日、総理官邸で鳩山内閣総理大臣、当時の 総理大臣と原告らが懇談し、席上、総理より自立支援法に代わる法律を皆様方とつくり上 げていきたいと思っている、今日まで自立支援法の下で皆様方にはご迷惑をおかけしたと 思う、そのことについては皆様方に申しわけないという思いでいっぱいだと述べられまし た。また、新しい政権の下で障害者の皆様方のための新しい法律をつくり上げていきたい、 最終的には障害者の差別禁止法までつくり上げたいという願いも共有している、そのため の本部をつくり、その下で会議体をつくり、皆様方にも加わっていただくことになった、 新しい政権の下で障害者の皆様方のための新しい法律をつくり上げていきたいと重ねて語 られました。  そういう経過の下でつくられた基本合意文書の概要について説明をしたいと思います。 基本合意文書は5つの項目から構成されています。これから、この5つの項目に沿って紹 介していきますので、各委員におかれましては、より詳しいことをこの文書を読みながら 見ていただければと思います。  1つ目の項目は、障害者自立支援法廃止の確約と新法の制定についてでありまして、国 (厚生労働省)は、速やかに応益負担(定率負担)制度を廃止し、遅くとも平成25年8月 までに、障害者自立支援法を廃止し新たな総合的な福祉法制を実施する。そこにおいては、 障害福祉施策の充実は、憲法等に基づく障害者の基本的人権の行使を支援するものである ことを基本とするとされています。  2つ目の項目は、障害者自立支援法制定の総括と反省についてです。国(厚生労働省) は、憲法第13条等に基づき、違憲訴訟を提訴した原告らの思いに共感し、これを真摯に受 け止めることとしています。  また、国(厚生労働省)は、障害者自立支援法を、立法過程において十分な実態調査の 実施や、障害者の意見を十分に踏まえることなく、拙速に制度を施行するともに、応益負 担(定率負担)の導入等を行ったことにより、障害者、家族、関係者に対する多大な混乱 と生活への悪影響を招き、障害者の人間としての尊厳を深く傷つけたことに対し、原告ら を初めとする障害者及びその家族に心から反省の意を表明するとともに、この反省を踏ま え、今後の施策の立案・実施に当たることとしています。  さらに、新たな総合福祉制度を制定するに当たって、国(厚生労働省)は、今後推進本 部において、上記の反省に立ち、原告団・弁護団提出の本日付要望書を考慮の上、障害者 の参画の下に十分な議論を行うこととしています。  3つ目の項目は、新法制定に当たっての論点についてであります。原告団・弁護団から は、利用者の負担の在り方等に関して、支援費制度の時点及び現在の障害者自立支援法の 軽減措置が講じられた時点の負担額を上回らないことなどの6つの点についての指摘がさ れたと書かれています。具体的な指摘については、各委員において目を通していただきた いと思います。  また、国(厚生労働省)は、新たな福祉制度の構築に当たっては、現行の介護保険制度 との統合を前提とはせず、上記に示した本訴訟における原告らから指摘された障害者自立 支援法の問題点を踏まえ、次の事項について、障害者の現在の生活実態やニーズなどに十 分配慮した上で、権利条約の批准に向けた障害者の権利に関する議論や、「障害者自立支 援法の施行前後における利用者の負担等に係る実態調査結果について」(平成21年11月26 日公表)の結果も考慮し、しっかり検討を行い、対応していくこととし、次の事項として、 利用者負担の在り方、支給決定の在り方、報酬支払い方式、制度の谷間のない「障害」の 範囲、権利条約批准の実現のための国内法整備と同権利条約批准、障害関係予算の国際水 準に見合う額へ増額の6点が挙げられています。  4つ目の項目は、利用者負担における当面の措置についてです。国(厚生労働省)は、 障害者自立支援法廃止までの間、応益負担(定率負担)制度の速やかな廃止のため、平成 22年4月から低所得(市町村民税非課税)の障害者及び障害児の保護者につき、障害福祉 サービス及び補装具に係る利用者負担を無料とする措置を講じるとしています。なお、自 立支援医療に係る利用者負担の措置については、当面の重要な課題とするとされています。  5つ目の項目は、履行確保のための検証についてであります。以上の基本合意につき、 今後の適正な履行状況等の確認のため、原告団・弁護団と国(厚生労働省)との定期協議 を実施するとされています。  以上、基本合意に至るまでの経緯及び基本合意文書の概要について、簡潔に紹介させて いただきました。時間の関係もあり、紹介できなかった点もありますが、2つ目の項目に ついての紹介の際に述べましたが、基本合意文書と同時に原告団・弁護団より提出された 要望書も関連資料として配布されておりますので、各委員におかれては後ほど目を通して おいていただきたいと思います。  以上が基本合意文書についての説明です。  ということで、今後の討議、また、作業チームによるより詰めた検討にも、時々、これ を振り返って新法づくりに生かしていただくということで、お願いをしたいと思います。  今日のメーンの議題としましては、論点表の9つの分野のうち、4、5、6番目、D、 E、Fの項目分野について、皆さんから膨大なご意見をいただきました。それについて若 干の議論をして、より詰めた作業チームでの議論に生かしていきたいというふうに考えて おります。  まず、最初に討議の進め方ですが、皆さんから提出された意見の概要をDの分野、施策 体系についての分野についてですけれども、これについて皆さんから出された意見の概要 を5分から10分程度で、茨木副部会長から説明をしていただいて、その後、厚生労働省か ら資料2に基づいて、10分程度でその分野に関する現在の制度の状況等について説明をし ていただきます。その後、70分程度で議論していただく。Dの分野が項目としても非常に 多いので、ここに比較的多くの時間をとって、ご議論をいただければと考えております。 意見の相違、根拠、背景は何か、意見の相違を解決するために何が必要なのか、おぼろげ なりとも明らかにして、共通理解を得るというふうにしていければというふうに思います。  資料としましては、詳しく皆様からの意見をまとめた資料とともに、それをまとめた4 枚物の番号の振っていない、論点D、E、Eについて8月31日に議論していただきたいポ イントという4枚とじのものがあります。ルビなしの資料で4枚になっております。これ の2ページ目から4ページ目までが論点D、E、Fへの構成員の主な意見ということで、 ごく簡略にポイントと多数意見はこうなんだというようなことをまとめさせていただいて おります。こういう意見のまとめを少し口頭で補足をしていただきながら、茨木副部会長 からまず説明をしていただき、厚生労働省の説明の後で、一番最初に議論していただきた いポイント、D、支援体系については、(1)、(2)、(3)の3つの議論のポイントを提案させて いただいておりますけれども、これに基づいて70分ほどご議論いただくというふうに考え ております。  それでは、茨木副部会長、よろしくお願いします。  どうぞ、山本委員。 ○山本委員  山本眞理です。この会議の進め方について2点ほど提案があります。一つは親会議のほ うで土本委員から提案された、黄色、赤、青のカードをここにも導入していただきたいと いうのが1点目、2点目は今日の配布資料の最後のほうに内閣府から私がいただいた文書 が載っておりますが、山本については会議中の介助は不要であると内閣府が判断しており ます。  今日の支援サービスの体系にも関わりますが、例えば私がここに来るということは、内 閣府の部会とは申しても、事務局は厚生労働省、建物は厚生労働省です。私ども精神障害 者に厚生労働省が今まで何をしてきたか、何をしているか、そういうことを考えると、私 はこの建物に入ること自体が非常に命がけです。さらに精神保健福祉法では自分を傷つけ たり、人を傷つけるおそれがあると強制入院とありますが、この人を傷つけるというのは、 名誉毀損や侮辱まで入っております。人の体を傷つけることだけじゃないんですね。です から、国際的には日本の精神保健福祉法は、精神障害者の言論の自由を否定しているとい うふうに私どもは国連の人権規約委員会にも申しました。  そういう中で、私がしゃべるということがどれだけ緊張を要して、安全保障感確保のた めに介助が必要であるということ、それはこの会議について内閣府がお認めにならないと、 予算上、絶対に認められないなら、それはそれで仕方がありませんけれども、今日の議論 をする上でも、各地でこれから精神障害者がいろんな意思決定過程に参加する中で、やは り会議中の介助は精神障害者も必要だという、少なくとも私の主張を皆さん、ご理解いた だきたいと思います。2点です。よろしく。 ○佐藤部会長  1点目のイエローカードに関しては、既にこの部会でも活用されていたと思いますけれ ども、加えて、赤、青の導入をということですか。推進会議のほうでもそういう方式にな っているので、それがよいということから、部会でも採用するようにしたいと思います。 今日、間に合うかどうかは、ちょっと検討させていただきますけれども。  2番目の点については、とりあえず、ご意見ということでお伺いするということでよろ しいでしょうか。 ○山本委員  意見で、聞きおくでしょうがないんだと、時間もないでしょうけれども、私としては介 助を要求します。今、100%、私は自己負担で払っています、毎回。 ○佐藤部会長  実は、私の日本社会事業大学のゼミで、学生と一緒に地方の策定委員会に知的障害者や 精神障害者が参加するために、どんな配慮が必要かということで、いろいろ調べてチェッ クリストというのをつくっているんですけれども、その中には精神障害者の方も補助者が 一つの選択肢だというふうにも書いております。知的障害者の理解を促すための補助者と か、そういうものと並べて書いておりますので、しかし、個別の一人一人が本当に違うの で、画一的にみんなに付けるというのは、また、逆におかしなことになるので、個別の状 況を事務局のほうでも考えて、対応するというふうにできればというふうに思います。  そうしましたら、茨木副部会長、よろしくお願いします。 ○茨木副部会長  副部会長の茨木です。Dの部分の皆さんの意見の取りまとめを5分から10分程度でとい うことで、述べさせていただきます。  既にこの大変分厚い意見書の中でも、半分以上がDについての支援体系の部分について の皆さんの意見となっています。ですので、その一つ一つの意見をご紹介して確認すべき なのですけれども、ここでは大多数の人たちが合意している内容、また、対立している点、 特筆すべき点などを中心に、簡単にまとめさせていただくことになりますということを予 めお断りしておきます。  では、まず、D−1、支援体系の在り方についてという支援体系全体についての意見で す。1−1で、これまで支援のはざまにいた人たちのサービスをどう考えるかということ を聞いています。ここはほぼ皆さん方、意見が一致していまして、一つははざまにいた人 たち、発達障害、高次脳機能障害、軽度知的障害、精神障害などの人たちの当事者からの 十分な聞き取りが必要だし、こういった人たちのニーズ調査を新たにする必要があるとい うようなところで一致していました。また、こういったはざまにいた人たちも含めて、多 数の障害者の個別のニーズを把握する場所として、身近な相談支援体制がまず何より大事 であるということで、それぞれの人のニーズに応じた支援に結び付けるという支援体系を 考えていくべきというところも、ほとんどの方が一致されていました。  それから、D−1−2、現在の介護給付、訓練等給付、そして地域生活支援事業という 区分けについてどう考えるかという点と、新たな支援体系の区分はどう考えるかというと ころですが、これも多くの委員から、介護給付と訓練等給付を分けるということにはほと んど意味がないと。特に利用する側からは、非常に問題であるということで、新しい法律 では個別給付は一つに統合すべきであるという意見が大多数でした。新たな法律での支援 体系で、どういうふうな区分にしていくかということについては、複数の意見や提案があ りました。これについては後でこの部会で皆さん方から意見を出していただいて、どんな 方向で考えていくかということについて、意見交換ができればと思っています。  それから、D−1−5ですが、地域生活支援事業の意義と問題点をどう考えるかという 点です。ここについては市町村の創意工夫、裁量で可能となる事業の仕組みというのは、 新しい法律でも残しておくべきであるという意見が多数、出ていました。しかし、現在の 財源の仕組みでは、非常に地域格差が出ているところでもあるので、一定水準の事業が格 差なく、全ての自治体でできるような財政面を含めた新たな地域支援事業の仕組みが必要 という意見が多数を占めていました。もう一つ、地域支援事業になじむものと個別給付に 移行すべきものということで、特に移動支援、日中一時支援、日常生活用具の給付などは、 個別給付に移動すべきであるという複数の意見が出ていました。そのほか、コミュニケー ション支援、それから、相談、援助、ピアサポート、研修事業といったものは、地域生活 支援事業としてしっかりと新しい法律で検討すべきという意見がありました。  そのコミュニケーション支援事業についての在り方を問うたのがD−1−6です。これ については、コミュニケーション保障は憲法21条で保障されている表現の自由を行使する ために必要な支援であるということを確認した上で、聴覚障害、盲ろう者、視覚障害、さ らに知的障害や重度肢体不自由者等を含めて、全ての障害者の自立に欠かせない支援であ るという理解を持つことの重要性が指摘されていました。その上で、それぞれの障害に応 じて、どのような地域でのコミュニケーション支援が重要かということを新たに検討すべ きという意見が大多数でした。一部は個別支援に回すべきという意見も見られました。  それから、D−1−8、自立支援医療についてどう考えるかという点ですが、これにつ いてはほとんどの方が自己負担の在り方についての見直しが必要ということでしたが、見 直す方向については複数の意見が見られました。障害にかかる医療費は無料化すべきとい う意見、また、福祉と医療制度を制度的に切り離して、負担の在り方を検討すべきという 意見、それから、応能負担でよいのではないかという意見などが出されていました。  次、D−2は、個別給付の中で介助支援について細かく聞いたものですが、その中で特 にパーソナル・アシスタンス・サービスをどういうふうに考えるかというようなことも、 具体的に論点として出されました。大多数の意見としては一人一人のニーズに合わせて、 柔軟な対応ができるパーソナル・アシスタンス・サービスが必要であるという点では一致 していたと思います。また、それを可能にするために、一人一人の総合的な生活ニーズを サービスにつなげる相談支援、ケアマネジメントの体制が不可欠であるという意見も大多 数の委員が出されていました。  なお、このパーソナル・アシスタンス・サービスについては、まだ、定義とか内容が非 常に不明確であると、これを直接給付制、つまり利用者が直接、アシスタンスを雇用する 仕組みと同義というふうに考えるのであるとすると、知的障害やその他、使いづらい人た ちも出てくるし、また、非常に安上がりなサービスにつながりかねないので、もう少し具 体的にパーソナル・アシスタンス・サービスについての共通理解をした上で、議論すべき という提案もありました。  訪問系の支援については、シームレスな支援が必要ということでは一致していたので、 今日、議論していただきたいのは、特にガイドヘルプなどの外出支援、それから、見守り をどういうふうに考えていくか、また、通勤・通学などの支援をどのように考えていくか、 さらに医療的ケアの対応も含めた新しい在り方をどういうふうに新しい法律で考えていく かということを議論しながら、具体的にパーソナル・アシスタンス・サービスというもの について、新しい法律でどう盛り込めるかということを少し、ここで議論できたらと思っ ています。それが第2点の議論点です。  それから、次ですが、D−3、社会参加支援ということですが、これは先ほどシームレ スなサービスというところで述べたとおり、就学や就労に際しての介助についてシームレ スで提供し、利用しやすい仕組みをつくるべきということでは一致していたのですが、財 源をどう考えていくのか、また、福祉、労働、教育行政との役割分担をどう考えるかとい うところでは、個別の委員で意見が違っていました。  それから、D−3の社会参加、居場所機能や文化芸術活動などについてどう考え、確保 していくかということについては、社会的孤立を防ぐ、または社会参加の意味を広くとら える上で、こういった機能をしっかりと日中活動系に位置付けることが重要であるという 意見が大多数でした。  次、D−4ですが、就労です。ここは大変多くの意見が出されていました。大きく一致 していた点では、やはり福祉的就労というものについて、今後、労働法の適用を考えてい くべきという意見が大多数でした。しかし、一方で、最低賃金に満たない活動は、就労支 援から外して考えるべきという意見も複数ありました。さらに、そこから特に福祉的就労 の内容を整理して、労働政策に位置付けるものと日中活動に位置付けるものに分けて、対 応すべきというご意見も複数ありました。また、社会的雇用など雇用政策と福祉的就労、 福祉の部分をつなぐ施策を新たに創設すべきという意見も複数見られました。今日、この 部会で議論していただく3つ目のDのポイントとして、以上のような意見を踏まえて福祉 的就労について労働政策との関連を含めて、どういうふうに新しい法律で考えていくかと いう点を少し議論できたらいいなということで、3つ目の論点として出せていただいてい ます。  それから、その他、D−5は住宅、グループホームを含めた住まいの問題です。これに ついては公共賃貸住宅における障害者枠の拡大、バリアフリー住宅、それから、グループ ホームなどの優先枠の制度化が必要という意見や、家賃補助や住宅手当が必要という意見、 それから、施設入居から地域移行などをする場合、個別給付としてホテルコストに相当す る給付を支給する仕組みが必要という意見などがありました。  たくさん人から出ていた意見として、現在のグループホーム、ケアホームという区分、 これは非常に問題があるので、ぜひ一元化する方向で新たな法律では位置付けて、整備促 進が必要だという意見がありました。もう一方で、民間の一般住宅では家賃滞納とか近隣 等のトラブルなどもあるので、そういったものをカバーする支援も必要ということと、一 方で、地域住民の障害のある人たちが、身近な地域で一緒に暮らすことの理解促進という ことも必要ではないかという意見も出されていました。  D−6、最後ですけれども、権利擁護支援をどう考えるかということですが、これはほ ぼ一致していて、セルフアドボカシー・エンパワーメント支援、アドボカシー支援など自 己決定のプロセスに対してのきちんとした支援が必要という意見が多くの委員から出てい ました。その実現のためには、ワンストップ相談支援体制、それから、障害者ケアマネジ メントのやはり充実が必要ではないか、また、一方で、当事者のピアサポート、本人の権 利主張支援などをしっかりと位置付けていくことが必要だという意見が出されていました。  以上です。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  続けて、厚生労働省より現状説明をお願いいたします。資料は資料2をご覧いただきた いと思います。 ○中島課長  厚労省障害部企画課の中島でございます。資料2に即しまして支援体系につきましての 現行制度の状況と、そこにある基本的考え方について簡単にご説明を申し上げます。論点 が多岐にわたっておりますが、時間の制約がございますので、幾つかの論点に絞ってご説 明を申し上げることになるかと思いますが、ご了承ください。  資料2を開いていただきまして1ページでございます。まず、D−1−1、支援のはざ まにいた人たちに対する考え方ということでございます。現在の制度の状況といたしまし ては、2つ目の丸にございますように、発達障害や高次脳機能障害につきましては精神障 害の概念に含まれており、自立支援法に基づく福祉サービス等を利用することが可能とな っています。発達障害につきましては議員立法でございますけれども、発達障害者支援法 に定義が置かれています。難病の方々に関しましては、その下の丸の最後の3行でござい ます。難病の方々に対する福祉サービスについては、厚労省の健康局のほうで居宅生活支 援事業ということで、ホームヘルプサービス、短期入所、日常生活用具給付事業等を給付 させていただいておるということでございます。  次のページ、介護給付、訓練等給付と地域生活支援事業というところでございます。2 ページのところ、介護給付費等についてのところでございますが、介護給付費につきまし ては障害程度区分の認定が必要ということでございますけれども、訓練等給付費の場合に は障害程度区分の認定は必要ないということでございます。いずれにせよ、この介護給付、 訓練等給付につきましては、3ページの3行目でございますけれども、義務的経費という 形になってございます。  それに対しまして、地域生活支援事業でございますが、3つ目の丸でございます。本事 業につきましては、原則として人員設備及び運営に関する基準等を一律には設けず、地域 の実情などに応じて、地方自治体の裁量により柔軟に実施できるようにしておるというこ とでございます。そして、これらの経費はその下、3行目でございますけれども、裁量的 な経費となっておるということでございます。  この介護給付費等と地域生活支援事業、それぞれの特色につきましては、4ページに簡 単に整理をさせていただいております。介護給付費等の対象となるサービスについては、 全国一律の基準を設けるということから、一定の質が全国どこでも確保されるということ と、義務的経費として負担することが可能になるというメリットがあるということでござ います。一方、地域生活支援事業のメリットとしては、自治体が地域の実情に応じて柔軟 にサービスを提供しやすくなるということともに、複数の利用者に対する事業や利用者の 個人に着目しない事業など、個別給付になじまない事業も実施することができるというメ リットがあるということで、整理をさせていただいております。  5ページから6ページ、7ページは飛ばせていただきまして、8ページでございます。 日中活動系の支援体系の在り方をどうするかということでございます。9ページの一番下 でございますけれども、現在の自立支援法におきましては、障害者の地域生活への移行を 進めるため、入所施設や病院で24時間暮らす、それまでのサービスの提供の在り方を見直 すということで、障害をお持ちの方々が自らの希望に応じて、昼夜複数のサービスを選択 して組み合わせることができるということで、日中活動系サービスと居住系サービスに分 ける、いわゆる新体系への移行という形で、日中活動系の支援体系といったものを位置付 けておるということでございます。  10ページでございます。地域生活支援事業の意義と問題点についてということでござい ます。先ほど茨木先生のご説明にもございましたが、11ページでございます。下の半分で ございます。平成20年12月にまとめられました厚労省の社会保障審議会の障害者部会の報 告では、現行の地域生活支援事業の中の事業から、1つ目、重度の視覚障害者の同行支援 については自立支援給付とすればどうかと、また、日中一時支援についてはお子さんの放 課後や夏休み等において、お子さんの発達に必要な訓練指導など療育的な要素を加味する ものについては、これも自立支援給付とすべきではないか、また、相談支援事業の中で地 域移行を進めるための入居支援や緊急時のサポートについても取り出して、自立支援給付 とすべきではないかという形で、地域生活支援事業と自立支援給付のところの境界線につ いての見直しを行ってはどうかというご提言をいただいているということでございます。  12ページから17ページは飛ばせていただきまして、18ページでございます。シームレス なサービスの確保という観点で、地域で展開される支援サービスの在り方について、どう 考えるかというところでございます。現在の制度の状況としましては、1つ目の丸にござ いますけれども、障害をお持ちの方に対する介護等は、提供される場面により利用可能な 制度が異なっているというのが現行制度でございます。下に黒ポツで幾つか付けさせてい ただいておりますけれども、障害者福祉として施策を講じているもの、医療保険制度の中 で施策を講じているもの、労働施策として施策を講じているもの等々があるということで ございます。  19ページでございます。こうしたことについての考え方と、一番下の欄でございますけ れども、医療保険制度や労働施策、教育施策等の他施策で行われているものと福祉で行わ れるものについての実施主体、費用負担等の区分の必要性ということ、さらには国の厳し い財政事情を考慮すれば、サービスの効果的・効率的な提供の必要性があるということで、 それぞれのフィールドと役割分担をして、障害福祉サービスとして担うべき介護等の範囲 を定めておるというのが現行制度ということでございます。  20ページでございます。ホームヘルプ、ガイドヘルプについてどう考えるのかというこ とでございます。20ページの下の現行の制度の考え方でございます。ご承知のとおり、移 動支援については地域生活支援事業として実施しております。ただ、移動支援と介護を一 体的に提供する必要がある重度の障害者の方の移動支援につきましては、重度訪問介護と いう形で、また、行動援護という形で、自立支援給付としてメニュー化させていただいて います。なお、先ほど申し上げましたけれども、20年12月に取りまとめられた社会保障審 議会の報告では、重度の視覚障害者の方の同行支援についても、自立支援給付とすべきで はないかというご提言をいただいておるというところでございます。  22ページから27ページまでは飛ばせていただきまして、28ページでございます。就労で ございます。福祉的就労というものをどのように考えるのかということでございます。29 ページの現在の制度の考え方ということでありますが、繰り返しになりますが、先ほどの 障害者部会の報告では、1つ目の黒ポツでございます、障害者自立支援法では、それまで の旧体系といいますか、授産施設等を目的、機能によって一般就労を希望する障害のある 方に対して就労移行支援という新たな類型を設け、一般就労がその時点では困難な障害の ある方については、A型、B型という形で就労継続支援という形で、福祉から就労という 形の強化を図ったと。それで、今後、一般就労への移行支援の強化、さらには障害者雇用 施策との連携強化、そして3行ぐらい下でございますが、特別支援学校や高等学校等の在 学中からの支援と、こうしたものをしっかりやっていくことが課題ではないかという形で、 ご提言をいただいておるということでございます。  30ページ、D−5、住まいの確保でございます。現在の制度の状況のところの1つ目の 丸、先ほど茨木先生からありましたグループホーム、ケアホーム、厚労省の施策としては この整備をしっかり進めておるところでございます。また、3つ目の丸でございますけれ ども、グループホーム、ケアホーム以外の住宅確保については、国土交通省と連携を強め ておるということでございまして、昨年11月には私どもと国土交通省の間で連名通知を出 させていただいて、30ページの下のほうからメニュー名だけでございますけれども、公営 住宅への住居促進、31ページでございますが、団地の再整備、そして公営住宅等をグルー プホームに活用する、民間賃貸住宅に入居を円滑化するために、地域で居住支援協議会と いう関係者から成る団体を組織する、さらには情報提供という観点で、あんしん賃貸支援 事業というものをやる、さらには未払い家賃の債務保証もやっていくという形で、いわゆ る民間賃貸住宅についても、このような施策をやっておる、さらにはバリアフリー化の推 進というもの、そして、32ページでございますけれども、新たなものとして平成22年度よ り高齢者等居住安定化推進事業というものも国交省さんが取り組んでおられますが、これ についてもご協力を申し上げて、より住まいの確保について、サービス付きの住宅という ものについて取組を強化していくということでございます。  住まいの部分につきましては32ページの下でございますけれども、先ほどの障害者部会 の報告書の中では、一番下、3行でございます、グループホーム、ケアホームを利用する 際の助成についても、検討すべきではないかという形でのご提言をいただいておるという ことでございます。  最後に36ページまで飛ばせていただきます。権利擁護支援等ということで、自己選択、 自己決定、さらには権利擁護といったものをどう考えるのかということでございます。権 利擁護につきましては、同じく36ページの一番下の丸でございますけれども、地域生活支 援事業において、成年後見制度の利用支援事業というメニューを設けさせていただいてお るということでございます。また、自己選択、自己決定につきましては37ページでござい ますけれども、先ほどから申し上げております障害者部会の報告では、サービス利用計画 の作成については支給決定前の段階で、原則として対象者全員にしっかりつくるべきでは ないかというご提言をいただいておるとともに、38ページでございます、(1)のところに書 いてございますけれども、高齢者、児童については虐待防止法制があるけれども、障害者 についてはないので、そうした障害者に対する虐待防止法制についても、積極的に検討す べきではないかという形のご提言をいただいているというところでございます。  私どものほうからは現状のご説明として以上でございます。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  1時の開会からちょうど1時間がたって、休憩を本当は入れなければならないところな んですけれども、Dの支援体系についての議論していただきたいポイントが3つあります ので、1つ目だけでも若干議論をした上で休憩に入りたいというふうに思いますので、ご 協力をお願いします。  茨木副部会長からも提起がありましたように、介護給付と訓練等給付の一本化を含めて、 その一本化をどう見るかということも含めて、新たな法律では支援体系をどういうふうに 考えたらいいのかということについて、若干のご議論をいただければと思います。前回と 同様に、原則として発言時間を一人3分でお願いをしたいと思います。2分たちますと赤 いランプとブザーが鳴りまして、3分でもう一回鳴るということになりますので、ご協力 をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。新しい法律の下で支援体系はどうあるべ きか。清水委員、お願いします。 ○清水委員  青葉園の清水ですけれども、ちょっとその論点と合うかどうか、よう分からへんのです けれども。重症心身障害の立場から考えますと、要するに支援体系のそもそもの理念軸と いうんですかね、そこをどこに置くかということがやっぱり大きく問われてくるように思 うんですね。例えば今回自立支援法で生活介護というのが、昼間のアクティビティの部分 で置かれてそこの部分が介護給付になってみたいな、そこら辺の中で・・・。重症心身障 害の人は、単に介護を受けておるだけではないんですよね。そこで自分として生きていこ うとしている、よし、やったろうと生きているわけですよね。  そのことの価値をどこまできちっと認めるのか、というんですかね。そのために給付を ちゃんとしていくんやという、そういう人間存在の価値に基づく一定の考え方というんで すかね。支援の給付の体系の理念化というのがやっぱりきちんとしていないと、それがな いと恐らくそういう意味で、社会に働きかけるという、その人の存在価値を社会化すると いう、そういう展開がなければ、恐らく例えば私どもの例でいうても、本当の意味のご本 人の意向に基づく本人中心計画というのはできないですし、それがなければ、本当の意味 の本人中心の展開に向けての相談支援というのは成り立たないし、エンパワーメント支援 も成り立たないし、そこの意味でいわゆる協議調整モデルというものは成り立たないわけ で。そこのところを抜きに客体化をしていって、これぐらいの介護でええやろうという、 そういうここら辺でっせみたいな問題ではないと思うんですね。  それは青臭い話かもしれないけれども、もう一遍、やっぱり支援の体系を考えるときに、 一人一人が今、自分の人生を生きようとしているわけで、その存在の価値というものをや っぱり根幹において、そこをきちんとしていくんやという。これは、「この子らを世の光 に」というのはそういうことですので。今回こそはそこをきちっと理念軸に置いて、全て の構造を組み上げていくということを何とかできないかというふうに思います。 ○佐藤部会長  山本委員。 ○山本委員  山本眞理です。私も今日の議論のポイントというのは、ちょっと議論の枠が狭過ぎるん じゃないかというのは私もそう思います。今日の概算要求を見ると、精神障害者に向けら れた予算の大半が医療観察法であり、精神科救急イコール強制入院であり、それから、医 療側からの訪問看護でありというような、つまり精神障害者が地域で生きることに関して、 要するに地域移行よりも隔離収容するほうにお金がいっぱい付いている現実があるわけで すね。そういう意味では、もう一度、ともかく新しい福祉法の理念のときにさんざん議論 しましたけれども、だれもがどんな障害があろうと、ほかの人と同じように暮らせる権利 があるんだという基本に立ったサービス体系の議論が必要だと思います。  そのためには、非常に複雑怪奇なサービス体系については、もうちょっとシンプルで分 かりやすく。どなたかが愛される法律をつくりましょうということを最初におっしゃりま したけれども、単純で分かりやすい、みんなが使いやすい体系にしていただきたいと思い ます。それはなぜかというと基本は人権だからだと思います。要するに恩恵ではなく、全 ての人が他の者と平等に町で暮らす権利は人権だということに基づいて、もうちょっと単 純なサービス体系をつくっていただきたい。 ○佐藤部会長  野原委員、それから、近藤委員の順でお願いします。 ○野原委員  日本難病・疾病団体協議会の野原と申します。今、お二方のご意見がありましたけれど も、実は私たちも最初の論点、あるいはまた、本日、示されている論点、また、論点に関 係するいろんな意見の出し方なんかでも、なかなか自分たちの解決しようとしている問題 点、論点という問題と、提示される論点がなかなかかみ合わないという点で、正直なとこ ろ、苦慮しているという問題がありました。  今日でもそうなんですけれども、実はお二方の意見も私たちも同感なんですけれども、 医療依存度の高い障害者、あるいはまた、医療を抜きにして生活したり、生きていくこと、 社会参加は不可能に近い、そういう障害者について、実はここにいっぱい谷間があるんだ と。この谷間をどうするんだと。言葉としてはシームレスがどうのというようなことがあ ったとしても、この谷間を本気になって克服するんだということになれば、真正面からそ の問題に取り組む、これだけではもちろんありませんよ、これだけではありませんけれど も、その問題はもっともっと位置付けも高く検討されなければ、論点としても浮かび上が ってこないと、なかなか今のような問題というのが十分、こなし切れない、具体的な解決 もできない。  先ほどの話がありましたけれども、厚労省のほうからの話がありましたけれども、難病 患者と居宅生活支援事業、これでやっていますよというような程度の難病についてのご説 明なんですね。しかし、実際は難病対策要綱でいろんな問題にチャレンジされ、努力され、 蓄積されているということがあるんですけれども、福祉の視野にはそれが入っていないん です。しかし、これからどうしょうかと思うとなると、どうしても難病対策要綱で38年間 やってきた、その成果をどういうふうに引き継ぐのかということと関連させないと、次の 方向が出てこないという問題があるんですね。  そういう点で、問題意識は共通するんですけれども、ぜひ、そういう方向で論議を強め て、深めていくということをお願いしたいというふうに思います。私たちもある程度、次 にどうしたらいいのかという問題なんかを私たちなりに一定の意見をまとめ始めているん ですけれども、そういうものとしてお願いしたいと思います。  以上です。 ○佐藤部会長  近藤委員、お願いします。 ○近藤委員  全国社会就労センター協議会の近藤です。先ほど来からお話があるように、自立支援法 による支給については、介護保険との統合を意識したものであったというところで、障害 者の場合、介護ではなく自立であるということを基本に見据えたサービス体系の在り方が 必要ではないかと思います。したがって、介護給付と訓練等給付の区分は不要であり、自 立支援給付でなければならないと考えます。また、障害者のライフステージに応じた支援 の在り方を考える必要があると感じます。  それから、最近のテレビでも報道されましたが、療養介護事業において医療と福祉の報 酬の差が大きいことから、実際に、療養介護事業があっても事業を実施する病院が少なく、 重い障害のある方の行き場がないという現実があるそうです。医療と福祉の報酬の水準に ついても同時に検討される必要があるのではないかと思っております。  以上です。 ○佐藤部会長  まだ、いろんな意見があろうかと思いますけれども、それでは、あとお一人、斎藤委員 だけで、ほかの方もいろいろ意見があろうかと思いますけれども、ほかの論点にも共通す るんですけれども、時間がなくて発言できない方もあろうかと思います。今週中までに発 言できなかった部分に関しては、文書で意見をいただいて、メールでいただいて、次回の 部会で紹介をする、ウエブにも載るというような形で、時間不足に対応したいと思います ので、ご了解いただければと思います。では、斎藤委員、お願いします。 ○斎藤委員  共同連の齋藤です。今、近藤さんもおっしゃいましたけれども、介護保険制度と障害者 介護との一体化をねらった自立支援法であったということは、だれの目にも明らかなので あって、それが見送られた段階で、この給付の在り方は抜本的に改める必要があったんだ というふうに思っております。そういう中で、現実的な話としまして例えばある一人の人 を取り上げたときに、その人が例えば訓練等給付の就労型の事業にいった場合は、障害程 度が幾らどのような段階であろうと、事業者に出る報酬額は全く同じなんですね。  ところが、生活介護といったような、そういう介護給付のほうの事業にいきますと、介 護区分によって出る金額が全然違うということになってきます。そうすると、そういうこ とが、結果、何をもたらしておるかというと、今、現実的に事業の設定というのは障害者 が選びたい、どんなサービスを受けたいかということで形成されていくのではなくて、事 業者の側がどうしたらいかに報酬を確保できるかと、そういう一点で形成されている。だ から、区分が一定以上重い人は就労の一途でなければ金額は増えないわけですね。生活介 護にいってもらわなければ増えないわけです。だから、生活介護をつくって、そういう人 は全部、生活介護にいくと。その人が働くか、働かないかとか、そういう問題とは関係な くて、経営上の理由でそうなっているんですね。  同じ就労事業でも就労移行へいくか、就労継続へいくかというのは、その人にとってど ちらがふさわしいかではなくて、就労移行の事業をやれば、たくさんお金が事業者に入る けれども、就労継続では金額が少ないと。経営上は一定数は就労移行にしておかないと施 設経営が成り立たないと、そういうところで施設の事業の選択がなされておるということ で、本来、自立支援法が言うところの障害者が様々な事業を選択できるということで、事 業がいろいろ形成されているのと全く相反するような仕組みになってしまっているので、 これは本当に抜本的に一から見直して、つくり直さなければいけない。単なる介護給付と 訓練等給付の一本化なんていう問題にとどまらない、本当に一からのガラガラポンが必要 だと思っています。 ○佐藤部会長  大変いろんな根本的な問題が出されたかなというふうに思います。単にいろんなサービ スメニューをどういうふうにカテゴリーに分類したら、一番整理できるかというだけでは なくて、目的や理念等に基づいたきちんとした検討が必要だという提起がいろいろなされ たと思います。それと、谷間になっていた人たちも含めて見直そうというわけですので、 今までの体系、今までの考え方でいいのかどうなのかということも含めて、検討しましょ うという提起もなされたと思います。  ここで15分休憩をして次の2番目、3番目のDの論点に入っていきたいと思います。13 分ぐらいになりますけれども、2時半に再開をしたいと思います。よろしくお願いします。               〔休憩 14時16分〕               〔再開 14時30分〕 ○佐藤部会長  それでは、再開いたします。  論点分野Dの2番目の議論ポイントです。訪問系支援の在り方ということなんですけれ ども、特にパーソナル・アシスタンス・サービスだとか、シームレスな支援の在り方とか、 この辺のところに焦点を当ててご意見をいただければと思います。どうぞ。 ○倉田委員  箕面市の倉田でございます。お世話になっています。まさしく、今、ここで指摘をされ ているシームレスな支援ということで、ぜひともポリシーにも、多分、理念とかにも関わ ってくる部分だろうというふうに思うんですけれども、障害者が普通に地域で暮らしてい けると。このことをぜひともポリシーに置いて、これをどうやって支えていけるか、支え られていけるかという観点で、サービス体系についても考えてほしいというふうに思って います。  例えばですけれども、箕面市はもちろんですし、各地域も地域の例えば子どもたちの障 害児も地域の普通の学校に通う。これをどうやって受け入れていくかということを、今、 まさしく努力をしているんですよね。だから、これに沿うような形の支援体系であってほ しいと思いますし、総合福祉法でも、あと厚生労働省そのものも、ぜひ、これをポリシー としてほしいなというふうに思います。  その観点からいえばなんですけれども、例えば、今、厚生労働省のほうで別の場所で医 療的ケアの検討をされておりますけれども、正直、見ていると狭過ぎて全然駄目だと思っ ています。対象ははなから例えば特別な学校だけに限定されていて、こういう我々がやっ ている地域の努力とか流れとかと思想が完全に逆行しているというふうに感じます。改め てこの部分、医療的ケアもまた長い議論もしていかなければいけないと思いますけれども、 利用者と地域の事情を酌んだ再検討を求めたいというふうに思いますし、箕面は学校だけ じゃなくて、例えば地域で生活できるように医療的ケアの緩和を求めているんですけれど も、ここの部分もはなから施設での医療的ケアしか想定されていないとか、厚生労働省の 中でも議論がばらばらだと僕は感じます。  そういう意味では、改めてなんですけれども、こういう逆行した議論がされないように 総合福祉法でも、あと、厚生労働省としても、とにかく地域で当たり前に障害者が暮らし ていけるんだということを基本に置いて、これをどう支えていけるかという、まさしくシ ームレスな支援ということをポリシーとして持ってほしいというふうに思います。  以上です。 ○佐藤部会長  先ほど支援体系を考える上で理念、目的が非常に大事だという意見が出されましたけれ ども、今の倉田市長さんの話は個別の支援を考える上からも、そうした何のためにという 課題意識が非常に大事だという意見だと思います。  中西委員。 ○中西委員  全国自立生活センター協議会の中西です。我々がこの会議に対してずっと求めてきたの は、パーソナル・アシスタンス制度、そして個別給付の問題なんですね。今まで語られて きた中でも、やはり一人一人の生活のニーズに基づいた形での給付というのを実現してき たのは、ある意味で重度訪問介護が我々のニーズに基づいて制度化されていき、それが、 今、医療的な範疇との境界で、病院での介助や呼吸器の問題というふうな領域に重度訪問 介護が関わり、そこで我々は訓練を積んだ介助者を育成し、それに対応できるようなシス テムをつくり上げてきたわけですね。  やはり知的障害者の皆さんも、こういうふうな家事援助や身辺介助とかいうような区別 がなく、移動介助を含めた自由に使えるシームレスな介助を求めていますし、それをさら に延長して学校でのケアとか、就労の場へのケアというふうに移動のところではいまだ制 限を持っているので、それを改善していくことによって、このサービスというのはさらに 我々の求める生活を実現していくものに近くなっていくと思います。ぜひともシームレス な介助の延長上に、これからのパーソナル・アシスタンス・サービスというのを考えてい ってもらいたいなと思っております。 ○佐藤部会長  岡部委員。 ○岡部委員  岡部です。全体の意見の中でまとめにもありますように、パーソナル・アシスタンス・ サービスということについては、必要だということが大勢を占めているわけだけれども、 そのシステムについての共通理解が必要だという意見があったということで、そのとおり だと思います。ただ、これは当面の中で、こういう議論の中で、今、決められるというよ りは議論の中で整理していくものだとは思っていますけれども、そのための一応、論点と して一つは現在の個別給付の居宅介護というものがパーソナル・アシスタンスなのかどう か、あるいはなり得るのかどうか、なり得るとすれば、それ全部なのか、それとも例えば、 今、出た重度訪問介護とかのみであるのか、この辺りについて並行して議論を進めていく 必要があるかと思います。  それから、もう一つは相談援助との関係性ということもあると思うんですけれども、パ ーソナル・アシスタンスは相談援助と言われているものの機能をかなえることができるの かどうか、求めてもよいのかどうか。それに対して、例えば一つは支援を受けた自己決定 なんていうこともありますし、それから、いわゆるケアマネジメント的なものとか、ある いは権利擁護、アドボカシーみたいなことについても、パーソナル・アシスタントが行う 機能として考えていくことが可能なのか。この辺りについても並行して考えていくべきだ というふうに思います。  それから、その前提でパーソナル・アシスタンスのもうちょっと本質的な定義の議論も いずれしなければいけないと思うんですが、一応、ちょっと仮に提起しておきたいのは、 本質論的にいうと、シームレスな支援ということに加えて、個別性、それから、フレキシ ブル性、フレキシブルなこと、それから、利用者のイニシアチブ、こういったものがその 中には入ってくると思います。その後で、並行してもう少し狭義の意味での、狭い意味で の定義になりますけれども、いわゆる利用者へのダイレクトペイメントとか、利用者によ る直接雇用みたいなことを必須としていくのか、していかないのか辺りについても、最終 的には議論が必要だというふうに思います。  以上です。 ○佐藤部会長  山本委員、イエローカードなんでしょうか。 ○山本委員  すみません、私はもしかしてシームレスというのをすごく誤解していたのかもしれない んですが、切れ目がないサービスという意味は、2つの意味があるんですか。一つは一人 の人の生活を切れ目なく支援するようなサービスという意味と、それから、今の体系では 先ほどの医療の必要な障害者と深い溝があると、そこに橋をかけるような切れ目のないと いう2つの意味があるんですか。つまり、対象者も切れ目なくという意味と、一人の生活 を切れ目なく支援するという2つの意味ですか。 ○佐藤部会長  これはだれが答えたらいいんでしょうかね。生活の切れ目をつくらないということだと 思いますけれども。 ○山本委員  ありがとうございます。 ○佐藤部会長  大濱委員、お願いします。 ○大濱委員  脊損連合会の大濱です。今、シームレスの話が出ましたが、やっぱりシームレスの考え 方というのは基本的に利用者がいかに使いやすいか、利用者がいかに必要なときに必要な サービスを切れ目なく使えるかということで、利用者の立場から考えるべきだと思ってい ます。それには例えば傷害学生が学校へ行くときには別の制度を使わなくてはいけない。 これは明らかにシームレスではない。やはり制度が違う。これは文科省だから駄目だとか、 それから、就労についても働く現場での介護のサービスについては、昔の労働省の管轄下 で就労のほうでその予算が付いていると。ここら辺の縦割り行政をいかに整理できるか、 これらを総合福祉部会の中で予算を含めて整理統合できるか?このことでいかに利用者が 使いやすい制度にするかというところがシームレスの考え方だと思っています。  以上です。 ○佐藤部会長  あとは作業チームのほうで詰めた議論……三浦委員、お願いします。 ○三浦委員  パーソナル・アシスタンスの内容と守備範囲をぜひ明確にしていただきたいというのを 私も意見を出しています。現行の居宅介護や重度訪問介護といった分野のこと、また、相 談支援のことについても、相談支援がケアマネジャーが専門的にやるのか、もしくはソー シャルワーカーがやる相談支援のみならず、ご本人がセルフプランを立てる上で、身近な 人に相談をしながら、自分のプランを立てていきたいというようなニーズがあると思いま す。それらも含んだところでパーソナル・アシスタンスの守備範囲に入るかというところ も含めて、ご検討をいただきたいなと思います。  あと、1点です。さきほど倉田市長がおっしゃった分野に関連してなんですけれども、 医療的なケアに対しての厚労省での検討会がこの夏、集中的に行われました。一定の前進 はあったものと思っております。特に特養でこの4月から認められた内容に比べると議論 が進んだと思われる箇所が何カ所かございますし、と同時に、その在り方の具体的な方向 として、将来的な対象行為の範囲の拡大の道を閉ざすものではないという一文が書かれて おりますので、その方向性で今後実現できるよう厚労省のほうにもお願いしたいと思いま す。 ○佐藤部会長  何点か、作業チームで検討すべき大事な課題が浮かび上がってきたと思います。このテ ーマについてはこのくらいにして、先ほど岡部委員もいろんな検討課題を整理をされまし たので、そういう方向で進めていただければと思いますけれども、論点Dの3番目のとこ ろ、福祉的就労について労働政策との関連を含めて多様な意見が出されている、今後の在 り方はどうかということで、この点についても何人かの方から意見をいただければと思い ます。福祉的就労問題、いかがでしょうか。福井委員、お願いします。 ○福井委員  日本てんかん協会の福井でございます。就労については意見をたくさん言いたい方があ ると思うんですが、3分間なのでほんの一言なんですが、私は結論のところにも、それか ら、理由のところにも書かせていただいたんですけれども、てんかん患者は全国で100万人 と言われておりますが、先ほど厚労省から一般就労はこういう実態だということを出され ましたが、本当に仕事につけないのですよね。  それで、てんかんのある人たちは先ほどから医療との関係も出ておりますが、私はやっ ぱりてんかんを含む精神障害者雇用の抜本的な改善、雇用率の引き上げということが本当 に重要だと思います。実は厚生労働省の委託事業で私たちてんかん協会が委託を受けて、 精神障害者の雇用について全国的に私も数年間、精神の人たちとてんかんの人たちの雇用 ということで集会もしたりしたんですが、本当に大変な実態なんですね。当事者が、福井 さん、僕はこんなに働いて、何で月に1万円しかもらわないんでしょうねと次々に訴えら れて、その顔と言葉が今でもこの辺にこびりついています。自立支援法になって一層大変 になったことは申し上げるまでもありません。  それで、今、例えば法定雇用率も全然、諸外国に比べれば低いと思いますけれども、法 的な、つまり、例えば東京都などでは2.1%という基準に対して、また、近くてんかん協会 も交渉しますけれども、本当に雇用率を満たしていないというか、つまり、身体障害者は 雇っているけれども、知的とか精神とかはほとんど雇っていませんよ。調べたら、そうい う自治体が全国で少し前ですけれども、9つぐらいあったんですね。  つまり、本当に雇用の問題は福祉的就労ということについても、皆さん、意見を述べて いますけれども、私は本当に働く場の確立ということについては、厚生労働省なんですか ら、本当にこういう抜本的な対策をもっと立てていかなければいけないと思っておりまし たので、こういう新制度の中ではしっかりと雇用の問題を私たちの協会はもう38年ですけ れども、そういう経験をひっ提げて、しっかりと意見を言って働く場の確立、てんかん患 者についてのいろんな理解があれば十分働けるわけですから、特に申し上げておきたいと いうふうに思います。よろしくお願いします。 ○佐藤部会長  小野委員、お願いします。 ○小野委員  今回の皆さんの意見の中でも総じて就労、雇用にまたがっての問題としては、一つはや っぱり自立支援法にほとんどの就労施策を押し込んでしまったところに問題があったと。 併せて労働関係の雇用促進法との関連性というか、連携が非常に弱かったという問題点が 指摘をされているかなと思います。そこは共通理解かなと。併せて体系の在り方としては、 皆さんの意見の大筋の方向性としては、僕はもう一度、厚生労働科学研究で以前にまとめ た働く施策の在り方、3つの体系を提起した、一般就労と地域就労センターとアクティビ ティセンターという、この3つの方向性を提起した、あの労働科学研究の出発点にもう一 度戻って体系を見直すべきかなという、そこが共通のスタートラインに立てる内容ではな いかなと。  あの中には、実際に必要な施策として、重い障害のある人はデイアクティビティセンタ ーでの作業活動を可能にする、それを支援すると同時に、地域就労センターや一般雇用に ついては、労働施策で特に社会支援雇用制度を創設して、公的賃金補てん制度やあるいは 仕事の確保、そういったものも制度的に保証していくと。そうなると、やっぱり労働関連 法を見直さなければならない。結論から言うと、作業チームで労働問題について議論する というよりも、やはり制度改革推進会議の下に部会として雇用労働、就労の問題を検討す る場を設けるべきではないかなというふうに思っています。 ○佐藤部会長  近藤委員と広田委員、お願いします。 ○近藤委員  全国社会就労センター協議会の近藤です。今、小野委員から意見が出されましたが、私 どもセルプ協としても全く同感です。お話のあった厚生労働科学研究には、私どもも組織 として加わっております。  まず、就労継続支援事業が障害者の働く場に位置付けられておらず、訓練の場とされて いることから、根本的に見直す必要があります。最終的には労働法を適用する、今お話が 出た社会支援雇用、すなわち保護雇用の仕組みが必要だと思います。また、福祉と労働、 両方からのシームレスな支援という話がありましたが、双方からの支援が必要であると考 えているところです。その上で賃金補てん、あるいは各種事業振興策について検討すべき だと思います。  それから、就労移行支援事業については、一般就労を目指す場において、あるいは一般 就労につなぐための訓練に加えて、定着する、働き続けるという支援が非常に重要だ言わ れております。そのため、両方の機能を併せ持つようなサービスの場にすべきではないか と考えます。また、社会支援雇用を導入した場合、全国の福祉的就労の利用者約16万人の うち、恐らく3分の1ほどはそこに移行できるだろうと思いますが、そこから除かれてし まう方についても福祉の場において丁寧にフォローすべきではないかと考えています。こ うした「就労」にかかる課題をできれば部会という位置付けにして、各分野の関係者に入 っていただき、検討する必要性があると思っております。  以上です。 ○佐藤部会長  広田委員、お願いします。 ○広田委員  就労なんですけれど、精神障害者で働きたい人はたくさんいるんですね。今、雇用率は 20時間をカウントしているんですけれど、ぜひ、それを少なくして何人かで一人分という ふうにやっていただきたいということが一つです。それはただ単に精神障害者の仕事をし たいという人のニーズを届けるだけではなくて、今、日本が抱えている、うつとか自殺と か、マスコミは今日、野澤さんがお見えになっていますが、マスコミは騒ぎ過ぎなんです。 絶えず自国に自虐的な報道を繰り広げていますがもっと緩やかに、働き過ぎない、厚生労 働省もそうです、働き過ぎです。皆さんもそうなんですよ、皆さん、マスコミもうつの記 者の方がたくさんいらっしゃるわけですから、働き過ぎないように、もっと緩やかな穏や かな社会にしていって、うつや自殺を減らしていく。これが国民の幸せであり、ひいては 国家の財政や地方財政も圧迫しないということですね。  そういうことで、精神障害者が企業の中や公官庁で働くことは、社会全体に貢献できる、 啓発にもなる、本人も幸せ、だれも損はしない。雇用率を上げていただきたいということ と、ぜひ、前にも申し上げましたが、厚生労働省も内閣府も長妻さんもそんな朝早くから 来ていないで、フレックスタイムにして、そして、例えば夜10時ごろまで、私が住んでい る横浜市南区の区役所をあけていくとかすれば、眞理ちゃんが言っている24条通報、警察 官通報が減って、もっと優しい社会になりますから、障害者の雇用が社会を明るくし、豊 かにし、幸せするというキャッチフレーズで、マスコミに取り上げていただくぐらいの問 題だと思うんですね。野澤さん、お願いします。  それと、私はこれから10月に韓国に行くんですが、実は私は身分証明書がないんです。 働けば身分証明書も会社から出てくるんですけれども、ないわけですから、精神障害者手 帳を使おうと思いましたら、何と身分証明書として使えるのは身体障害者手帳だけなんで す。これは、この法律ができるまで待っていられませんから、ぜひ、来年度から障害者手 帳に全国統一していただいて、将来、障害者手帳は要らないというご意見もありますが、 身分証明書として必要な場合もございますから、障害者手帳に統一していただいて、中で 障害別に分けておく。そうすれば、将来、障害が増えていったときに、増やすだけの話で いいと思うんですね。そうすることはお金がかかりませんから、ぜひ、お金のかからない ところはどんどんやっていただきたいということで、よろしくお願いいたします。 ○佐藤部会長  そうしましたら、あと、増田委員、それから倉田委員、斎藤委員、そして山本委員でと りあえず打ち切るということにさせていただければと思います。 ○増田委員  やどかりの里の増田です。私は意見のほうに書いたんですけれども、権利条約にあるあ らゆる形態の雇用の中に、やはり福祉的就労はきちんと位置付けられていると、国際的な 水準で見れば、そういう整理をするべきだというふうに思っております。そして、改めて 考えると、障害者の働く権利を真正面にとらえた法律というのは、日本の中にはないんだ なというのを感じました。自立支援法は働くということではなく、訓練の中に押し込めら れておりますし、雇用促進法は事業者のための法律であるというふうに考えると、やはり 障害者の雇用を、働く権利を認める法律というんですかね、その中身をきちんとつくって いく法律を改めてつくるべきではないかというふうに考えています。  そのためには、自立支援法のポスト自立支援法を考える、この部会の中の狭さというの を改めて感じますし、労働行政の人たちともきちんと議論ができるような新しい部会を設 けて、大きな、今、ここで福祉的就労のことを含めて障害者の雇用の問題を取り込まない と、また、何年も遅れていってしまうという本当にそういう危機感がありますので、今日 はいろんな皆さんから意見が出ましたけれども、きちんと部会をつくっていただいて、障 害者の雇用の問題に改めて光を当てて議論していく、そういう土俵をぜひつくっていただ きたいというふうに考えております。 ○佐藤部会長  では、倉田委員、お願いします。 ○倉田委員  箕面市の倉田でございます。重複はいろいろ避けますけれども、とにかく、今、問題に なっているのは旧労働省の労働行政と、あと、旧厚生省の福祉行政、これの整合をとれと、 整合性をきっちりとれということに尽きるんじゃないかなというふうに思います。  最終的に例えば法律とか制度をどっちかに寄せるのか、それから、中間領域をつくるの か、何か融合したものをつくるのかとか、そういう話は最後にテクニカルな部分も出てく ると思うので、それこそ厚生労働省に検討いただいたらいいんじゃないかなと僕は思って いるんですが、ただ、その前に議論をする場というのが絶対に必要で、議論する場という のは必ず両方の分野から人が出ていなければ絶対にいけないというふうに思うので、そう いう意味で、先ほど来、部会なのか、ワーキンググループなのか、分からないですけれど も、新しい場をというのは僕は賛成しますし、ただ、そのときに、そこには必ず両分野か ら人が集まって議論をするということにぜひしてほしいと思います。  加えて、その場なんですけれども、結構、これは大変な話だと思うんですよ。脈々と流 れてきた2つの大きな全然違う制度の整合性をとるという話なので、絶対に簡単ではない と思うので、実際に議論したら、その後、実際に実現していくまでの保証がなければ議論 する意味もないですから、そういう意味では、僕ら、多分、ここの場にいる人たちはみん な不安に思いながら、いつも議論していると思うんですね。ここで議論されたことが本当 に形になるのか、すごく不安に思いながら議論していると思うんですけれども、その中で も、ここの就労というのはやっぱり大きなテーマだと思うんですね。そういう意味では、 新しく部会なり何なりをつくるとしたら、僕はここは政治主導で始まった場ですから、政 務三役の方にもぜひ入って、きっちり最後まで見届けていただくということも、ぜひとも してほしいというふうに思います。  以上です。 ○佐藤部会長  斎藤委員、お願いします。 ○斎藤委員  斎藤です。二、三分でなかなか語れませんけれども、今日、お話で福祉的就労の障害者 にも労働権をというお話がたくさんあるというふうにおっしゃっていました。労働権とい うのは全ての人々に保障されるべきだ。大賛成であって、そうなっていない現実を変えた いと思います。しかしながら、福祉的就労というところにいる人たちが1万円を稼ぐのも やっとという状態の中で、では、労働権の適用ってどうやってしたらできるんだと、そこ を考え直さない限り、単なるお題目で労働権を主張していても、私は何も変わっていかな いんだろうと思うんです。  実際、そういう福祉的就労の現場に私どもがいろんなところを見ても、例えば障害のな い人が働いても、1万円を稼げるんだろうかというような仕事をやっているところはいっ ぱいあるわけですね。そこのことを解決せん限りは、そういうところに障害者を追いやっ ておいて、それで稼げないんだということを障害者の責任にしていること自体が、根本的 に私は間違っているんだというふうに思っています。  そこで、福祉的就労イコール労働権がないというふうに思われていますけれども、そう ではなくて、昔から福祉工場もあり、今はA型もあり、ここでは全て労働権が保障されて いるんですね。しかしながら、それのやり手がだれもいない。福祉工場も全然伸びません でした。そして、今、A型事業も開始されまして、当初はグラウンドデザインのできてい たころには、これから働く就労継続の3分の1は、労働権保障のある働き方にしますとい うふうに厚労省は言ったんですよ。しかし、どうですか。まだ、1万人にも満たない人し か、そこに行けないじゃないですか。それは何なのかという、そこの根本的な理由を明確 にして、新しい方策を私は打ち出さなければいけないと思います。  説明する時間はありませんが、私どもの社会的事業所というものは、新しい創造として 仕事をつくり出す、それをやらない限りは何も変わっていかないんだろうというように思 っています。今日、参考意見に出していますので、ぜひご覧になってください。  ありがとうございました。 ○佐藤部会長  山本委員、お願いします。 ○山本委員  広田さんの意見にちょっと。障害者手帳一本化は私も大賛成ですが、多分、窓口によっ て、人によって運用が違うのかもしれませんが、私は精神障害者手帳で銀行でもパスポー トでも郵便局でも、身分証明書として認めてもらっております。  それから、24条通報だけではなくて、ここにいる全ての皆さん、例えば尾上さんも茨木 さんも山本に精神障害ゆえに侮辱されたと思ったら、いかなる人も保健所に申請して私の 措置鑑定を申請することができます。これが日本の精神保健福祉法の恐ろしいところです。 これは世界的に他害に名誉毀損や侮辱なんて入っている国はありません。少なくとも人の 体を傷つけるところまでです。ですから、24条だけじゃないんです、23条一般人申請とい うのはいかなる人もできます、ということだけは言っておきます。  それから、もう一個だけ、私のところにメールが来たので。精神障害者の就労のバリア として年齢制限が大きいと。若いころに発病して入退院を繰り返して、病状がやっと落ち 着いて、さあ、働こうと思ったら、世の中、45歳以上だったら仕事がないということで、 年齢の制限を何とかしてほしい。それから、とりわけ公務員、公のところは積極的に年齢 制限を撤廃して障害者を雇ってほしい。こういうことを主張しておいてくれと言われまし たので申し上げます。 ○佐藤部会長  就労の問題については、推進会議と合同の作業チームで検討するということになってお りますけれども、今日の後の報告事項のところで作業チームの進め方という項目がありま すので、それに関連して部会にしたほうがいいというような意見もたくさん出ていました ので、その報告事項のところで東室長からも説明をしていただくようにしたいと思います。  それでは、まだまだ、いろいろ意見があるわけですけれども、論点Eのところ、地域移 行についてという部分で、皆さんの意見の概要がどうであったかを尾上副部会長から紹介 を簡単にしていただいて、厚労省からの説明を聞いた上で、また、ご議論をお願いしたい と思います。 ○尾上副部会長  Eは地域移行ということで、大きく分けてE−1、地域移行の支援並びにその法定化と、 E−2、社会的入院等の解消ということで大きく分けた上で説明をさせていただきました。 その上でなんですが、今回、特に議論をしていただきたいと思いましたのが、地域移行の 法定化ということについては、その必要性を多くの委員が指摘をされましたが、ただ、そ こに盛り込まれるべき内容というのは多様でありました。ぜひ、ちょっとその点をいろん な立場から、ご意見をいただければというように思っております。  特にここの部分の意見の概要を紹介をしておきますと、どこでだれと住むかを選択でき るようにするための福祉サービスの充実ということや、あるいは地域での暮らしが可能と なる基盤や資源の整備が必要だという意見が大多数を占めました。その上で地域の生活と いったときに、居住形態の多様性ということで、グループホームから支援付きの自立生活 まで選択できるようにというようなことや、あるいは重度障害者の自立が可能となるよう な、先ほどもありました医療的ケアも含めた必要な支援が地域で得られるようにというよ うなこととか、あるいは地域での暮らしが実現できるような支援を、いわば権利として確 保するような制度が要るのではないかというようなことが多数の方から言われていました。 E−1のさらに具体策として例えば公的保証人制度やあるいは相談支援、地域生活体験の プログラム化、権利擁護支援といったようなこと、たくさんの具体的な提案もいただいて おります。  さらに、これはどちらかというと第2期の作業チームの議論にもなっていくかと思いま すけれども、入所施設そのものについての位置付けといいますか、在り方や位置付け、そ の機能をどう考えるかということで、基本的には全ての人が地域で暮らせるようにという ことで、その閉鎖も含めて考えるべきだという意見もあれば、一方で地域で暮らしをして いく、それを前提にしてショートステイやミドルステイなどで活用する、そういう地域支 援の機能というふうな位置付けもあり得るのではないかというようなご意見もありました。  あと、社会的入院等の解消に関連して、特に多くの方から意見が出ておりましたのが、 やはりこれまで地域移行ということが言われ続けながらも、遅々として進んでいない、目 立った変化が生まれていない、そのためにはやはり何らかの特別なプロジェクトが要るの ではないか、あるいは入院や入所されている方の調査というようなことも、しっかりニー ズを聞き取っていかないと、スローガンだけでは変わらないというようなご意見も多数あ りました。  ただ、強制的な地域移行という形は現場が混乱をするのではないか。その意味で、強制 的や画一性のない一人一人の聞き取りを前提にした丁寧さが要るのではないかというよう なこととか、あるいは施設待機者調査については、複数の方からご指摘がありましたけれ ども、待機者リストというのが示されているので、入所施設をつくってみたけれども、実 際には待機者リストに載っている方の最初のグループの人たちが余り申し込まれなかった。 そういう意味では、将来に対する不安から待機者が実数よりも多く出てしまっている実情 があるのではないか。そういった待機者の方の不安も含めて、しっかり丁寧に再度、精査 をしていくというか、聞き取るということも大事なのではないかといったようなご指摘が ございました。  ここら辺も含めて、いろいろと議論があるところなんですが、もう一度、申し上げます けれども、特にここの地域移行の法定化と言われるものの中でどういったもの、より今以 上にスピード感を持って、地域での暮らしを当たり前にしていくために、どういった施策 が必要かということを皆さんから意見をいただければと思います。 ○佐藤部会長  イエローカードが出ています。 ○奈良崎委員  すみません、奈良崎です。ミドルステイって何ですか。 ○尾上副部会長  ショートステイというのは1週間ぐらいで、ミドルステイというのは1カ月から3カ月 ぐらいとか、もうちょっとショートステイの長い期間のものを言っているんだろうと思い ます。この方はショートステイやミドルステイということで、それで1週間とか3カ月ぐ らいとかで使えるようにという意見だと思います。 ○奈良崎委員  ありがとうございます。 ○佐藤部会長  中西委員、何か。 ○中西委員  全国自立生活センター協議会の中西です。やはり地域移行については政府と我々……。 ○佐藤部会長  意見に入ったという理解ですか。厚労省からこの分野についての現状の説明を受けた後 でお願いしたいと思います。  それでは、中島課長、お願いします。 ○中島課長  厚労省の中島です。それでは、地域移行について現行の制度がどうなっているのかとい うことを簡潔にご説明を申し上げます。  資料2の41ページでございます。E−1−1、地域移行の法定化ということが出ており ますけれども、現在の制度では地域移行に際して2つの制度を設けてあるということでご ざいます。一つが41ページの1つ目の丸、地域生活支援事業の一つとして、入居支援や緊 急時24時間支援ができるという居住サポート事業というものが一つありますということで ございます。それと並んで、精神障害者の方々に対する地域移行・地域定着支援事業とい うものでございまして、下の丸でございますけれども、相談支援、体験利用の際の同行支 援等を行う地域移行推進員、さらには総合調整等をするコーディネーターの配置をすると、 こういう居住サポート事業、精神障害者地域移行・地域定着支援事業というものがありま すということでございます。  42ページでございます。先ほどから申しております障害者部会の報告では、こうしたサ ービスメニューについて、自立支援給付の対象とすることを検討すべきというご提言をい ただいておるということでございます。  43ページ、地域移行に関して具体的な期限や数値目標、プログラムをどう考えるかとい うことでございます。現行制度では1つ目の丸でございますけれども、市町村及び都道府 県は、それぞれ障害福祉計画において23年度末までに施設から地域生活に移行する方々の 数値目標を定めて、地域移行を計画的に進めるという制度の仕組みにはなっておるという ことでございます。  ページをずっと飛びまして51ページでございます。社会的入院の解消ということでござ いますけれども、この社会的入院の解消につきましても、現在の制度の状況の1つ目の丸 でございます。先ほどご説明いたしましたような精神障害者地域移行・地域定着支援事業 というものでやっておるということともに、新たに精神障害者の方々について医療等をお 届けするという観点、アウトリーチということに関して、その重要性が指摘されておりま して、本年5月に設置されました検討チームにおいては、6月にアウトリーチ支援の充実 に向けた考え方というのを取りまとめたということでございまして、精神障害者の方々に 対するアウトリーチ支援策については、来年度の予算においても対応していきたいという 形で考えておるところでございます。  以上でございます。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  また、イエローカードですけれども、何でしょうか。 ○奈良崎委員  たびたびすみません、奈良崎です。アウトリーチって何ですか。 ○中島課長  専門家の方々が障害者がお住まいになっているところに訪問をして支援をすると、そう いう形でございます。 ○奈良崎委員  ありがとうございました。 ○佐藤部会長  よろしいでしょうか。  そうしましたら、中西委員、先ほどの質問を。 ○中西委員  ありがとうございます。自立生活センター協議会・中西です。私も地域移行に関しては、 10カ年戦略というのを本として皆さんに提供したんですけれども、この中でやはりなぜ施 設を今まで希望しなければいけなかったから、待機しなければ施設待機者が出ているのか と。その実態調査から始めて、そのニーズをきちんと把握する、どういうサービスがあれ ば地域で暮らし続けられたのかということが第一段階です。  第二段階としては、施設入居のまず入り口を止めると。そのために必要なサービスをき ちんと整備して、地域で定着できるようにしていくと。その予算もきちんと10カ年戦略の 中では組み込んでいかなければいけないと思います。地方行政についても、そのような地 域移行の国の数字に基づいて、地域に移行できるような予算立てをきちんと組んでいくべ きだと思います。それにはやはり地域移行に必要な人材育成をしなければなりません。  そのためには当事者のケアマネジャーの養成、それから、相談支援の体制の充実、ショ ートステイや、それから、地域での居住の場の確保などの方策をきちんと練っておかなけ れば受け皿ができません。そういう体制をきちんと組みながら、施設からの移行者を待ち 受けるという体制が必要です。当然、今まで地域の中での居住をしていく中で必要だった 医療のスタッフも必要です。重心の人たちも地域で暮らせるように、精神の人たちも地域 で暮らせるように、知的障害者の人たちも相談支援を受けながら地域で暮らしていけるよ うにという人材の育成をしながら、そして地域での受け皿整備をやっていく。  今まで地域での受け皿がなかったために、地域移行ができなかったということを踏まえ て、カリフォルニアなどでも一時、地域での両方のサービスが必要だったために、倍額の 予算が必要になりましたけれども、最終的には移行し終わって、同額の予算で運営してい けたという経験がありますので、ぜひ戦略を持って、これに当たるための委員会を構成し てやっていきたいというふうに思います。 ○佐藤部会長  初めての方からいきたいと思います。君塚委員、お願いします。 ○君塚委員  全国肢体不自由児施設運営協議会の君塚でございます。入所施設の一つとしての肢体不 自由児施設の立場からということで、在宅と入所は車の両輪であると考えています。私た ちのところは小規模多機能でございまして、入所施設とはいいながら、本年3月の実態調 査のときに入所児数2,000名ですが、21年度に退所した子どもたちの数は3,000名を超えて います。その中で約3割弱が社会的入所でそのうち200名が虐待であり、300名弱が家庭の 崩壊、両親がいないとか、あるいは病気であるとかという形での社会的入所です。これは 多くは措置入所になっており、児童相談所あるいは乳児院からの懇望によるものです。私 たちは重度重複・短期入所の回転による等手いっぱいです。昔のままの定員を基準として いるためベッドがあいているというふうに言われますけれども、実態は重たい子どもばか りで手いっぱいでございまして、38%が大島分類の1〜4という重症心身障害児と、実態調 査でも出ております。そういう中で、例えば参考資料3で私が出させていただいたところ に、一つは21年度の短期入所の延べ件数が2万9,000件という形で出ております。  それから、アウトリーチの話で私たちはもう長年、これをやっておりますけれども、ア ウトリーチの多くの場合は社会資源に対する技術支援です。家庭訪問も一部ありますけれ ども、それ以上に地域の小さな社会資源への支援でございます。時間ですがもう少しだけ 言わせていただいて、例えば長崎県では971の離島があります。それで長崎にある肢体不自 由児施設がチームをつくって、年間延べ100日ぐらい島めぐりでそういう地元の保健婦さん あるいは療育指導などに当たっています。北海道でも肢体不自由施設が広大な中に2つし かありません。それも長い年月をかけて、地域の社会資源づくりに果たしているというこ とを知っていただけたらと思います。  そういう意味で、肢体不自由施設の入所は有期限であり、そして多機能であって、今、 言ったような社会資源がとてもない中でやっています。そして虐待児の3年間の追跡では 約半数の子どもたちが自宅ではないところに、ほかの施設に転出しておりますが、重たい 子ほど外に出せないという状況です。  以上です。 ○佐藤部会長  そうしましたら、初めての三田委員と川崎委員、それから広田委員、まだ機会がありま すので、とりあえず、その3名を続けて後でやりますのでお願いします。 ○三田委員  大阪府立大学の三田と申します。ちょっとまた大きな話になってしまうので、今後の議 論にと思うんですが、やっぱり一番初めの清水委員の発言とも多分、つながっている話な んですが、地域移行を法定化するかしないかという議論から入っていることに、そもそも ずっと違和感を感じていて、どうしてここから入るんだろうと。なぜ地域移行を進めるの か、しなければいけないのかというところから入って、つまり、今まで進んでこなかった という実態があるわけですから、法定化しようが、数字を出そうが、これで進むのだろう かという問題が一つあるのと、あと、法定化して何年までに何人というのは、本人さんた ちの意向を聞かないで入所・入院をし続けてきたことと同じことになるんじゃないかとい うふうにも考える部分があるわけです。  地域移行は、促進してほしいという立場は変わらないんですけれども、私はやっぱり本 気度というか、なぜ地域移行をしなければいけないか、つまり、前提である「だれでも地 域で住みたいところで」という大きな理念をまず出すことが重要です。その上で、地域移 行だけを進めるんじゃなくて、ベッド数や入所定員を減らすということを一緒にやらなけ れば、多分、そんなには変わらないと思うんですね、地域移行ということは。また、こう いう状況で数を挙げて何年までにということになれば、回転する人がまた増えてくるはず です。何年かぶりに地域に出ました、今年度は何人ぐらいでということでやって、本人さ んたちにとったら急にまた何十年かぶりに生活が変わって、もしも病院や施設に戻ったら、 本人が頑張れなかったからとか、本人さんのほうにはまた大きな傷として残るかもしれな いと危惧します。  ぜひ、地域移行については、入院や入所の現状を何とかしなければいけないというとこ ろと一緒にやらなければいけないし、社会的入所・入院を強いてきたことの反省も必要だ し、それから、やっぱり本気でやるんだったら、その理念を国際的にも皆さんにメッセー ジとして伝えるために、定員数や入院数、ベッド数の削減を一緒に目標として盛り込んで、 法定化しなければいけないと思っています。  以上です。 ○佐藤部会長  川崎委員、お願いします。 ○川崎委員  精神障害者の家族会の川崎でございます。今回、アウトリーチという言葉がここに出て きまして、私ども家族、当事者といたしましては、いわゆる出前サービスという形で家に 来てくれるサービスは大変に望まれることで、ぜひとも、これを具体的に実施していただ きたいと思いますが、精神障害者の場合にはやはり医療の部分と福祉の部分、両方の連携 によるアウトリーチということが必要になってきますので、これから検討会でいろいろと 検討されるところですが、やはり医療と福祉の連携によるアウトリーチ化を具体的に進め ていただきたいと思っております。  以上です。 ○佐藤部会長  広田委員、お願いします。 ○広田委員  先ほどはごめんなさい、眞理ちゃんと意見が対峙していまして、やっぱり地域移行だけ ではなくて、精神科救急の特に救急車で行くことは、いつでもどこでもだれでもとても大 事で、私は12年前に警察に行きまして、生活安全課長という人から精神障害者ですが、と 名乗りましたら、署の保護室で精神の人を保護していますが、早急に医療的保護を受けな いで患者さんの人権に関わりませんか、なぜ24時間、精神科救急医療はないんですかと言 われて、今日に至るまで、全国の警察の保護室に精神科の患者である人がいるという実態 があります。これがなかなか表に出ていません。そして、これは眞理ちゃんも私も嫌って いるところの措置入院につながる、警察官通報につながるケースです。  そうではなくて普通の救急医療や普通の精神科医療を必要としている人が全国の警察の いわゆるロビーの、いわゆるベンチに寝ていたりしています、またはほかのお部屋の取り 調べ室に警察官がいわゆる対面監視という言い方をしますが、付き添って見守っている。 これが実態なんですね。そういう人が全て医療が必要かといえば、盛んに、国及び地方自 治体で相談支援と言いますが、本当に日本の相談支援はなっていない。これは救急救命士 も警察官も私も全く同感です。解決できない相談員、私は危機介入の相談員ですから、12 年間、警察の現場を回り、保護された人を警察から引き取って、我が家のショートステイ、 駆け込み寺に泊めることもありますが、そういうふうなことがいろんな相談という名の下 の専門家がきちんと話を聞いていれば、家族が患者を怒らせなければ、ショートステイが 機能していれば、医療につながらないケースはたくさんあると思います。  それから、今、この国の問題になっている児童虐待、それから、中国もイギリスも騒い でいる長寿社会ではなくて行方不明社会だと。まさにそうだと思います。国定忠次が生ま れたときの人のがあったりするわけですけれど、漫画みたいなんですが、そうものをもっ と愛を出さなければ、隣人愛とか、いろんなものがなければ、ただ単に公的資金を投入し て制度をつくっても何にもならない、魂も入っていない、いろんな矛盾が噴出しているの が地域移行の問題に集約されると思います。住宅の政策もそうです。  全国の警察官、私は全国に伺ってお話しします。特に地元ですが、神奈川県警はうわさ が高いですけれど、警察は精神障害者を、MDといいます、メンタル・ディスオーダー、 勘弁してよと言っている。患者側は警察に関わってほしくない、お見合いは不成立ですが、 いわゆるいろんな愛や整備が不毛なために、結果として警察がやらざるを得ない状況の中 にある。そして、神奈川県警の課題はうつである。これが実態なんですね。ですから、眞 理ちゃんがすごくおっしゃるけれど、私は警察の現場に行っていて警察官通報をかけよう か、どうしようかということをアドバイスを求めたりされる関係がありますけれど、私だ ってかつて治安の対象者として、精神科に行った人間です。  ですから、サバイバーとして、そういう活動もやっていますが、眞理ちゃんにはぜひ実 態を知っていただいて、ただただ、不安をあおるだけの発言ではなくて、後ほど休憩時間 にもお話をしたいと思いますが、事実、23条通報とか24条通報は怖い通報ですが、そこに 至らないようにすることがこういうふうな総合福祉法の役割を果たすのではないかという ふうに思っています。川崎さんもすぐ福祉と医療が連携とか言いますけれど、私は妄想だ とか躁状態だという情報が私を経過せずに保健所から福祉、いわゆる病院の一番最初に医 療ミスの注射を打った医者の情報が作業所に出てすごく迷惑をしました。注射を打たれた 副作用でつらい思いをして、そして、そういうラベリングでずっと10何年間も苦しんでき た結果がありますから、ただ単に家族の不安だけで何でもかんでもあれよ、これよと言わ ないで、家族は家族なりに話を聞いたほうがいいですよと言う救急救命士もいます。  アウトリーチは、ごめんなさい、知的障害の方、私もよく意味が分からないんですけれ ど、使っているから言うんですけれど、要するに多職種で複数で来るのは迷惑する、六畳 一間でも、信頼できる一人が来てくれることに関しては、私は有効な施策だというふうに 思っています。  以上です。 ○佐藤部会長  ちょっと手の最初に挙がった竹端さんと中原委員、東川委員をまず3人、続けたいと思 います。 ○竹端委員  山梨学院大学の竹端です。この地域移行の議論で少し気になるのが権利条約10条にある 生命に対する権利だとか、あるいは健康に対する権利、25条の観点から入所施設が必要だ とおっしゃられる保護者の方や入所施設の方がおられるというのがすごく気になっていま す。それはなぜかと申し上げますと、これまで、先ほど入所施設と地域生活支援は車の両 輪だとおっしゃってこられたんですが、それは現在、地域生活支援の体系が不足がしてい るがゆえに、車の両輪になっているわけですね。今、車の両輪だからこれからも必要だと いうのは、過去から現在の議論とこれから未来の議論というのは、分けてやるべきだと思 います。  そういう意味で言うと、医療的ケアが必要な人の地域生活支援の仕組みや、あるいはそ の医療の仕組みが足りないからこそ、今、地域で暮らせない方が施設入所をせざるを得な い実情があるわけです。そこのところにきちんと目を向けて議論をして、いわゆる権利条 約10条や25条もきちんと地域の中で果たすんだという仕組みを考える必要があると思いま す。この点を何か踏まえずに、今、そういう人々は地域で暮らせないんだから施設入所が 必要だというのは、現在のことを言っているだけで、これから地域移行について議論する この場にはふさわしくないと私は考えます。  以上です。 ○佐藤部会長  中原委員、お願いします。 ○中原委員  日本知的障害者福祉協会の中原でございます。地域移行そのものについては、私どもと しても否定するものではありません。しかし、私どもはかねがね意見書にも書いてありま すように、地域移行なのか、あるいは施設なのかという、こういう2つの分かれた議論は、 僕は不毛だと思っています。  現実的な話を私はいたします。先ほどの説明の中でもお話がありましたように、入所の 待機者が云々という話がありますけれども、現実に地域移行の整備が進んでいない中で、 空理空論の話を僕はしても、しょうがないと思ってみているんです。現実に私の施設にお きましては、ショートステイ20人を確保していますけれども、今、このショートステイが どういう立場にあるか。みんなロングステイが多いんです、8割が。そういう中で、本当 に地域の中で安心して暮らしていく人たちが必要なときにショートステイを使える状態な のかというと、絶対にそういう状況にはなっていません。  したがいまして、先ほどの法定化の問題につきましても、権利条約の19条の特定の生活 様式あるいは特定の居住施設という、こういうものについても定義があいまいなままに法 定化することは私は否定いたします。賛成しかねます。したがいまして、入所施設が今日 まで果たしてきた役割を皆さん、冷静に考えていただきたい。地域移行はもちろんすべき ですし、これからも進んでいくべきだと。しかしながら、一方で絶対に入所施設が必要だ と、あるいはその役割を果たしていかなくてはならない我々の役目としましては、これも また必要だというふうに考えています。私たちの意見は、また別の意見書にも書いてあり ますので、ぜひ読んでいただきたいと思います。  以上です。 ○佐藤部会長  東川委員、お願いします。 ○東川委員  竹端先生のおっしゃったことも、それから、今の知的障害者福祉協会の方のおっしゃっ たご意見も、誠にごもっともだと思います。日本脳外傷友の会の東川でございます。要す るに川崎さんもおっしゃいましたが、地域で生きていくための家族への支援がないから施 設が必要、それから、施設の入所待機者が多くなるという現実があると思うんです。高次 脳機能障害者は逆にほとんど施設を利用している人がおりません。去年、私どもは調査を いたしましたが、そして、そのために家族が非常に疲弊しております。親亡き後が不安だ という意見が全国から寄せられました。家族への支援と地域移行は絶対に切り離せない問 題だと思います。地域で生きていくためのサービス、そして、それを家族への支援も拡大 して考えていただくことが必要かと思います。  私どもの団体とも関連する遷延性意識障害の方々のための全国の療護センターという、 交通事故の人に限った施設が全国にたった4つしかございません。将来にわたってケアす るという方針だったのが、現在では長くても3年しかいられなくなって、在宅で24時間の 介護をしている親御さんたちがたくさんおられるわけです。そういう方たちのショートス テイが国土交通省の手によって多少できていまいりましたが、まだまだ数が足りません。 家族は親亡き後を非常に不安に思っております。そういう支援が絶対に欠かせない問題だ と思っておりますので、そこを併せてご議論いただきたいと思います。 ○佐藤部会長  河崎委員と末光委員で、2回目以降の方は文書で、後で出していただくということにお 願いできないでしょうかね。まず、河崎委員と初めての末光委員の発言まではお願いした いと思います。 ○河崎委員  日本精神科病院協会の河崎です。今回の地域移行という概念を権利条約での特定の生活 様式を義務付けられないことということと少し関係付けて考えてみますと、やはり私の思 うところは本人の意思とか、あるは希望、自己選択、自己決定、そういうようなことを無 視した特定の生活様式を押し付けるということを禁じているというふうに理解しておりま す。ですので、先ほどある委員の先生のご意見にもございましたが、そういうような選択 をする幅が何ら用意がされていない今の現状をまずどうにかする。この辺りからしっかり 準備をしないと、例えば地域へ移行する際に、精神障害者の方にどういう選択肢があるの かというふうに考えてみますと、その基盤の整備は全く十分なされているという現状では ないと思っております。  ですので、まず、どういう受け皿をしっかりとつくっていくのか、その辺りをどういう ふうに総合福祉部会の中で準備していくのか、そこをまず論議した上でというところから スタートをしていただかないと、まず、地域ありきではなく、私も地域移行には賛同いた しますが、そのためにも、まず、しっかりと受け皿整備をしていくということの共通の認 識を持っていただければというふうに思っております。  以上です。 ○佐藤部会長  末光委員、お願いします。 ○末光委員  日本重症児福祉協会の末光です。同じ日本の中でも障害種別、地域によるかなり実態の 差があると思います。私ども重症心身障害につきましては、今、施設入所が約1万五千か ら六千、それに対して在宅は2万5千人〜3万人でございます。重い人工呼吸器等が必要 な超重症児、準超重症児を抱えるご家族も在宅で頑張っておられますけれども、限界に来 ております。前回にもご報告しましたように、重症児施設への入所待機者は3,000から 5,000名であります。さらに重症児の方が50歳を超え、ご両親は80歳で介護の限界に来てお られるという例もあり、これはNHKのテレビでも取り上げていただいたところでありま す。そして、それも特に大都市圏でその厳しさが一層強いということであります。  その対応としては、ぜひ在宅で安心してご家族あるいは支援する方々が在宅を続けられ るように条件整備をお願いしたい。特に重症心身障害通園事業は、今、5,600人の方がご利 用しておられますけれども、これは法定化されておりません。いつなくなるか、ご家族は 不安の中にあります。この法定化をぜひ緊急に急いでやっていただきたい。そして、超重 症児、準超重症児と呼ばれる人工呼吸器等の必要な方々のショートステイも、安心してい つでも利用できるような、そのような条件整備をお願いしたいと思います。  そのような意味で、地域で在宅で安心して暮らせるように、それから、入所している人 も安心して地域に移行したい、出たくなるような、その条件整備をこそ先にしていただき たいと思います。地域移行が先じゃなくて在宅支援をきちっとやると。そのことを第一に していただくようお願いしたいと思っております。その結果としては入所施設がなくなる 日がいつの日か来るのかもしれませんけれども、先に地域移行が云々というのは逆転だろ うと思っております。 ○佐藤部会長  前回もこのテーマに近いテーマでかなり議論をしましたし、時間的に作業チームの在り 方などもこの後、若干議論していただかなければならないこともありますので、あと、発 言できなかった方は今週中までにメモで文書で出していただくということで、ご協力をい ただきたいと思います。どうもすみません。  それで、ここで15分休憩をして、3時55分まで休憩ということにさせていただきます。               〔休憩 15時39分〕               〔再開 15時55分〕 ○佐藤部会長  それでは、再開いたします。  論点F、地域生活の資源整備についてというところに入ります。この論点D、E、Fに ついて8月31日に議論していただきたいポイントという4枚つづりの紙の3ページ目、3 枚目の真ん中から下のところに、委員の皆さんの意見の概要をまとめておきました。  まず、地域生活資源整備のための措置の必要性についてですけれども、資源が薄い地域 については集中的に整備5カ年計画などを設けて、一定の水準まで確保するという取組が 必要であろうという意見が多く出されておりました。そのために例えば土地の無償貸与な どの事業所立ち上げ支援策が必要ではないかというような意見、それから、財政的に市町 村の負担が大変なので、これを国や都道府県が支援するような対策が必要であると。例え ば市町村の人口規模別負担上限を設定して、それを超えた部分は国や都道府県が補てんす る、あるいは個別の支援の費用についても、1日8時間以上の介護の部分は国及び都道府 県で負担をするというふうな制度など、そんな提案もなされていました。  資源整備をするための障害福祉計画については、概ね新しい法律でも引き継いで、より 発展させるべきであるというような意見が多く出されました。しかし、もっと当事者参加 を強化することだとか、つくった計画の進捗を評価するような仕組みをきちんとするだと かいう必要があるということ。  F−2は、自立支援協議会ですけれども、これは今日、皆さんにご議論いただきたいと ころですけれども、賛否両論でした。賛成の中でも現状でいいということでは必ずしもな くて、いろんな補強が必要だというような意見がありました。  長時間介護等の保障については、全体的にはそれが必要だという意見がもちろん多かっ たわけですけれども、24時間サポートのイメージの共有化が必要ではないかというような 意見もありました。長時間介護が保障される社会をつくるということは、地域社会の基盤 づくりという点で、高齢者も含めて非常に価値のあることであるという意見が出されてお りました。しかし、そうするためには、ニーズ把握の客観化も必要とされるというような 意見も出されていました。  義務的経費化と国庫負担基準というF−4の柱については、国庫負担基準は廃止するべ きであるという意見が多く出されて、市町村が必要であるということで使った分の2分の 1を国が、4分の1を都道府県が負担をする、そういうすっきりした仕組みにするべきで あるということが出されておりました。  それから、国と地方の役割という点では、財政力の弱い市町村でサービスが提供できな いことのないように、きちんとした補助金を出すべきであると。特にナショナルミニマム というものを設定して、それについてはどの市町村、自治体でもサービスが提供できるよ うにすると。その上に上乗せ、横出しは市町村の裁量とするというような仕組みが必要で あろう。そのナショナルミニマムの考え方というのは、同世代の国民と同等な生活を営む ために必要な支援は、ナショナルミニマムだというような考え方は概ね多くの委員が出し ていましたけれども、より具体的にナショナルミニマムとは何かということについては、 イメージがいろいろ分かれているかと思われました。  そんな意見がいろいろ出された中で、特に2番目の自立支援協議会のことについて、先 ほど言いましたように非常に重要であり、法定化をという……どうぞ。 ○奈良崎委員  すみません、奈良崎です。ナショナルミニマムって何ですか。 ○佐藤部会長  ナショナルミニマム、日本の国民あるいは日本に住んでいる人であれば、だれでも最低、 ここまでは支援が受けられる、主にお金、年金、所得の保障について言われることが多い わけですけれども、この場合は福祉サービスについて、どこに住んでいてもこれこれのサ ービスは受けられるという、そういう線を決めましょうというようなことだと思います。 ○奈良崎委員  分かりました。ありがとうございました。 ○佐藤部会長  それで、ご議論していただきたいのは自立支援協議会が形骸化しているとか、サービス の抑制を正当化するために使われているとか、マイナスの役割を果たしているんじゃない かという意見もかなり見られました。全体的には有効なので法定化するべきであるという、 さらに補強をしつつ活用するべきであるという意見が多かったですけれども、少なくない 人たちから否定的な意見も出されていましたので、この後、厚労省の方の説明の後での議 論では、自立支援協議会について意見をいただければと思います。  それでは、中島課長、お願いします。 ○中島課長  厚生労働省の中島です。それでは、論点F、地域生活の資源整備についてについての現 行の制度と考え方について、論点表に従ってご説明をいたします。  資料2の53ページでございます。まず、地域間格差を解消するために社会資源の少ない 地域についてはどう考えるのか、また、そうしたところについてどのような施策があるの かということでございまして、現在の制度の状況の1つ目の丸のところで、4点ほど書か せていただいております。  1つは、障害者自立支援法では入所施設を除きまして、通所とか居宅サービスについて は社会福祉法人だけに限らず、NPO等にも門戸を開放したという意味での参入主体を拡 大したということが1つでございます。  それから、2つ目でございますけれども、地域の事情等により国が定めた一律の基準を 満たすことが難しい場合には、特例を設けておるということでございまして、53ページの 真ん中ぐらいにあります基準該当障害福祉サービスという類型も設けておるということで ございます。  それから、3つ目、中山間地等に対して報酬上、加算をし、経営の安定化を図る措置を しておるということでございます。  4つ目、地域の実情に応じた取組を可能とする構造改革特区の活用ということでござい まして、54ページの一番上の丸でございますけれども、地域資源の乏しい地域においては、 高齢者介護の施設等も活用した形で、障害をお持ちの方々に対するサービスの提供も可能 とし得るという形で、社会資源の少ない地域に対して事業者というものの少ない地域に対 して、このような施策を講じておるというのが現行制度でございます。  56ページに飛びますが、こうした地域における基盤整備に向けて、国レベルのプランと いうものはどうなっているのかということでございます。これにつきましては現行制度で は2つございます。1つが障害者基本法に基づく障害者基本計画というものを国レベルと しては持っておるということと、より具体的なものとしては、自立支援法に基づいて厚生 労働大臣は基本指針というものを示すんだという形になっております。3つ目の丸のとこ ろでございますけれども、国が定める基本指針においては、市町村や都道府県におつくり いただく障害福祉計画の作成に関して、一定の考え方を示すものとなっているということ でございます。  次に、58ページでございます。それでは、現行の都道府県や市町村の障害福祉計画とい うのはどうなっているのかいうことでございます。現在の制度の状況のところの2つ目の 丸のところでございます。市町村障害福祉計画においては、まず、各年度における福祉サ ービスまたは相談支援の種類ごとに必要な量を見込んでいただく、そして、その確保のた めの方策を盛り込んでいただくというのが今の市町村障害福祉計画に制度上、求められて おることでございます。4つ目の丸のところ、都道府県においても同様の形で必要な量の 見込みと、必要な見込み量の確保のための方策を盛り込んでいただくという形になってお るわけでございます。  59ページでございます。この障害福祉計画はこのような形で市町村、都道府県につくっ ていただくことになった背景としては、1つ目の丸でございますけれども、自立支援法施 行前には特に居宅介護などについて、そもそも実施をしておられないという市町村もあっ たこと、また、精神障害者のサービスが立ち後れていたこと、それから、相談支援体制に ついて大きな地域格差が見られたということで、都道府県及び市町村に計画の作成を義務 付けさせていただいて、計画的に基盤整備をしてもらうという考え方にのっとったもので ございます。  また、都道府県におきましては、都道府県障害福祉計画に定める生活介護と就労継続B 型、そして、入所施設の定員総数というものを定めていただきますが、既に都道府県にお いてその数値に達している、または新たに指定することによりそれを超える場合には、指 定申請を行わないことができるという形の仕組みも、この計画の拘束力として持たせてい ただいておるという仕組みになっておるわけでございます。  60ページでございます。部会長のほうから今日の大きなテーマの一つ、自立支援協議会 の問題でございます。自立支援協議会は、市町村と都道府県に置いていただくことになっ ておるわけでございますけれども、60ページの真ん中のところ、地域自立支援協議会の主 な機能ということでございまして、まず、地域の障害福祉サービス等に関わる関係機関に しっかりした連携体制をつくっていただく、そのための協議の場だというのが1つ目の黒 ポツでございます。それとともに困難事例への対応の在り方について、専門の皆さん方が 協議・調整をしていただくということが2つ目の機能であります。  その上で、こうした困難事例等に対応していくに当たって、地域でどういうサービス基 盤がまだ整備されていないのかということについてもご議論をいただいて、そうしたこと を行政庁とともに解決していくという役割が自立支援協議会には期待されている、制度上、 そのような役割が位置付けられているということでございます。そして、そうした市町村 の自立支援協議会をバックアップする、広域的かつ専門的な観点からバックアップするも のとして、都道府県の自立支援協議会があるということでございます。  61ページでございます。平成20年12月に取りまとめられた障害者部会の報告では、こう した自立支援協議会については、法律上の位置付けを明確にするべきではないかという形 でのご意見をいただいておるところであります。  62ページでございます。このような自立支援協議会の議論から、社会資源の創出につな げるためにしっかりした財源的な裏打ちが要るんじゃないかということでございます。1 つ目の丸の2つ目の段落でございます。先ほど申し上げましたが、市町村は相談支援等を 通じて把握された地域の課題について、地域自立支援協議会においてその対応につき協議 した上で、この協議結果を踏まえつつ、地域の社会資源を開発・改善していくんだという ことでございます。そして一番下でございます。障害福祉計画というものにおいて、福祉 サービスの見込み量等を定めて、計画的に必要なサービスを整備していくと、こういう仕 組みであります。そして参考のところに書かせていただいていますが、そうした基盤整備 については、施設整備に対して国として2分の1の支援をさせていただくという仕組みに なっておるということでございます。  それから、飛びまして67ページでございます。障害者自立支援法では在宅サービスも含 めて義務的経費化したということだけれども、国庫負担基準というものを定めたことによ って、なかなかそこがサービスの上限として自治体が支給決定をしているということであ ります。この国庫負担基準についての考え方ということで、これは前回も藤井企画課長の ほうからご説明を申し上げたことの繰り返しになるわけですが、現在の制度の状況という ことの1つ目の丸でございます。国庫負担基準は、訪問系サービスにおいて障害福祉に係 る国と自治体の一定の役割分担を前提に、限りある国費を公平に配分するための精算基準 として設定されているということでございます。  この国庫負担基準については、全体としてのかさ上げを図るとともに重度訪問介護、さ らにはその中でも障害程度区分が重い方には、大幅な引き上げをこれまで行ってきておる ということでございまして、全国の9割程度の市町村において支給実績をカバーできるよ うに、すなわち、9割程度の市町村において持ち出しになることがないというレベルに、 国庫負担基準といったものは設定させていただいてきたということでございます。  一番下の丸でございます。長時間の介護を必要とされる障害者の方々を多く抱えるなど、 国庫負担基準を超過してサービスの支給を行っている市町村に対しては、その持ち出しに 係る財政負担を軽減するために、地域生活支援事業やいわゆる基金等において、その市町 村に対して財政支援を行える仕組みになっているということでございます。一番下、現在 の制度の考え方のところの下の3行目でございます。仮に国庫負担基準を廃止する場合に あっては国の厳しい財政事情を考慮し、国費を公平に配分する機能をどのような形で担保 するのか、検討が必要だということでございます。  最後に69ページでございます。障害行政に関する国と地方の役割をどう考えるのか、そ の際、ナショナルミニマムの確保をどう考えるのかということでございます。民主党政権 になりまして、地域主権という形で地方分権の制度改革というものが加速化しているとこ ろでございます。これを踏まえまして一番下でございますけれども、地方自治体の事務の 在り方につきましては、既に閣議決定されております地域主権戦略大綱等を踏まえて、私 ども厚生労働省としては検討していく必要があるということでございまして、これについ ては厚生労働省だけにとどまらない政府全体、さらには政権与党としてのお考えも含めて、 総合的に検討していくべき問題だということでございます。  以上でございます。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  地域資源整備については、先ほどの地域移行がうまくいくかどうかにも大きく関わるよ うないろんな重要な点がたくさんあるわけですけれども、自立支援協議会についての評価 に的を絞って、今日、何人かからのご意見をいただければと思います。いかがでしょうか。 朝比奈委員、竹端委員という順番でお願いします。 ○朝比奈委員  中核センターがじゅまるの朝比奈と申します。自立支援協議会についてです。皆様方の 意見を拝見いたしまして、現行の障害者自立支援法の中で行われている自立支援協議会を 評価するとすれば、こうなるだろうなというふうに思いました。ここの中で様々に指摘さ れている点については、一つ一つ取り上げて検討していく必要があると思います。例えば 抑制的に働いているのではないかとか、形骸化しているのではないかという点です。  ただ、やはり身近な地域の中で、だれもが安心して暮らしていける体制づくりというこ とを考えた場合には、障害の種別を超え、立場を超えて行政や民間当事者の方々が出会っ て、そこで話し合って物事を解決していくという筋道を、そのためのツールを持たなけれ ばならないというところについては、恐らく異論はないだろうというふうに思われます。 ですから、そのツールをどういうふうにつくり上げて、位置付けていくかということをし っかりと決めていくべきだというふうに考えています。 ○佐藤部会長  竹端委員、お願いします。 ○竹端委員  山梨学院大学の竹端です。山梨県と三重県で特別アドバイザーをさせていただいて、地 域自立支援協議会の立ち上げをやってきた経験からお話しさせていただきます。特に地方 において自立支援協議会というのは大変壊滅的です。それはなぜかと申し上げますと、い わゆる自治体の担当者だけに力量を求めても苦しいんですね。つまり、どんなふうに自立 支援協議会をやっていけばいいのかのイメージすらわかない。障害福祉計画についてもは っきり申し上げますが、コンサル会社に丸投げしているところがたくさんあります。金太 郎あめのように市町村の名前が変わっただけで、アンケート調査をやっただけで、いわゆ る形あって魂入らずというのが、障害福祉計画及び地域自立支援協議会に私は共通してい ることだと考えます。  そこでやはり求められるのは、今後、求められるのは何かと申し上げますと、サービス 抑制的な自立支援協議会にならないためにも、もし法定化するのであれば、当事者エンパ ワーメントと相談支援のエンパワーメントと自治体エンパワーメントの3つがない限り、 形だけつくっても魂は入らないと思います。 ○佐藤部会長  竹端さん、ゆっくりしゃべってください。 ○竹端委員  すみません。短い時間でたくさんしゃべろうと思ったら早口になりました。ゆっくりし ゃべります。  実際、自立支援協議会というものに求められているものはたくさんあるんですが、それ をこなすだけの力量や準備が市町村やあるいは地域の当事者あるいは支援者にもなかなか できていないのが現実です。それを変えるためにはやはり市町村の、これは支給決定のと ころでも出てきましたが、市町村のソーシャルワーカーの力量を強化することがない限り、 これは絵にかいたもちに終わります。その上で、当事者もきちんと市町村や相談支援事業 者に対して、ちゃんと物が言えるようなエンパワーメント事業が法定化されないと、これ もまさにサービス抑制的になります。それから、相談支援事業所もきちんと市町村や当事 者と渡り合えるようにエンパワーメントされないと、これも形だけになります。  その3つをきちんとやるようなための自立支援協議会として法定化であれば意味があり ますが、それがない中で、ただ単に当事者の声が聞けるでしょうといったら、施策推進協 議会で犯した愚と同じことを起こすことになると思いますので、その辺りを中心にご議論 していただきたいと思います。  以上です。 ○佐藤部会長  小野委員、お願いします。 ○小野委員  小野です。分野F、地域生活の資源整備のその1の資料1−8、それの43ページに僕の 意見を載せていただいています。両極端に分かれたという一方の法定化すべきではないと いう意見を述べさせていただきますが、43ページの一番上の岡部委員の書かれていること と同趣旨かなというふうに思います。  まず、前提としては自立支援法を廃止して新法を制定するわけですから、自立支援法の ほうに基づく自立支援協議会を法定化する必要はない、様々な問題を抱えているわけです から。ただ、今、出たように自治体の計画策定、施策の推進を協議する場は必要だと考え ます。それはそれとして、計画策定、新たな法律に基づいて自治体の実施計画である障害 計画の策定と施策推進協議会を設ける、もう一つは差別禁止法に基づく障害者の権利委員 会があれば、今、出た当事者エンパワーメントの発揮もあるのかなと、そういう方向が望 ましいと考えます。  ただ、もう一つ、ちょっと基盤整備で先ほどの中島課長が説明をされた厚労省の資料の 59ページ、この基盤整備の59ページの丸の2つ目のここがひっかかって、地方で起こって いる問題があります。要するに計画で定めた数値目標、特に生活介護と就労継続Bについ ては、それを超えた場合、申請を却下できると。実は地方でこれが起こっています。自治 体が策定した計画目標が少なくて、小規模作業所が新たに生活介護を申請しようとすると、 もう枠がないと、既存の施設の分しかありませんので、どうぞ就労継続A型を選択してく ださい。しかも、そのときに最賃除外でいいですよと言うそうですと、こういう矛盾が地 方では起こっています。 ○佐藤部会長  小澤委員、それから北野委員、お願いします。 ○小澤委員  東洋大学の小澤です。自立支援協議会なんですけれども、出された意見だけを見ると、 白か黒かとか、プラスかマイナスかと、極めて乱暴な話で終わっているようなんですが、 私としては要するに使い方が悪いということと使い方をよくするにはどうしたらいいかと いう、そういう発想で、もともと自立支援協議会はいろいろ言われているんですが、私も さっきの竹端委員と同じように幾つかの自治体で関わっておりまして、悪く見れば非常に 悪いところもあるんですけれども、それを通してやっぱり地域づくりとか、まちづくりが 起きているという事例も事実あるんですね。  だから、全部駄目だという議論は全く私はナンセンスな感じがしていて、それに取って 代わるような、要するにまちづくりとか地域づくりというポイントが何で必要かというと、 この部会だけの問題ではないんですね。要するに障害福祉を推進するには市民も理解を示 す場が必要なんですね。そうしないと、地域支援といったって圧倒的にはやっぱり市民と か、インフォーマルなほうが必要な場合が多いですから、その方々を応援団につけるため には、どう考えても何らかの地域づくり、まちづくりの場が必要だということはまず間違 いないと。  ただ、それが自立支援法という法律の中の一部分を担っているレベルの問題かどうかと いうのは別の話だと私は思うんですね。だから、趣旨としては私はプラス、マイナス、い ろいろ出ておりますけれども、そんなに違いはなくて、要するにマイナスをなくしてプラ スを伸ばすにはどうしたらいいかという、こういう議論をしていけば、そんなにずれてい ないんじゃないかなというのが私の印象です。  以上です。 ○佐藤部会長  北野委員、お願いします。 ○北野委員  私も実は小澤委員と全く同じ感じを持ちました。これを読ませてもらいますと、中西委 員のほうから例えば今の状態では組織が育っていない市町村で強引にやったら、行政の旗 振り役になってしまうんじゃないかと書いてもらっています。おっしゃるとおりだと思う んですけれども、逆に当事者組織というものを育てていくときに、どういう仕組みをつく っていかなあかんかということが、今、一番大きなテーマやと思うんですね。私も、今、 3つの市で自立支援協議会をさせてもらっていますけれども、まさに当事者の方々や親の 方々が声を出して、そしていろんなことをつくっていかれるときに、この仕組みが結構使 えるんですよね。  つまり、自立支援協議会は行政の方もそれから市民の方も来られて、親の方や本人の方 がその中で徐々に自分の発言力を高めていってトレーニングされる場として非常に適切な 場だと思います。そこで例えば、今、私がやっている鳥羽市なんかではご本人が成長され て、あと、私は今、委員長をさせられていますけれども、委員長をご本人、障害当事者の 方が委員長になれる状況が生まれてきて、いよいよ私の仕事はもう終わりだなと思ってい ますけれども、そのときに鳥羽市なんかは親御さんとご本人たちの運動の中で市長まで引 っ張ってきて、新しい日中活動の場の獲得まで、たった人口2万でほとんど予算のない市 ですけれども、そういうものを勝ち取っています。  ですから、恐らく自立支援協議会と市町村の障害福祉計画との関係というものももう少 し明確にされて、当事者の方が中心に動いてその仕組みを回る仕組みして、予算取りまで できる仕組みにされたら、これは非常に有意義なものじゃないかなというふうに私は判断 をしております。  以上です。 ○佐藤部会長  初めての田中さんからまずお願いします。 ○田中(正)委員  初めてだと大事にしてくれるのかと思って頑張って話したいと思いますが、全国地域生 活支援ネットワークの田中です。この部会でずっとテーマにしている個別の対応をよりよ くしていくということに、個別の給付をどう位置付けていくとか、サービスの在り方をど うしていくかとか、そういった様々な議論の一番根底にあるのが、この仕組みではないか というふうに思っています。  一番の始まりは相談事業で個別の把握をして、そして、個別の把握のぐあいによって支 援計画がつくられ、その支援計画が実行されることによって、自己決定やアドボケートが されるということにつながっていくわけですが、このような流れを考えていくときに、一 番懸念すべきは仕組みが十分に届いていないということや、行政の不作為というようなこ とによって取りこぼれてしまう人がいるということなんですが、そういったことに関して 相談事業も十分にはぐくめない地域においては、行政が直接やっていく中に、その可能性 が非常に危険度としては高い状況にあって、その牽制役として自立支援協議会が朝比奈委 員や竹端委員や小澤委員が言われたように、有効に機能するところのよさを広めていくと いうことにおいて検討して、ぜひ法制化していただきたいというふうに思っております。  以上です。 ○佐藤部会長  ここで東室長から、一言、この点に関して発言があります。 ○東室長  推進会議担当室の東です。現状の自立支援協議会をどう評価するかということにつきま しては、いろんなご議論があるんだと思います。ただ、一点、障害者の権利条約の批准と いう観点からすれば批准の条件になるわけではないんですけれども、権利条約の趣旨とし ては当事者の参画ということが強く言われているわけですね。ある意味で、この部会にし ても国の政策決定に障害当事者が参画していくということでできているわけです。こうい う仕組みは、何も国レベルにおいてつくられればいいという話ではなくて、特に地域主権 ということが強く言われる中で、住民自治をどうしていくかという観点からやはり障害を 持つ人、関係団体、そういうものが一つの大きな仕組みとして行政に地域の政治の在り方 について物を言っていくシステムというものを、やっぱり権利条約の視点から考えてほし いなと。ですので、現状がどうかという問題とは別に、そういう観点からのご意見もいた だきたいというところです。  以上です。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  まだ、大分手が挙がっているんですけれども、奈良崎さんはまだだったと思いますので、 奈良崎さんだけに絞らせていただいて、申しわけない、ほかの方は文書でご意見をいただ ければと思います。あと、まだ作業チームの在り方とか、実態調査とか、3つほど大事な 報告事項がありまして、5時に終わるかどうか、非常に危なくなってきていますので、ぜ ひご協力をいただきたいと思います。奈良崎さん、お願いします。 ○奈良崎委員  ありがとうございます、奈良崎です。皆さん、先ほど障害者自立支援法の委員とか言っ ているですが、知的障害の本人たちは多分、皆さん、知らないので、もしよかったら、こ の委員会の説明があればいいなと思います。多分、委員になっている人たちって、今、隣 の小田島さんとピープルファーストではだれかいると聞いたら、多分、こういう委員会自 体を余り知らないよという情報不足だと思うので、ぜひお願いします。 ○佐藤部会長  先ほどの厚労省の資料のところでかなり分かりやすく書いてあるかなと思ったんですけ れども、早口で説明されたので、さっといっちゃったかもしれないですね。 ○奈良崎委員  あとはごめんなさい、協議会自体に本人たちが入っていますか、知的障害の。 ○佐藤部会長  どうでしょうか。市町村障害福祉計画をつくる、1,800ある市町村の中で知的障害者が参 加しているのは50人しかいなかったというのが内閣府の最近の調査で出ていますので、自 立支援協議会もそれと同じくらいかなという感じがしますけれどもね。 ○奈良崎委員  あと、例えば今、厚生労働省の説明があったんですが、自立支援法の32条でしたっけね、 何とか何とか、その辺がまだ分からないので、もしよかったら詳しく教えてください。 ○佐藤部会長  ページ数は何ページ……そうか、ルビ付きか。 ○奈良崎委員  ルビ付きで69ページで、障害者の自立支援法の36条を教えてほしいです。 ○中島課長  部会長、よろしいですか。自立支援法の36条の書いてあるところということなんですけ れども、先ほど小野委員のほうからもご指摘のあったところで、ルビなしでは59ページの ところ、もう少し丁寧にご説明しますと、都道府県では障害福祉計画というものを定めて、 そこである程度、サービスの種類ごとに整備する量を決めると、こういうことになるわけ です。そして、決めた量を超えてさらに整備させてください、さらに事業所を開かせてく ださいというお申し入れがあった場合には、都道府県は、いやいや、計画ではこれだけの 量を整備することになっているので、それを超えるものについては認めることができませ んよという余地があるという形でありまして、いわゆるサービスの総量規制というものの 根拠になっていると。それで、それが生活介護と就労継続B型と入所施設については、そ うした上限を超えた場合には指定しないことができるという根拠が36条と、こういうこと であります。 ○佐藤部会長  よろしいでしょうか。 ○奈良崎委員  もうちょっと分かりやすく言ってもらっていいですか。 ○中島課長  例えばちょっと一定の価値観が反映されるのかもしれませんけれども、入所施設から地 域で生活していただこうという際に、やはり今日の議論にもありましたように、入所施設 の定員がどんどん増えていくということというのは、いかがなものかという判断は一つあ り得るわけです。  そういう点で、都道府県はやっぱり自分の県にお住まいの障害者の方々の数や状況を見 ると、この程度の入所施設は要るだろうけれども、それを超えて、どんどん入所施設をつ くっていくというわけにはいかないと、より地域移行を進めていくという観点からも、こ の程度の入所施設の定員にしておきたいという形で、都道府県の福祉計画を定めると、そ して、この程度の数の入所者数にしようというところに、新たに入所施設を開かせてくだ さいという申請があった場合には、いやいや、それはやはりうちの県としては地域移行を 進めるという観点からは、これ以上、入所施設が増えるというのはいかがなものかと。  それならば、あなたはより居宅サービスなり、通所サービスのほうで障害者の方々に喜 んでもらえるようなサービスを展開してくださいねと、入所施設については認めるわけに はいきませんということを法的な根拠をもって都道府県が言えるというのが自立支援法36 条であり、38条であるということでございまして、私も説明していて非常にあれなんで、 より分かりやすく書いたのをまた別途、お届けするようにしますので、ちょっと今日は我 慢してください。 ○奈良崎委員  ありがとうございました。 ○佐藤部会長  では、ということで、今日のメーンでありました論点D、E、Fについての協議という のはここまでとさせていただきまして、論点G、H、Iは9月21日、次回の部会でまたご 議論をいただくということにさせていただきたいと思います。  そこで、報告事項なんですけれども、3つありまして、一つは作業チームについて、も う一つは在宅障害者の実態調査について、3番目が施設入所者、病院入院患者の調査のた めの話合いについてということで報告をして、時間の許す限り、ご意見をいただければと 思います。  それで、第1の報告事項の作業チームの関係ですけれども、2枚、後から追加で休憩時 間に配布されましたホチキスで止めてある2枚物の資料があろうかと思います。10月から 作業チームに分かれての検討を始めるわけですけれども、この部会の下に置く作業チーム、 部会作業チームと、それから、推進会議の下に置くんだけれども、部会と推進会議の合同 作業チーム、部会のメンバーも入って一緒に検討する合同作業チームの2種類があります。 それで、部会の作業チームと合同作業チームを合わせて、全体的な作業チームの位置付け と運営についていうのが1枚目のページにありまして、4つの方針、運営方法が書かれて いると思います。そちらのほうをまず東室長から説明をさせていただきます。 ○東室長  担当室の東です。お手元にあるでしょうか。 ○奈良崎委員  たびたびすみません、始まる前にルビが付いている資料はないですか。 ○東室長  ないので、点字版もないので、口頭で全部読みますのでよろしゅうございますか。すみ ませんね。担当室の東ですけれども、追加で配布したために情報保障がきちっとできませ ん、ごめんなさい。  実は平成22年8月9日、第18回の推進会議で作業チームの位置付け及び運営についてと いうことでお諮りをして、推進会議の了承をいただいたものがあります。それが今、お手 元にある文書です。これについて読み上げた上でご説明をしたいと思います。  第一次意見において、「改革が必要な分野について個別に部会や作業チーム等を設け、 分野別課題の検討に着手する」ということが言及されている。  現在、分かりやすい第一次意見をつくる作業チームと「障害」の表記に関する作業チー ムが検討を進めているところであると。  また、総合福祉部会においても作業チームで検討を行っていく旨の報告があったことか ら、円滑な運営のため、作業チームの位置付け及び運営については、以下のとおり整理す ることとしたい。  4つありまして、まず、1が、作業チームは、推進会議または部会での議論を円滑に進 めるため、その決定に基づき、特定の事項について論点の整理・検討を行うものとする。  2、作業チームで整理・検討された内容については、検討を依頼した推進会議または部 会に報告され、推進会議または部会での検討に当たっての基礎資料となるものである。  3、作業チームのメンバーが必要とする手話、要約筆記、点字資料、ルビ付き資料等の 提供は当然行う。ただし、作業チームは推進会議または部会での議論を円滑に進めるため の論点整理等の作業を行う場であり、公開して議論する性格のものではないと考える。  4、作業チームでの検討状況については、適宜、推進会議または部会に報告しなければ ならない。  という形で文章ができ上がっております。これについて了承を受けているわけですけれ ども、基本的に作業チームの性格をどう位置付けるかということについての整理だったわ けですね。作業チームは特定の分野について深い議論をしてもらうと。そこでの具体的な 課題とか論点、そういうものを整理していただくと。それを親部会である推進会議もしく はこの部会に上げて、そこでの検討に資するということが目的であると。したがって、作 業チーム自体が何かを決めるというような性格ではないという位置付けです。したがって、 作業チーム内で議論する上で必要な情報保障は当然行うけれども、例えばそこでの議事録 をつくる、議事要録をつくる、テレビで映してオンデマンドで放送するというところまで はできないということです。  そして、そこでのある意味で対外的な情報の公開ができない部分は、どういう形で補う かというと、その検討結果を推進会議もしくは部会に上げるわけですけれども、そこにお いて対外的な意味での情報公開を行うということを考えておりまして、基本的には推進会 議の皆さんがこれで了承してくれたというところです。  こういう位置付けの中で、特に医療と障害児支援と就労の3つの分野については、推進 会議の委員とここの部会の委員の合同のチームをつくりたいということで、基本的には推 進会議の下での作業チームというものとして位置付けようということが話し合われました。 具体的にはどこでやるかというと、ここで、これから佐藤先生がお話しなされる部会での 作業チームと同じ場所で、同時並行的にやっていくということを考えているところです。 それで、先ほどのご意見の中で数名の方から、作業チームではなくて部会というお話もあ ったわけですが、その点についてまたご意見をいただいた上で、こちらの今の現状として のご説明をしたいというふうに思っています。  以上です。 ○佐藤部会長  併せて、もう1枚、次のページにありますのが部会作業チームの役割と運営について (案)というものになっております。これは部会長、佐藤久夫名で用意をさせていただい ておりまして、1番目の役割、2番目、体制、3番目、メンバー、4番、座長の役割、5 番、部会への報告、6番、部会作業チームの検討分野ということで、6つの項目から成り 立っております。読み上げて解説をしたいと思います。  1の役割ですが、部会作業チームは、障害者総合福祉法の在り方に関して担当する論点 項目について検討し、可能な限り意見の調整を図った上で、総合福祉部会に報告する。  ということで、2番は体制ですけれども、部会作業チームは、2010年10月から2011年3 月 (目途)まで、2期に分けて設けることとし、テーマごとに分かれて検討を行う。この点 は推進会議の下に置かれる合同作業チームは1期と2期に分けないで、この6カ月を期間 とするということでちょっと性格が違います。体制の2番目ですけれども、部会作業チー ムには座長を置く。また、必要に応じて副座長を置くことができる。部会作業チーム間の 調整等を行うため、各部会作業チームの座長及び部会三役から成る座長打ち合わせ会を設 ける。この辺は合同作業チームの座長さんにも加わっていただくのかどうなのか、いろい ろまだ検討しなければならないことがあろうかと思います。  3番目はメンバーです。(1)部会作業チームのメンバーについては、部会構成員の希 望をできるだけ踏まえ、座長打ち合わせ会で協議しながら、部会三役及び内閣府障がい者 制度改革推進会議担当室長において、部会構成員の中から指名する。(2)部会構成員は、 1期につき一つの部会作業チームヘ参加できる。  ただ、合同作業チームの医療のチームについては、10月から12月までに主に精神障害者 の医療を取り上げて、1月からその他の医療問題を取り上げるということにすることにつ いて、9月6日の推進会議のほうで諮って検討することになっています。まだ、未確定な 部分がありますけれども、そんなこともありますので、1期につき一つの部会作業チーム に参加できるという原則ですけれども、医療については前半のみ、後半のみ参加というこ とも部会メンバーについては認めてもいいという案を推進会議のほうでは、今、検討して いるということです。  4番目、座長の役割。(1)部会作業チームにおける議事進行を務める。(2)部会作 業チームに割り当てられた論点の整理を行う。(3)部会作業チーム報告書を起草する、 ということです。  それから、5番目、部会への報告として、(1)部会作業チームの検討状況については、 毎回の部会で議事概要を提出し報告する。(2)部会作業チームの検討結果については、 それぞれ部会作業チーム報告書を提出し報告する。  これは第1期は12月まで検討がなされますので、それを整理して、1月の部会に報告を するということになろうと思います。2期の部会作業チームは3月まで検討しますので、 4月の部会に報告をするということになろうかと思います。  そして、部会作業チームの検討分野、6番目の柱ですけれども、前回の部会で座長につ いては、正副部会長のほうから指名をさせていただくということで了解をいただいている ところですけれども、(1)は法の理念・目的については藤井克徳座長にお願いをしたい と。(2)障害の範囲と選択と決定については、2つ、班を設けることになるわけですけ れども、障害の範囲については田中伸明座長にお願いをしたい。2番目に選択と決定・相 談支援プロセス(程度区分)という班については、茨木尚子副部会長に座長をお願いした いと。(3)の施策体系作業チームは、かなり中身がいろいろありますので、3つの班を 設けたいと。1つが訪問系については尾上浩二副部会長に座長をお願いしたい。2番目は 日中活動とグループホーム・ケアホーム・住まい方支援という領域については、大久保常 明座長にお願いをしたい。3番目は地域支援事業の見直しと自治体の役割という班につい ては、森祐司さんに座長をお願いしたいということです。  それで、今日、承認いただければ、この後、座長の打ち合わせ会を開かせていただいて、 各第1期の各チームがどういう担当項目で検討するのかというようなことについての話し 合い、協議をしていただいた上で、部会のメンバーの皆さんからの所属の希望、どのチー ムに参加したいかという所属の希望を聞いて、それもできるだけ配慮しながら、所属を決 めて9月21日の部会で報告をして、承認をするというふうにしていければというふうに思 っております。  ただ、合同作業チームのほうは9月6日の推進会議で正式に大体、こういう内容でやる ということが決まりますので、皆さんの希望をいただくのは9月6日以降になると。希望 をいただいて、次の座長打ち合わせ会と三役との合同の会議を21日までに開いて、そこで 割り振り、構成を決めるというふうにしたいと思っております。部会のメンバーは、部会 作業チームにも所属できるし、それから、合同作業チームにも所属できると。所属の承認 は最終的には推進会議において行われるわけですけれども、そんな日程で9月21日にはだ れがどの作業チームに所属するのかを決めて、一定の準備を経た上で、10月の部会と併せ て作業チームの検討が開始できるようにしたいというふうに考えております。  そんなのが私どものほうの報告ですけれども、ご意見があればお聞きしたいと思います。 野原委員、どうぞ。 ○野原委員  日本難病・疾病団体協議会の野原です。私どもはこの作業チームで検討するという考え 方が提示されたときに、非常に難病というのは多様であり、多様でまた同時に谷間の多い 多くの問題を抱えているというような状況から、現在のこの中での構成員の中での比率が 本当に状況に合っていないと、実際問題、2人しか難病関係者は入っていないと、こうい う状況の中で、この作業チームに私どもの意向を反映させるには、どうしてもヒアリング 等の具体的な意見聴取の別の形態を結合してもらうか、あるいはまた、この作業部会が合 同作業チームに構成員以外の人たちの参加を認めるというふうな方向でなければ、本当に 当事者の声を反映した総合福祉法の検討というものに、どうしても手落ちが出てくるだろ うと、そういうことを強くお願いしたいという経過があります。  これについて、今の話では、それについてどう検討されたのかということが聞き取りに くいという状況があるので、そこのところを立ち入って説明をお願いしたいということと、 もう一つは幾つかの部会に一人がダブって参加できるという形にしますというふうなこと のようですけれども、日程がもうちょっとはっきりしないと、これでいいのかどうなのか ということなんかも、正直なところ、私たちはいいとも悪いとも言えないと、こういう実 情であるということを今、感想的なご意見として申し上げておきたいというふうに思いま す。 ○佐藤部会長  2番目の点については、幾つかダブって参加ということはできません。というのは、月 1回、総合福祉部会を開くわけですけれども、恐らく午後1時から2時までを全体の部会 にして、2時半から5時までを並行して分かれて作業チームでの検討を行うということに なりますので、1期については一つの作業チームに所属するしかないと。ですから、1期 と2期とで2つの作業チームに入ることは可能ですけれども、並行して2つ、3つに入る ということはできないということになります。  1番目の点ですけれども、この運営についての中には書いていなかったですけれども、 各作業チームで必要に応じてヒアリングをするということは、あっていいだろうというふ うに思います。そのヒアリングのための費用をどうするかとか、謝礼とか何かというのは もうちょっと事務的に詰めたいと思いますけれども、そういう形はあり得ると。しかし、 外部の人の委員をどんどん追加していくということになると、際限なく、結局、少人数で 詰めた議論をしたいということで作業チーム構想が上がってきたわけですけれども、結局 はそれが困難になってしまうので、部会のメンバー及び推進会議のメンバーで作業チーム を構成したいと。  いろんな意見を聞きたいというどうしても必要が出てきた場合には、ヒアリングという 形で外の人をそのときに招くということもあり得る。ただし、自分の参加している作業チ ームについてのみ、意見が言えるということではなくて、並行しているほかのところに意 見を流すということは十分可能ですので、部会メンバーはほかの作業チームに、こういう 方向で、こういう制度にしてほしいという意見を簡潔に書いたものを何枚も、何通も出す ということをぜひやっていただければというふうに思います。  そして、部会の作業チームについては、議事概要を10月から11月にかけて議論した内容 を11月の部会に簡単に報告をしていただくわけですけれども、それを読んだ上で、私の意 見が反映されていないというふうなことであれば、また、意見を出すと、途中、途中でも 中間報告的などんな議論をほかのチームではやっているかが報告されますので、それに対 してさらに意見を言うということもできるということで、身が一つしかないけれども、あ ちこちに意見を言うことはできるという形でやっていけないか。それは難病の野原さんの 関係だけでなくて、全ての部会の委員は全ての作業チームに意見を投げることができると、 自分は身が一つしかないので、ここにしか参加できないけれども、どうもほかのチームの この点についても意見を言いたいということがあれば、そういうボールを投げていただけ ればというふうに思います。  今の作業チームの運営に関してさらにご意見とか、そうしましたら、柏女さんと小野さ んと、そういう続きでお願いします。 ○柏女委員  淑徳大学の柏女です。合同作業チームの関係ですけれども、私のほうで参考資料7を別 途、提示をさせていただきましたけれども、結論から申し上げますと、子ども一般の施策 のシステムを検討する会議が内閣府で今、行われていて、その作業チームが9月から3つ つくられることになっています。そして、もう一つ、総合福祉部会というか、障害児につ いての部会というか、合同チームがつくられることになっているわけですが、それぞれ、 今、別々に動いているわけですけれども、障害児の施策を一般施策の中でやっていくとい う観点からいえば、子ども・子育て新システム検討会議の下につくられる検討会に我々の ような障害関係の人がメンバーとして入っていく、あるいは合同にそのシステムの検討の 方がこの合同作業チームに入っていただくという形で、相互乗り入れをしていかない限り、 障害を持った子どもたちの支援は、子ども一般施策からはじかれてしまうというふうに思 います。  現在、既に閣議決定された新システム検討会議の制度案要綱では、障害児保育の問題な どは一切書かれていないわけです。そうなると介護保険と同じように、今、幼稚園と保育 所が一緒になってこども園がつくられる、そのこども園給付を行っていくということをこ れから検討していくわけですけれども、その中に障害を持った子どもたちがどのような位 置づけになるのかという問題があるので、その2つの検討会を一緒に相互乗り入れでやっ てほしいというふうに思います。先ほどの野原さんの難病の子どもでしたら、野原さんを 新システム検討会議がつくる検討会の委員として入ってもらうように、この部会から要請 していただくというような形でもいいのではないか。今現在、人選中ですので、そういう ことを考えていただきたいというふうに思います。 ○小野委員  先ほど議論になった労働についてなんですけれども、今の児童の分野と同じように制度 改革推進会議の委員、総合福祉部会の委員以外のメンバーをやはり労働分野については議 論の中に入ってもらわないと、進まない点がいっぱいあると思うんですね。できれば合同 作業チームという形ではなく、部会という形がとれないかどうか。今日のところは結論は 出ないと思うんですが、来週、制度改革推進会議で合同作業チームについて検討されると いうことなので、今日は推進会議の議長代理の藤井さんもいますから、今日の議論を聞い ていますから、ぜひ、推進会議の場で部会設置の可能性、事務局体制の強化とかも含めて、 そこを探っていただきたいという意見です。 ○柏女委員  すみません、それは児童も同じです。 ○東室長  先ほどの文書は前回、話されたことのご報告だったわけですけれども、推進会議でも部 会という意見は、以前からいろいろと上がっていたところなんですね。それで、本当に部 会という形をとれば、外部からの方も新たに入れられる可能性もありますし、ある意味で 権威付けにもなるだろうし、いろんな意味でいい話合いの場だというふうには思うんです ね。しかしながら、第一次意見の枠組みの中で、横断的課題として3つの分野が挙がって おります。これについては推進会議本体ないし部会をつくるということで、差別禁止法の 部会については立ち上げるということで、今、準備中なわけですけれども、各論分野とし て挙がっているのが11あるわけですね。11の問題も横断的課題に劣らず、大事な問題であ るという認識は持っているわけですけれども、同時に11の部会を立ち上げるということは、 基本的には不可能だというふうに思っているわけですね。  どうして不可能かというと、それは予算の面だけではなくて、部会を立ち上げるという ことであれば、議事録の作成から全てにわたって同じようなことをやっていかないといけ ないわけで、今の推進会議の体制としては、頑張ればできるかどうかというレベルをはる かに超えている状況にあるわけですね。そういう中で、当面、とにかく話し合う場をつく ろうということで、合同の作業チームということで考えているわけですね。これで議論が 全部終わりになっちゃうということまでを考えているわけではないですね。  今後、これがどういうふうになっていくのか、もっとほかの可能性もあると思っていま すけれども、まずはここできちっと話をしてもらって、そこで問題を整理していただくと いうことで、次に議論がつながっていければなというふうには思っていますけれども、た だ、柏女委員がおっしゃったように他の部署で、セクションで同じような議論がなされて いると。そことどう整合性を保つかという問題は、例えば教育の問題にしても一般労働に おける配慮の問題についても、労政審のほうで研究会ですかね、話し合われています。そ ことの関係をどうするかという問題と、同じ問題があるというふうに思っています。  非常にそこをどういうふうに、今、合同の話合いみたいなものができるのかどうなのか、 そこら辺にちょっと実現の可能性があるのかないのか、きちっと検討しているわけではな いんですが、少なくとも子ども・子育て新システムは、同じ内閣府の中でやられているわ けですので、何らかの対応ができないのかどうか、これから検討はしていきたいというふ うに思っているところです。現状として言えるのはそのぐらいなんですが、当面、できる ところで話合いの場をつくるというのに最大の力点を置いて考えたという、そこら辺が実 情です。皆さん方のご意見はごもっともなところがありますので、今後とも小野さんの意 見も含めて検討していきたいなというところであります。 ○柏女委員  子ども・子育て新システム検討会議の下に設けられる3つの検討会は、今、人選中です ので、そこに総合福祉部会の委員を入れてほしいというふうに要望することはできるんじ ゃないかと思うんです、同じ内閣府でやっているわけですから。そこに10数人のメンバー が入るはずですから、その中に2人でも3人でも障害関係を代表する方、難病を代表する 方、この部会の方の委員に入っていただくようにするということは、幾らでもできること ではないかというふうに思います。それをぜひご検討いただきたいと思います。 ○佐藤部会長  野原さんと河崎さんの順番でお願いいたします。 ○野原委員  日本難病・疾病団体協議会の野原です。事情としては部会長さんや東さんのおっしゃる ことは分かるんですけれども、もともと私は合同作業部会が開かれたら、どうしても医療 のほうへは参加したいというふうに強く思っています。もう一人、橋本さんがおいでなん ですけれども、橋本さんを含めてどこかへということはあるんですけれども、人がとにか く絶対数が少ないものですから、ほかの部会には参加できないという物理的な矛盾がある んですね。  それで、もうちょっと立ち入ってお聞きしたんですけれども、部会作業チームについて は座長さんが決まったということなんだけれども、合同作業チームの医療、子ども、就労 については座長さんが決まっているのかどうなのか、同時に医療についていうと、医療を 検討しようというときに、医療関係者がこの福祉部会に入っていないんですよ。どうして も、そういう意味でも私たちは部会なり、あるいは外部の人たちの参加ということを強く 求めているんです。そういう人たちの参加、特に難病対策要綱を担ってきた医者や保健師 や看護師さんたち、こういう人たちで、しかし、専門家というのは非常に少ないんです。 他の障害と違って難病ケアを専門的に研究しているという人たちというのは、皆無に近い 状況です、部分的な問題に関わっている研究者はいますが。難病看護学会とかなんとか、 部分的にはありますけれども、生活全体ぐるみをどう支援するのかという、そういう研究 者というのは全国的にもほとんど稀有と言っていい状況なんです。  そういう状況に立ち入っていこうというものですから、やっぱり、どうしても難病対策 要綱を曲がりなりにも不十分に、難病患者の地域医療を含めて支えてきたような人たちも 参加をしてもらわんと、より効果的、具体的な論議というのはやり切れないと、こういう 問題があるということを申し上げておいて、できればもうちょっと、そういう意見も含め てご検討をお願いしたいということです。  以上です。 ○佐藤部会長  最初に出されました合同作業部会の座長は、9月6日の推進会議で承認をされるという 予定になっています。 ○東室長  まだ、座長については人選中というか、今、希望を募っている段階で、まだ、全然決ま っておりません。 ○佐藤部会長  河崎委員、お願いします。 ○河崎委員  1点、確認をもう一度、お願いしたいんですが、先ほどの部会長のご説明では、部会作 業チームに関しては、同じ1期の部分では兼ねることはできないということでよろしいん でございますね。合同作業チームと部会作業チームに関しては、兼ねることは可能なんで すか。 ○佐藤部会長  いいえ、同じ日に同じ時間にこの会場で顔を合わせての話合いが持たれるので。 ○河崎委員  先ほどの説明では、部会作業チームと合同作業チームに関しては、兼ねることができる ような説明がちらっとあったように私は理解したんですが、そうじゃないんでしょうか。 ○佐藤部会長  それは説明不足で失礼しました。ある合同作業チームに所属すれば、その期間の部会作 業チームには参加できない、その逆も参加できないことになります。つまり、同じ時間帯 に並行して9つというか、幾つかの作業チームが並行して検討していますので。 ○東室長  河崎委員が疑問に思われたのは、多分、この点だと思うんです。部会作業チームは1期、 2期に分けますよね。だから、1期ではどれかしか選べないけれども、2期では別のを選 んで入ることができるわけですね、別のやつがありますから。そういう意味で、1期と2 期は兼ねられる。特に合同作業チームの中で、医療に関しては前半で専ら多分、議論とし ては精神が中心になされるだろうと。後半では、それ以外の部分がメーンになるかという ことで、先ほどの佐藤部会長のお話はテーマが若干前期のほうと後期のほうで変わるので、 そこで交代というのはあり得るんじゃないかというようなことをおっしゃったんだろうと 思うんですね。そういう意味で、若干兼ねられるような状況が出てくるんじゃないかとい うご説明だったろうと思うんですね。 ○河崎委員  そうしますと、非常に個々の話にはなると思うんですが、今回、10月から12月に合同作 業チームで精神医療を取り上げるのであろうというご説明がございました。この中で精神 科医療を提供している立場は私だけだと思います。そうしますと、どうしてもそこに入ら ざるを得ないだろうということになりますと、この部会作業チームのこの法の理念、目的 あるいはいろんなそれぞれのものに関しては、これは参加できないということで、先ほど の部会長のお話のように、そこにはペーパーで意見を出すなりというようなことをしてく ださいという仕切りでございますか。 ○佐藤部会長  はい、そういうことです。実際、作業チームでの検討は10月からですので、まだ、もう ちょっと準備の期間もありますので、今日、この後、座長の打ち合わせ会でもいろんな意 見をいただきながら準備をしてまいりますので、また、ご意見をいただければと思います。  報告事項の2番目ですけれども、全国障害児・者実態調査ワーキンググループの報告で す。資料として参考資料9−1、9−2というのがワーキンググループの議事要旨と資料 となっていますので、ご覧いただければと思います。それから、関連して山本委員から追 加参考資料1というのが、これも調査関係のことで意見をいただいております。  前回の部会で、全国障害児・者実態調査の基本骨格案についてご議論いただきました。 この議論を受けて事務局からも議事要旨が配布されていますけれども、第5回のワーキン ググループを8月20日に開催して議論をいたしました。今年度に行う予定の試行事業の調 査票につきましては、まだ内容が固まっていませんので、本日は資料をお配りしておりま せんが、今後、平野方紹先生が主任研究者となっている研究班において、試行調査票の案 が一定程度まとまりましたら、研究班の案として本部会に報告をいただきたいと思います。 完成形ではないと思いますけれども、9月21日の次の部会では、こういう調査票を用意し つつあるということの報告ができるかと思います。また、その後、試行調査票の案につい ても、障害者団体の方のヒアリングなどを行いまして必要な修正をした上で、最終的に10 月の本部会でこういう調査票で試行をしたいということが報告できるかと思います。  なお、前回の本部会での議論を受けまして、今年度に実施する試行調査につきましては、 郵送調査として実施することとなりました。来年度に実施する本調査について、郵送調査 に変更するかどうかについては、障害者団体のヒアリングの結果等も踏まえて、引き続き 検討することとしたいと思います。詳しくは議事要旨をご覧いただければと思います  以上、簡単な経過報告をさせていただきました。  参考資料9−2にありますように、一番最後の裏のページ、資料3というところにあり ますように、ヒアリングを行う対象として障がい者制度改革推進会議総合福祉部会に、障 害者を代表して参画している委員の所属する団体を対象とするということで、日程が非常 に限られているわけですけれども、できるだけご都合いただいて、調査票の素案を少し前 にお渡しして、ご意見をいただくというようなヒアリングをワーキンググループとして行 うということを予定しております。  そうした障害者団体のメンバーだけでなくて、これまでいろいろ身体障害者や知的障害 者の実態調査をずっと厚労省がやってくる中で、いろんな関係者の意見も聞いてきました ので、そういう方も含めて広く会ってのヒアリングということの調整ができるかどうか分 かりませんけれども、文書での意見などをいただくこととできればと思います。そういう ヒアリングをこれからするということですので、ヒアリングによって修正された調査票を 9月21日にお示しできることにはならないと思いますけれども、ヒアリングの対象となっ ている調査票を用意するということはできるかと思いますけれども、そんな形で試行事業 を郵送で行うということを準備しているという経過報告をさせていただきました。  続きまして、調査の関係ですけれども、施設入所者・入院患者の調査について、資料番 号のない1枚の施設入所者・入院患者の調査についての話し合いという紙がお手元に行っ ているかと思います。4月にこの部会が発足して以降、新法を準備するに当たって入所し ている人あるいは入院している人の調査も不可欠だと、さらにそのほかの刑務所に入って いる人の調査なんかも必要ではないかとか、いろんな意見が出ていました。  これは、きのう、既にメールでは送っているものですので、ざっと目を通しておいてい ただいているかと思いますけれども、そういう意見を受けて、ワーキンググループでも何 回か検討してまいりまして、その結果、前回の部会の資料5として基本骨格という中で次 のような取り扱いということになりました。施設入所者及び入院患者の調査等の実施につ いては、総合福祉部会の構成員を初めとする関係団体その他の関係者間で議論いただき、 その結果を踏まえて検討するということとされています。  そこで、部会長が呼びかけるべきなのかどうなのか、ちょっと迷いましたけれども、時 間がどんどんたちますので、関係する部会委員の皆様に集まっていただき、これらの調査 について検討していただく場を設けたいと思っています。今後、関係する委員の皆さんに 呼びかけて話合いを行い、その結果を厚生労働省に報告をするとともに、9月21日の本部 会に報告をするというふうにしたいと思います。  どういう方に参加していただく呼びかけをするかというと、当然、当事者や家族、それ から、施設や病院などの事業者、有識者などに集まっていただくというふうにしたいと思 います。検討事項としてはいろいろ既に調査もありますので、それらでは足りないのか、 本当に新たに調査をする必要があるかどうかというようなことの検討と、調査が必要であ るとされた場合には調査の概要、いつごろ、どんな規模、どんな目的、どんな内容の調査 をするのかというようなことについて、話し合っていただきたいというふうに思います。  それで、いろんな意見が出されていたわけですけれども、分野としては入所施設調査と 精神科病院調査の2つをまず検討したい。精神科病院以外の社会的入院も重要課題ではあ るわけですけれども、対象となる医療機関や疾患や障害の範囲等、まだ、検討しなければ ならない点もありますので、精査をした上で、必要に応じて検討分野を追加するとして、 とりあえず、障害者入所施設の調査と精神科病院の調査ということにするというふうにで きればと思います。  それで、目的というか、主眼はこの部会でも話されてきたように、社会的入院とか社会 的な入所などの人たちがどんな意向、希望を持っているのか、どんな支援があれば地域で 暮らせるのかというようなことを中心にして、了解のとれた本人のみを対象にして、嫌が る人を無理に調査するということはもちろんしないでやるというようなことになろうかと 思います。  ということで、とりあえずは全体で話し合って、必要であれば施設関係と病院関係に分 かれての検討をすることになるかなと。2回目以降の話合いが必要となるかもしれません けれども、10月からの作業チームとは会合の日時が異なるので、両方に参加していただく ことはできるかなというふうに思います。それで、こういうような話合いを持ってもいい よということで、今日、皆さんの了解が得られれば、呼びかける関係者のバランスを考え ながら、私どものほうで呼びかけさせていただいて、日程の調整をして9月21日までにそ の場を設けると。そこでの話合いの結果を21日に報告をするというふうにさせていただけ ればと思います。  公開でこういうことはやるべきだという意見も出されていますので、日時が決まった段 階で、部会の皆さんにはアナウンスをしてオブザーバー的な参加もできる。ただし、そち らの方は交通費は出ないということになろうと思いますけれども、そんな形でやらせてい ただければというふうに思います。  施設、病院の調査をどうするかということがずっと懸案になってきたわけですけれども、 こういう形で関係者に集まっていただいて、本当に必要かどうか、やるとしたら、こんな ものがいいのではないかというようなご意見をいただいて、厚労省のほうに本格的に検討 していただくということにしたいということです。  在宅調査のことと併せてこの施設、病院の調査について、何か特にご意見があればお伺 いできればと思います。山本委員と竹端委員、この順番でどうぞ。 ○山本委員  確かに改革推進会議の第一次意見書で、障害者の実態把握ということは意見書に上がっ ているわけですね。実態を把握するにはどういう方法があるのかということについてなん ですが、私どもは調査ということがどうも自己目的化しているのではないかと。この間、 ワーキングチームからのご報告を聞いていても、何のためにやるのかということについて、 この部会総体として実はまだ意思一致ができていないんじゃないかと思うんですね。  例えば、多分、何か佐藤さんのご説明だと、地域で生活するために戻るには、地域の生 活を支えるためには、どういう支援が必要かということを調べたいということなのかなと 推測しますが、例えば私ども病者集団でこの間、この調査のことを議論したときには、ニ ーズと言われるけれども、何の情報も提供されていない障害者で孤立している人が、あな たのニーズはと聞かれても全く何も想像できないし、例えば、精神科に今、通院している 人が大体300万人ぐらいいるそうですけれども、多分、その8割、もっとかもしれません、 自立支援法なんていう法律を知らない人がいっぱいいます。それぐらい、そういう状況の 中でニーズ把握というのは、一体、どうやったら可能なのか、もちろん、私が素人なせい かもしれませんけれども、予算はどれぐらいかけるんですか。やっぱり、ともかく聞こえ てくるのはお金がない、お金がないという話ばかりなので、貴重な予算を使うんだったら、 例えば実態把握ということでいえば、かなり、皆さんから意見は出ているわけですよね。  もう一つ、調査についていえば、この中の議論の中では、先進事例の報告をまず集めて みたらどうかというような調査案も出たし、それから、実験的にというか、試行的なプロ ジェクトをまず実際にやってみたらどうかというような意見も出ましたよね。だから、そ の辺も含めて予算の配分も考えて、ちょっと全体の総合福祉部会として実態把握に何が必 要で、何か調査をやることが自己目的化したような議論ではなくて、ともかく、実態把握 に何が必要かというところから、ちょっと共通認識を持った上でないと、何かワーキング グループはいきます、ヒアリングは各団体から聞きます、だけれども、総合福祉部会とし ては一体何をしたかったのかというのが意思一致できていないんじゃないですか。私個人 は病院や施設の人権問題を調査すべきだと提案しました。 ○佐藤部会長  竹端委員のほうからも意見を聞いた上で。 ○竹端委員  山梨学院大学の竹端です。今回の厚生労働省の概算要求の60ページを見ていると、全国 在宅障害児・者実態調査(仮称)の実施には4.2億円をかけておられるということなんです が、今、佐藤部会長からご提案のあった施設入所者・入院患者の調査については、予算取 りが既になされているのか、あるいは全く白紙なのか、まず、それをお聞かせいただけま すか。 ○中島課長  予算取りはしておりません。 ○竹端委員  ありがとうございます。私は正直、予算取りをしていなくて議論しても、無駄じゃない かとちょっと思っております。やはりきちんとこういう調査というのはある程度、厚生労 働省のほうでもやるというふうにお決めいただいて、こういうぐらいの予算だったら確保 できるからやってほしいというのがあって、初めて具体的にその調査の中身というのが議 論されるべきなんじゃないかと思います。確かに議論するのは大事ですが、このままでい くと、単に議論だけしてうやむやになるようなおそれがあるような気がして仕方がありま せん。  それから、もう一つ、実はこの間の追加意見で書いたんですが、今日、触れていただけ なかったので、もう一つだけ申し上げますと、7月30日付の朝日新聞によると、全国延べ 1万6,000余りの医療機関や介護施設を対象に、恒例の患者・入所者の横断的な大規模実態 調査を厚生労働省が現在、行っておられるということを私は読みました。8月末にはその 結果が出るということだそうです。ここで気になるのは、高齢者の分野では特に今の介護 保険の議論でかなり出ている、いわゆる地域生活に戻さないと介護保険の財源が厳しいか らということで、大規模な実態調査をやっておられます。これは当然、予算を取ってやっ ておられると思うんですが、それをしておられて、障害者のほうではそういうのをしない のかなというのがすごく気になって仕方がありません。  この部分についてどんなふうに調査をされたのかということについて、やはり、こうい うところでちゃんと高齢者のほうでも調査されているのだったら、そのことについてご報 告があってしかるべきじゃないかなと思いますし、それから、それに関連して申し上げま すと、施設入所者・入院患者の調査については、やはりきちんと厚生労働省がこれぐらい 予算を取ってくるんだとかということをお示しいただかない中で議論だけするのは、少し 不毛になるんじゃないかという危惧を申し上げさせていただきます。 ○佐藤部会長  どうしましょうかね。厚労省は今年度、先ほどの基本合意文書でもきちんとした調査に 基づかないで自立支援法をつくったという反省などをして、実態調査を来年度、ちゃんと やろうと。そのための試行調査を今年度にしようと、そのためのワーキンググループを立 ち上げるということで、在宅障害者の調査については予算の用意をして、準備をしている わけだけれども、今年度も来年度も施設、病院の関係では調査を予算の準備がないという ことで、ですから、やるつもりはなかったんだけれども、部会のメンバーから強い要求が あったので、先ほどの骨格案の中に、関係者にまず議論をしていただいて、その結果を踏 まえて、本当に調査をする必要があるのであれば、施設・病院の調査をする必要があるの であれば、十分ではないけれども、予算をかき集めてやろうという、そのことも含めて検 討しようというふうになったんだろうと思うんですね。  そういう中で、我々関係者というか、当事者、関係者などが本当に必要なのかどうなの かということ、こういう調査が必要なんだというボールを投げないと、厚労省のほうも動 きようがないのかなというような感じを持って、こういう呼びかけをさせていただいたん だけれども、むしろ、厚労省のほうで予算などきちんとした方針を持ってからの話ではな いかということであれば、こういう呼びかけはしないということになるんでしょうかね。 どうぞ。 ○斎藤委員  斎藤です。だから、その話合いをやって、やるという方針が出た場合には、来年度の概 算要求を見ますと、4.2億円の調査実施予算が計上されているわけですけれども、これが若 干上積みされて執行できるような、そういう財政的な余地というのはあるんでしょうか、 どうなんでしょうか、そこら辺を厚労省の方に教えていただきたいんですが。 ○中島課長  今、斎藤委員からおっしゃられた来年度分については在宅ということで、4.2億という形 で概算要求をさせていただいています。それで、入所及び入院患者の調査について経緯を ご説明すると、私どもは今年度は在宅の障害者調査については研究費でやっていくと。そ れで、来年度、本格的な調査をしっかり予算を計上してやっていくということだった。そ れでご説明をしていたわけですが、総合福祉部会のご議論の中では、おいおいと、在宅だ けでは不十分なんじゃないかと、施設入所者、入院患者の方についての調査もやはりやる べきなのではないかというご指摘があった。  それで、私どもとしてはきちっとした形で予算要求をしていませんから、正直申し上げ て、財源はないわけでありますけれども、どうにかこうにか細々と工面をして、少しぐら いはこうした調査に充てられる経費が念出できるのかなという感じは持っておると。そう いう観点からは、果たしてどのような程度の調査というのを本部会としてお求めになって おられるのかということをまずは示していただいて、それと我々自身が予算要求をしてい ない中での、今の中でかき集められる予算というものと比較をして、できるか、できない かを決めていくことになるのかなということがまず1つです。  2つ目は、斎藤委員のほうからご指摘のあった来年度予算のこの中でできるのか、でき ないのかということについては、それは今後、概算要求でございますから、年末までにこ の調査というものをさらにこういうような形で組み替えてやっていくということについて は、年末までに可能かということでありますけれども、さらなる予算の上積みができるか どうかということについては、厳しい財政状況の中でございますから、そこについてはな かなか難しいものがあるのかなというのが私個人の感想でございます。 ○佐藤部会長  いかがでしょうか、竹端委員や山本委員、財政状況はそんなことだということで、余り はっきりしないわけですけれども、斎藤委員、どうぞ。 ○斎藤委員  今のご回答で全く余地はないということではないということですから、いろいろ工面し ていただけると方向があるのならば、この部会がどういう方向を示すかということにかか っていると思うので、必要であれば必要だということを厚労省にお示しするしかないんじ ゃないですか。 ○佐藤部会長  そうしたら、まだ、目的とか理念とか、そういう点が余りはっきりしないというふうに 言われていますけれども、そういうことも含めて集まって、自由に話合いをするというこ とで呼びかけさせていただきたいと思いますので、呼びかけられたら、ぜひ拒否しないで いただければありがたいなと思います。  河崎さん、それから、君塚さんの順番でお願いします。 ○河崎委員  日精協の河崎です。私は精神科病院の立場ですので、もし調査があるということになり ますと、まさしく私どもの医療機関に入院されている方たちに対して、調査が行われると いうことになるのだろうというふうに思います。それで、先ほどからの話の中で、もちろ ん、今回、こういう調査をどういう形でするのか、あるいはどれぐらいの規模で行うのか、 どういう調査内容になるのか、その前段階としての話合いがまず持たれるという認識をし ておりますので、先ほどからの委員の先生方の意見もございますし、その話合いをまず持 っていただくということが必要かなと思っています。  その話合いの中で発言すべきことだったのかもしれませんが、例えば精神科の病院もし くは社会復帰施設に入院・入所中の方たちに対しての大規模な調査というのは、平成15年 にニーズ調査が行われているわけです。ですので、やはりそういう先行調査をどういうふ うに利用していくのか。これはやはりある程度、学者の先生方の多分、お考えもそこに入 れながら、ご検討していただくところがあるのかなというふうに思っております。  それと、もう一点、今回、予算とか、そういう部分でいろいろと問題があるのだろうと いうふうには思っておりますが、より実のある実際的な地域移行のために何が必要なのか というようなことに関しては、先ほど厚労省のほうからも、いろんな現在の事業の説明が ございましたけれども、地域移行の事業とか、あるいは地域移行定着事業、これはいわゆ る昔の退院促進事業だろうと思いますが、この事業はかなり以前から蓄積があるんだろう というふうに思っております。  そういう実際の事例の中で、入院という形から地域移行するときに、どういうような問 題があって地域移行がスムーズに進まなかったのか、あるいはどういうことがクリアでき れば地域移行がうまくいくのかという、かなりこれまで個々のケースに関しての事例の蓄 積というのが私はあるんだろうというふうに思っております。その辺をより詳細に、実際 的な地域移行を実現するためには、これから何が必要なのかということの材料にしっかり 使って、それを分析していくというようなことも、非常に重要な今後の指標になり得るの ではないかなというふうに思っております。また、その辺もご検討願えればというふうに 思います。 ○佐藤部会長  君塚委員、お願いします。 ○君塚委員  私どもも社会的入所児の方たちを入れていますけれども、虐待児の場合、虐待を受けて いても親をかばうんですね、自分が悪かった、親は悪くないといいます。親権停止を受け ているような親御さんのところに外泊もさせられないという状況の中で、虐待関係の家族、 当事者というのはこの話合いには不適切と思います。そこで児童相談所あるいは乳児院の 関係の方たち、だれが適切かは分かりませんけれども、そういう方たちに話合いに加わっ てもらうと、よりよい(かな)と思います。 ○佐藤部会長  中原委員、お願いします。 ○中原委員  入所施設の実態調査ということのようですけれども、もともと、自立支援法の反省から 実態調査を新しい法律に反映させるということのようですけれども、実際、今後のスケジ ュールを見て、在宅者にしても実態調査をして、さらにそれを分析して、それを新しい法 律に反映させるというときに、タイムスケジュール的にそのようなことが実際に可能なん でしょうか。ちょっとその辺が疑問なんですけれども。 ○佐藤部会長  本当は、もっとゆっくり平成25年8月実施ということでないタイムスケジュールであれ ば、もうちょっとじっくりやれたんですけれども、来年8月までに骨格をつくるというこ とですので、恐らく来年度、予算が得られて、ある程度、きちんとした調査ができるとし ても、それは法律の骨格に生かすというよりは、もうちょっと下のレベルの政省令などで、 具体的な支援メニューをどうするかというふうなところに反映することになるのかなとい う感じがします。そういう制約の中でもできたら何か調査をして、新しい法律あるいは法 律の実施過程に生かすべきだという意見がかなり多くの人から出ていたので、やれるだけ のことはやりましょうということかと思います。ということで、また、9月の部会では話 合いの結果を報告することにしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  以上で本日の議論は終了したいと思います。  事務局より次回の部会について説明をお願いいたします。 ○東室長  担当室の東です。次回は9月21日、火曜日、第7回目となります。先ほど佐藤部会長か らお話がありましたけれども、分野のGとHとI、それの検討ということになります。場 所はここになります。それと、その次ですけれども、まだ、正式に決定はしておりません けれども、こちらの会場として確保できているのが10月26日、火曜日ということになりま すので、あけておいていただければと思っております。  以上です。 ○佐藤部会長  それでは、本日はこれで閉会といたします。ありがとうございました。  なお、座長打ち合わせ会なんですけれども、6時15分からということでお願いをしたい と思います。                                    (了) [障がい者制度改革推進会議総合福祉部会事務局]  厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課企画法令係  TEL 03−5253−1111(内線3022)  FAX 03−3502−0892