10/05/18 第2回障がい者制度改革推進会議総合福祉部会議事録       障がい者制度改革推進会議総合福祉部会(第2回)議事録  日  時:平成22年5月18日(火)13:00〜17:21  場  所:厚生労働省 低層棟2階講堂  出席委員:佐藤部会長、尾上副部会長、茨木副部会長、朝比奈委員、       荒井委員(代理出席)、伊澤委員、石橋委員、伊東委員、氏田委員、       大久保委員、大濱委員、岡部委員、小澤委員、小田島委員、小野委員、       柏女委員、河崎委員、川崎委員、門屋委員、北浦委員、北野委員、       君塚委員、倉田委員、駒村委員、近藤委員、斎藤委員、坂本委員、       佐野委員、清水委員、末光委員、竹端委員、田中(伸)委員、       田中(正)委員、中西委員、中原委員、奈良崎委員、西滝委員、野原委員、       橋本委員、東川委員、平野委員、広田委員、福井委員、藤井委員、       藤岡委員、増田委員、三浦委員、光増委員、宮田委員、森委員、山本委員 ※会議の模様は、YouTubeの厚生労働省動画チャンネルにて動画配信していますので、  併せてご確認ください。 (URL:http://www.youtube.com/watch?v=iqn4-JlwEdY) ○佐藤部会長  定刻になりましたので、ただ今から障がい者制度改革推進会議総合福祉部会を開会いたし ます。  部会長の佐藤でございます。  本日は、内閣府からは福島内閣府特命担当大臣が出席されております。  本日の会議は、報道関係者及び関係者の方に傍聴していただいております。ムービーカメ ラが会場全体を通して撮影可能な状態になっておりますので、カメラに写りたくないという 方がいらっしゃいましたら、挙手、もしくはほかの方法でお知らせいただきますようお願い いたします。  それでは、福島大臣よりご挨拶をお願いいたします。 ○福島大臣  どうも皆さん、こんにちは。福島瑞穂です。  総合福祉部会での熱心なご議論、本当にありがとうございます。また、非常にたくさんの 傍聴者の皆さん、またテレビを通して全国の皆さんがこの部会に注目していると思います。 どうかよろしくお願いします。精力的なご議論ありがとうございます。  ここ厚生労働省の体育館は、派遣村のときに1年以上前、ここに日比谷公園からみんなが 来た非常に思い出のある場所です。ここからまた歴史が始まったという思いがいたします。 だから、障害者の歴史が制度改革推進会議の下で、総合福祉部会がここからまた新しい歴史 が始まるという、そういう場所にこの厚生労働省の講堂がなればと強く思っております。  私は、障害者自立支援法が成立するときに、1万人以上の障害のある方が氷雨の中、国会 請願デモに来た日のことをとても覚えているんですね。すごくまじめな顔をした女性がつつ つと私のところにやってきて、「福島さん、あなたに託しているんだから、頑張ってくださ い。私の子供は障害者です」と言って、去って行かれました。でも、障害者自立支援法は成 立をしました。私はそのときショックでもありましたし、「あなたに託しているんだから頑 張って」と言われたのに成立してしまったという、物すごく申しわけないというか、厚生労 働委員会でショックでした。  しかし、その障害者自立支援法に反対した多くの多くの力、私たちのことを私たち抜きで 決めないでとみんなで手を合わせた結果、そして障害者権利条約の批准に向けて頑張ろうと みんなで手を合わせた結果、今日こういう形で、それに代わる総合福祉法をつくるというこ とにやっぱり結実したと思っております。日本の中での長い障害者の皆さんの運動と、それ を取り巻く皆さんと、その成果を、この障がい者総合福祉法をつくるということに結実をし っかりさせていきたいと思っております。障がい者総合福祉法をつくること、つくるまでの 過程で現状をどうしていくか、その2つについて、皆さんたちの本当にお力をおかりして、 日本の障害者施策を大きく前進をさせていきたいというふうに思っております。  私も障がい者制度改革推進本部の副本部長として、総理が本部長、そして官房長官と私が 副本部長、内閣挙げて、この総合福祉法をつくるために全力を挙げると決意を申し上げ、皆 さんへの心からの挨拶といたします。みんなで力を合わせて、いい法律をつくっていきまし ょう。よろしくお願いいたします。(拍手) ○佐藤部会長  どうもありがとうございました。ここで福島大臣におかれましては、公務が重なっており まして、退室いたします。 ○福島大臣  どうもすみません。あとちゃんと議事録とインターネットを見ますので、申しわけありま せん。また、よろしくお願いいたします。精力的なご議論をよろしくお願いいたします。              〔福島大臣退席〕 ○佐藤部会長  これ以降はスチールカメラの方は退室されます。ムービーカメラはそのままです。  委員の出欠状況と資料の確認について、事務局よりお願いいたします。 ○東室長  こんにちは、担当室の東です。  委員の出欠状況ですが、本日のご欠席の委員は、社会福祉法人全国盲ろう者協会評議員、 門川委員、毎日新聞論説委員、野沢委員、東京大学先端科学技術研究センター教授、福島委 員、大阪府立大学准教授、三田委員の4名の方です。また、全国知事会社会文教常任委員会 委員・奈良県知事、荒井委員の代理として、杉田奈良県健康福祉部長にご出席いただいてお ります。  出席委員は総数で51名ということになっております。  まだ到着されていない方が数名いらっしゃるかもしれませんけども、到着されるというふ うに伺っております。  続きまして、資料の確認をさせていただきたいと思います。  今日も結構分厚い資料がお手元にあるかと思いますが、まず議事次第というのが1枚もの であるかと思います。  次に、配席表が1枚であります。  それと、今回新たな資料として、委員から追加提出がございました意見書及び参考資料と して、資料の1から6を配っております。これは表題が「障がい者制度改革推進会議総合福 祉部会(第2回)」というふうに書いてあって、資料の1から6まで、表題とページ数が打 ってあるものが1冊あるかと思います。  次に、資料の7−1と7−2ということで、事務局のほうより「障害保健福祉施策の改革 に向けた進め方について(案)」というものを提出させていただいております。  さらに、議論の基礎資料として、従来、尾上副部会長のほうから求められておりました資 料として、参考資料の1から3について、1冊で配布させていただいております。  以上が今回提出された資料でありますが、第1回目に配布しました資料についても、今日 重ねて配布させていただいておりますので、ご確認のほどをよろしくお願いします。お手元 にありますでしょうか。なければ、何らかの方法でお知らせしていただければと思います。 ありがとうございます。 ○佐藤部会長  本日の会議は17時までを予定しております。当初16時までということでしたが、時間が1 人5分きちんとしゃべると、時間が足りなくなるということもありまして、若干延長させて いただいております。ただし、できれば余り長時間の会議にならないように議事の進行に協 力をいただければと思います。  なお、ご発言に際してのお願いですけれども、発言されたい方は挙手、またはその他の方 法でお知らせいただいた上で、指名を受けて、その後、名前を述べられてから、ご発言いた だきたいと考えております。発言は、時間がない中ではありますが、情報保障という観点か ら、なるべく簡潔にゆっくりとお願いしたいと考えております。  それでは、議事に入らせていただきます。  本日予定しております意見表明につきましては、予定時間内に行うことができるよう、簡 潔に、お一人当たり5分でお願いいたします。時間の管理上、ランプとブザーを用意してお ります。4分が経過し、残り1分になりますと、赤いランプがついて、ブザーが鳴ります。 発言者におきましては、議事の進行にご協力をお願いいたします。  まず、最初の休憩までに10名の方、お一人5分ずつの発表をお願いいたします。  まず、朝比奈さん、よろしくお願いします。  ルビなしの資料の1ページ、ルビつきの資料の1ページ、それから点字の資料では資料1 でございます。お願いします。 ○朝比奈委員  千葉県独自の総合相談事業で働いております朝比奈と申します。発言をさせていただきま す。  進行に協力をして、書いてあることを読めば分かると思いますので、今日はそれに追加し て何点か簡潔に申し上げたいと思います。  私が申し上げたいのは、1点、軽度障害者への支援です。この方たちは、多くの場合、手 帳をとらずに日常の生活を地域の中で送っていらっしゃいます。その中で、深刻な権利侵害 に直面をする場面も多くあります。今後、障がい者総合福祉法を含め、新しい制度改革の中 で、障害者の権利擁護機関の問題が議論されていくかと思いますけれども、権限を持って対 応していく機関の必要性は十分に感じておりますが、一方で、従前の制度の中でも、権限が なくても、まだまだできることというのがたくさんあるというふうに思います。粘り強く、 この方たちの生活を見守っていく、支援をしていく機関が必要です。そのためには、出来高 払いのシステムでは限界があって、ある程度の運営費補助が保障された体制の中で、障害者 の権利擁護の体制をしっかりとつくっていくことが必要だと思っております。それが1点で す。  2点目は、これから行われていく全国障害児・者実態調査について何点か意見を申し上げ たいと思います。これらの調査の中で、例えば療養型のベッドで生活をしている人たち、ホ ームレスの状態を余儀なくされている人たち、刑務所にいる人たち、それから引きこもって いて、社会参加ができずにいる人たち、こういう方々の状況をどれだけ取り上げていくこと ができるかということが一つのポイントになるかというふうに思います。親部会では、障害 のとらえ方を根っこから改めていこうという考えが提唱されています。この調査票の質問項 目自体が、この方たちに必要な社会的支援を提起していくことにつながっていくのではない かと思います。全数把握が無理でも、サンプル調査でも、少しでもこの方たちの状況を明ら かにできるような調査をお願いしたいと思います。  私からの意見は以上です。時間内に終わらせました。どうもありがとうございました。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  2番バッターとして、荒井知事の代理の杉田さん、よろしくお願いします。  ルビなし資料の今回新たに配布された資料の中の資料1のルビなしの1ページ、ルビあり の1ページです。点字の資料の1です。よろしくお願いします。 ○荒井委員(代理:杉田)  全国知事会から本来荒井奈良県知事が参るべきところでございますが、当初からちょっと 外せない公務が入っておりますので、代理で健康福祉部長の私、杉田が参りました。  資料に沿って説明します。  資料1番でございます。  まず、4つ丸を書いておりますが、今回の総合福祉部会に関する議論について、総合的な 所見でございます。  まず、1点目、総合福祉部会の役割でございますけれども、非常に大きな問題でございま すので、根本までさかのぼった骨太な議論を期待するということでございます。その中では、 今回、自立支援法の見直しというものもありますが、それと密接に関連する特別支援教育、 さらには心身障害者扶養保険制度など、様々な関連制度がございますので、それらも含めて、 骨太な議論をすると。その際には、やはり国・県・市町村の役割分担、こういったものも議 論に含めていただきたいということでございます。  2点目は、議論の進め方でございますけれども、衆知を決するという意味でも、部会の検 討対象を明確にした上で、論点整理をする、スケジュールを明確化するなど行いまして、皆 さんの意見が反映されるようにしていただきたいと思っております。  次に、3つ目、技術的なことではございますけれども、今示されているスケジュールは、 法制定まで3年ございます。その間でも、できることは可能な限り進めていくべきであると いう意見でございます。法改正を必要とするもの、政省令で政府限りでできるもの、予算措 置により見直しができるもの、これらを仕分けていただいて、一歩一歩進めるべきところは 進めていただきたいということでございます。  今回の審議につきましては、全国知事会長の麻生福岡県知事も非常に関心を寄せておりま す。この審議状況に応じまして、全都道府県の意見を集約して、積極的に提言してまいりた いと思っております。  以上、総論的なものを申し上げた上で、当面必要な対策について申し上げます。  まず、1番、障害者を支えるための相談支援体制の充実・強化でございます。自立支援法 の一部改正におきまして、市町村の基幹相談支援センターの設置が位置づけられておりまし たが、これらにつきましては、市町村の取組を実効あらしめるためには、やはりこういうも のが必要だろうと思います。また、自立支援協議会も設置は進んでいるんですけれども、財 政措置等不十分で、まだまだ改正の余地があろうかと思っております。  2点目、グループホーム・ケアホームでございます。地域に障害者の方が戻っていく上で、 このグループホーム・ケアホームというのが我々としては重要だと思いますが、この量的拡 大を図る上で、補助金の充実、これは単価の改善、採択箇所数の増加、ニーズからすると、 まだまだ不十分でございます。そのほか、施設に見合う補足給付見合いの補助制度、こうい ったものも考えていただきたいと思います。  3点目、地域生活支援事業につきまして、移動支援を含めて、前回も議論が出ておりまし たが、自治体の側からしますと、標準モデルの提示がされていない、あるいは十分な財源確 保が図られていないということで、どこまでやるべきかという標準水準というのがなかなか 分からないといった声を聞きます。これらについても対応していただきたいと思います。  また、4点目でございます。25年度の法改正までの間に、23年度で特別対策事業の終期が 参ります。この間、どうするのか。実際の事業所からしますと、この特別対策事業で実際に 運営しているところもございますので、ここら辺も明確にした上で、事業所の安心を得た上 で制度改正を進めていってはどうかと思います。  最後、5点目でございます。報酬の見直しでございます。障害者福祉につきましては、高 齢者福祉と同様、全体的に水準が不十分であるという声を多数聞きます。25年度までの間に おきましても改善していただきたいと思います。  項目としましては、そちらに書いてある項目でございます。自治体から非常に声の強いも のを挙げました。これらにつきましては、25年の法改正を待たず、予算措置、政省令改正で もできるものではないかと思いまして、当面必要な対策として提言したものでございます。  以上です。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  以降は、前の基本資料のほうに戻るかと思います。  それでは、伊澤さん、お願いします。  ルビなし資料の3ページ、ルビつきでは5ページ、点字資料2をご覧ください。 ○伊澤委員  全国の精神障害者の地域生活支援を担う者たちの集まりであります支援協議会あみの伊 澤と申します。よろしくお願いします。  今日は資料2として示させていただいた部分で5項目挙げておりますけれども、総合的な 内容ということで提示させていただいております。ただ、その中でとりわけ強調したいもの としまして、今回、意見メモということで取りまとめた資料が別冊の5ページのところにご ざいますので、それに基づきましてお話をさせていただこうというふうに思っております。  最初にお話ししたいのは、福祉サービスの現在の事業構成の中で、特に日中活動系に関し ましては、就労とか、働くことのトレーニングというのが非常に強調されていて、従来から ございました安心していられる居場所の機能が極めて不十分になってきていると、その機能 が地域から奪われてしまっているという、こういう傾向が否めないという中で、事業を再構 築していくために、居場所機能というものをしっかりと念頭に置かなければならないという ふうに思います。福祉サービス離れというものも多様に言われておりますけれども、その一 つの理由として、以前からあった雰囲気がですね、安心の居場所の雰囲気がなくなってしま った。だから、自分は事業に参加できないというような声も少なからずある中で、その辺は 見改めていく必要性があろうというふうに思います。  一方で、本格的に就労移行を進めていこうとするならば、これは雇用対策とのしっかりと した連結の下に進めなければなりませんけれども、必ずトレーニングを経れば勤められると いう、そういう流れに沿う、言うならば就職予備校なんていうふうにそこにちょっと書きま したけれども、そのような思いと、強い方向づけを持った事業の構成というものも必要なの ではないかなというふうに思っております。  それと、事業費の算定に関しましては、何人通ったとか、どれほどの利用率なのかという、 この辺が評価尺度になっておりますけれども、精神分野のことだけで申し上げますと、大体 6割ぐらいの方たちの通所にとどまっているというのが現状でございまして、これはやっぱ り精神障害の方々が持っている揺らぎ、可変性、そういうものが非常に大きく影響している かと思います。ですから、効率面だけで事業費を算定していくような今の形は、極めて実態 から遊離しているというような現状がございますので、ここはしっかり改めてほしいという ふうに思っております。  事業を長らえていくということは、地域福祉を進めていく観点からも大事ですし、当然、 共生社会を追及していくという大きな指標に基づいて動いていくときにも、やはり地域生活 拠点をしっかりとしたものにしていくというところはゆるがせにできない。そういう意味で は、事業がしっかり立ち続けているというような条件整備を、今申し上げた点から進めてい ただきたいというふうに強く思っております。  福祉サービスの2点目に関しましては、住まいの問題に関することですが、グループホー ム・ケアホームを増設していく、この方向性はまず間違いないことだというふうに思ってお りますが、ただ給付額が非常に低廉な水準でとどまっておりまして、現場のスタッフ体制が 十分にしけません。夜間の体制をしこうと思っても、なかなか無理がある。そういう意味で は、複数の人員配置が可能になるような、やはり事業費の水準をしっかりと改めてほしいな というふうに思っております。  現状では、これは私が見えている部分だけではありますけれども、結局、非常に事業費が 低い中で十分な体制がしけませんから、ですから、そういう体制でやれそうな人たち、無難 に過ごせそうな人たちを選別して、グループホームにいざなっているというような、そうい うような傾向があって、本当に必要な人たちのニーズが満たされているかというと、それは 非常に疑問に感じたりもしております。  その関連でちょっと防火対策の強化についての動きが出ておりまして、ここ数年来の動き ですけれども、消防法とか、あと建築基準法の関係でも、福祉施設としての用途変更が行わ れてきている。非常に高い、あるいは強固な施設整備を求められてきておりまして、それを 超えていきながら運営を継続させていくという辺りが非常に難しさを帯びている。新設して いくとなると、そこでは非常に大きな高いハードルがあるということとともに、結局、特別 な設備を整備しなければ、町なかでの暮らしができない人たちなんだという、そういういわ ゆる国民の目線が非常に気にもかかります。ですので、その辺、後ほどグループホーム学会 の方もご発言があると思いますが、視点を改めていく。障害を持った方たちのまちでの暮ら しというのはどういうふうな場面提供が必要なんだろうかというところを、もっと深く精査 していくような、そういうふうな営みが必要だろうというふうに思っております。  あと、もろもろございますけれども、読んでいただいてということで、もう一つ、財政配 分の問題なんですけど、現行の精神保健医療福祉の全体の総予算が1兆9,300億円で、その うちの97%が実は精神科の医療に使われているということ。そのうちの多くが入院医療に使 われているという、この非常に不公正な財政配分の中で、地域活動を活性化させようという 議論は立ち上がってはきているのですが、なかなかそれが実態を伴っていないというところ が非常に大きな問題かというふうに思っております。地域移行を推し進めていこうというふ うにしても、たった16億円のいわゆる特別対策のような形の経費の計上にしかなっていない という辺りは非常に手弱いということですね、その辺りを強くしていくということがとても 大事じゃないかなというふうに思っております。  以上です。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  続きまして、伊東さん、よろしくお願いします。  ルビなし資料の15ページ、ルビつきでは17ページ、点字資料4です。 ○伊東委員  NPO法人日本アビリティーズ協会会長の伊東弘泰です。  私どもの団体は、1966年に始まりまして、ことしで45年になります。さまざまな障害のあ る方々、身体だけでなく知的障害の人も、高齢者や脳卒中になられた方、子どもまで幅広く 参加している団体として、地域における自立生活と社会参加の推進を目標にやってまいりま した。  前回の会議で、いろいろな方々からたくさんのご意見、ご提案を聞いていて、私は非常に 悲痛な思いを持った次第です。これだけ多くの、700〜800万の障害のある人がいるのに、こ れほど基本的な生活や人権が守られていない国が現在あるのかと私はつくづく感じました。 このような国にいつまでもしておくことのないよう、先ほど大臣から話しがあったように、 新しい政権に期待をかけ、総合福祉対策を確立していただきたいと思います。  しかしながら、前回の場合もそうですが、いろいろな角度からいろいろな意見があり、そ れは多岐にわたっています。当面の総合福祉対策ができる間、これをどう整理し、どう立ち 上げていくのか、いけるのか、大変心配をしております。国民の多くの悲痛な叫びをどうか 無駄にしないで、成立させていただきたいと思います。下手をすると石の地蔵さんにお願い ごとをたくさん書いた札を貼って終わりになるのではないか、という心配もありますが、そ ういうことがないよう、どうぞよろしくお願いします。  細かいことは別にして、この部会の目的である当面の対策について、大事なことは、小路 に入る前に大道を整備すべきことだと思い、私どもは6点を提案いたします。  第1に、障害者差別禁止法を早期に制定すること。この根本ができていないところに、問 題の要因があります。結果として、障害のある人がいろいろな差別を負っている、という現 実となっています。したがって、アメリカのADA法にならった、日本においても障害のあ る人の人権、生活権、生存権を守る法律をこそ、まず立ち上げることが大事だと考えます。  第2に、国連の障害者権利条約の早期批准です。外務大臣が国連で署名をしていながら、 批准に積極的に取り組まない、また、国内法の整備もいい加減にしようとした前政権のこと を考えると、今度の政権はこれに真剣に取り組むのかと。その行動をできるだけ早く示して いただきたい。  第3に、「障害」の定義、種別、範囲についての改革です。今まで対象外とされている多 くの障害のある国民について対応するためには、障害の範囲を明確にし、追加し、自立と社 会参加のための支援対策を確立することが必要です。  第4に、特別支援教育を見直し、障害のある人が真に自立と社会参加をできるよう改革す ることです。障害児教育の基本が改革されていない中、今、この根本を正すことが大変大事 だと思っております。  第5に、障害者の雇用・就労についての本格的な対策への取り組みです。ペナルティを払 えば、結果として障害者を雇わなくていい、という今の障害者雇用促進法の実態を軌道修正 するべきです。  第6に、最終的には福祉政策として、所得保障と住宅政策を充実させることです。先進国 の障害者対策でこの2つが欠けているのは、おそらく日本だけだと思います。私はこの6点 を提案するとともに、小路をつくる前にまず、大道を整備することを進めていただくことを 切にお願い致します。  以上です。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  続きまして、副部会長の茨木さん、お願いします。  ルビなし資料の17ページ、ルビつき19ページ、点字資料5です。よろしくお願いします。 ○茨木副部会長  明治学院大学の茨木と申します。  部会長から副部会長は二、三分で終われと言われていますので、なるべく簡潔にお話しし たいと思います。  そこに書いてありますように、当面の緊急課題ということなんですが、やはり新たな障が い者総合福祉法に向けて、準備段階として今進められることは何かというロードマップ、道 筋をきちんとつけることが大事だと思っています。いろいろ福祉法に盛り込むべきことはあ ると思うのですが、大きく5つ、新しい福祉法ではポイントがあると私は考えています。  1つ目は、法の目的です。これは能力とか、障害の程度によらず、障害のある人が障害の ない人と同様に地域で当たり前に暮らすということをきちんと権利として認めるような方 向で、そのための支援ということを目的にすべきと考えます。権利とするならば、応益とい うことには決してならないと思いますので、そのことを法の目的にどう位置づけるかという ことが一つポイントになるのかなと思っています。  それから、2つ目ですが、法の対象、これは皆さんずっと言っていることですが、制度の 谷間やはざまをつくらない、発達障害や難病、慢性疾患、高次脳機能障害の方たちなど、今 まで制度に結びつきづらかった人たちがいかにサービスにきちんと結びついていくかとい うことを法の対象として含むということが大事だろうと思います。そのとき、対象を列挙す るという形だと、必ずまたそこにはざまの人たちが生まれてしまうので、その辺り、法律と してどういうふうに対象規定をするかということは、きっとこの部会の中で時間をかけて議 論していくことが大事かなと思っています。  それから、3つ目ですが、利用決定の仕組み、これをどういうふうに生活中心とした支援 に適した利用決定の仕組みに持っていけるかということが重要になってくると思います。そ のとき、障害程度区分といったものをどう見直していくか、これも重要な課題になっていく と思います。  4つ目として、サービス体系の在り方を一人一人の生活支援を基に再構成するということ が大事になってくると思います。オーダーメードの一人の生活に合った仕組みにいかに変え ていけるか。身障の人は個別給付、知的の人はこれしか使えないということではなくて、ニ ーズに応じて使えるような仕組みにいかに組みかえていけるかということが重要だろうと 思います。  それから、5つ目ですが、地域生活を基盤とした仕組みにするために、入所施設、または 長期入院の在り方を抜本的にどう変えていけることを法律に盛り込めるかということが重 要になってくると思っています。  この5つがゴールの目的だと思うのですが、それに向けて当面、今、何をしていくかとい うことですが、現状分析、実態調査を行うということを厚労省が提案しているわけですが、 そのことをいかに新しい法律の目的に向けて実態調査ができるかということと、それから試 行事業ですね、一足飛びに新しい法律にするということではなくて、例えば支給決定の仕組 みを支給程度区分を設けないでやるとしたら、どんな仕組みでやると利用者が使いやすく、 しかも公平な仕組みができるかということを、モデル事業でやって評価して、そしてそれを 法律につなげていく。地域移行もそうですけれども、どういう形でプログラミングしたら、 地域移行がうまくいくかということを試行事業でやっていく。どこの国でも、モデル事業と いうことを新しい法律をつくるときに必ずプログラムしています。そういったものができる ような予算措置の仕組みをぜひとっていただきたいなと思っています。  以上です。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  続きまして、岡部さん、お願いします。  ルビなし資料37ページ、ルビつき47ページ、点字資料9です。 ○岡部委員  早稲田大学の岡部です。  前回の野沢さんの呼びかけにもこたえて、また手話通訳のこともありますので、なるべく 分かりやすい言葉でゆっくりと言いたいと思います。詳しいことは意見書に書いたことを読 んでください。  まず、私が当面必要な対策ということについて言いたいことを大きくまとめると4つにな ります。  1つ目ですが、1つ目に言いたいことは、できることはみんなで協力して、すぐやらなく てはいけないんじゃないかということです。みんなで協力してすぐやる、そのためにこの総 合福祉部会を早く始めたんだというふうに思います。したがって、意見は既に意見書を出し ているわけです。また、部会長、副部会長が中心となって、だから事務局はその手足となっ て、当面必要な対策ということだったらば、その案をつくって、6月の部会でぜひ決めてほ しいなと思います。それが私たちの役目ではないでしょうか。そして、改革推進本部、つま り鳩山首相は、決めたことを厚生労働省と財務省に命令して、きちんと実行させてほしいと いうふうに思います。それが推進本部の役目だと思います。それぞれの役目を果たしましょ う。  それから、2番目ですが、ただし、すぐやることの順番、優先順位ということははっきり していると思います。このことも忘れてはいけないと私は思います。それが2つ目に言いた いことです。当たり前のことですが、約束は守らなくてはいけません。だから、当面必要な 対策として、真っ先にしなくてはならないのは、訴訟原告団と和解、すなわち訴訟をやめる ことですね。そのときに、厚生労働大臣がした約束、合意文書に関することだと思います。  3つ目、そうすると、つまり約束を守るということは4つになると思います。1つは、自 己負担のことです。障害の範囲のことです。3番目に地域の自立生活のことです。それから、 4番目にサービスの利用保障のことです。この4つに関することを真っ先にやらなくてはい けないというふうに思います。  まず、自己負担についてですが、自立支援医療や市町村生活支援事業だけ差別しないで、 ちゃんと個別給付と同じように同じ基準で、所得の低い人に対する自己負担を減らさなくて はいけないというふうに思います。  次に、障害の範囲ですが、サービスが必要という医者の診断書があれば、手帳がなくても、 サービスの申請ができるようにすればいい、そうすれば当面必要な対策になると思います。  次に、地域での自立生活についてですが、その人が地域で自立して暮らすためには、この サービスが必要だというように審査会が認めれば、重度訪問介護などを法律で決められた障 害の種別でなくても支給決定できるようにすればいい。そうすれば、当面必要な対策になる というふうに思います。  最後に、サービスの利用保障についてですが、地域福祉サービスも義務的経費にする。つ まり国が必ず5割を負担すると言ったのだから、これは国庫負担基準による制限をしたこと が、そもそも自立支援法が約束違反だったわけですから、したがって、サービスに使ったお 金の5割は必ず国が負担するということにしなくてはいけないと思います。  それで、ここで大事なことは、こういったことは厚生労働省が頭を絞っていただいて、財 務省がお金を出せば、法律を変えなくても、すぐにできることではないかということです。  そして、最後、4番目になります。4番目ですが、だからなんですけれども、法律、すな わち障害者自立支援法を変える、改正するということに、これは小田島さんの言葉をかりれ ば、根っこのことはちゃんとやってからでいいんじゃないかと、そのほうがいいのではない かということです。皆さんに考えていただきたいのは、何のために推進会議をつくり、何の ためにこの部会をつくったのかということです。地域生活の在り方検討委員会の失敗を繰り 返しては駄目だと思います。繰り返しますが、厚生労働省は頭を絞り、財務省がお金を出せ ば、法律を変えなくても、当面必要な対策はできると思います。法律を出すとか、つぶすと か、そんなことで、もう障害者の制度を政治の道具にするのはやめてほしいと多分多くの障 害当事者やその支援者は思っているのではないかというふうに思います。  あと、最後に地域主権改革のことについて少し。国庫負担金は、国が自治体の政策を誘導 しようとして出すひもつき補助金とは性格が違うと思います。障害は、その人の中にあるの ではなく、社会との間、関係の中でつくられるという権利条約、そして社会モデルの考え方 にも従うならば、一人一人のサービスの費用を国のみんなできちんと負担するという公的責 任、すなわち公的責任を放棄する、投げ出すということはあってはならないというふうに考 えます。  これで終わります。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  続きまして、小澤さん。  ルビなし資料の39ページ、ルビつき49ページ、点字では資料10です。 ○小澤委員  東洋大学の小澤です。  もういろいろな委員の皆様が指摘していることが多いので、私は余り指摘されなかったこ とを中心に申し上げようというふうに思いました。  まず、1点目なんですけれども、障害者自立支援法という名称はいいんですけれども、や っぱり自立支援というのは何かというのは、多分この法律ではとても読み取れない。特段、 条文の中に「その有する能力及び適性に応じた」、これはたまたま第1条を書きましたけれ ども、2条も3条もありまして、随分こだわっているなと。これに関しましては削除してい ただいて、やっぱり自立の理念をちゃんと書いてくださいと、これが1点目のお願いです。  次の2点目なんですけれども、虐待防止法及び差別禁止の議論は非常に大いにやっていた だきたいんですけれども、実は当面当座という話で言えば、自立支援法の第2条にも、その ようなことは記載されているんですけれども、ほとんど空文化しておりまして、これをもう ちょっとちゃんとできるように、当面当座やっぱり虐待防止のための連携拠点、相談窓口、 市町村の責務と、この辺りをはっきりとさせておくということです。  それから、3点目でございますが、これ以下は、実は相談という問題をやっぱりちょっと 取り上げたかったんですね。基本的には、地域でやっぱり様々な方の相談にきっちり取り組 んでいくと。これが必ずしもサービスに結びつくか否かというのはちょっと別の話だと思っ ているんです。つまり地域の中でなかなか各種障害者団体に入られていない方々とか、実際 に家族と同居されている方がたくさんいらっしゃって、この方々の本当のニーズを吸い上げ 対応していかなきゃいけない。ここには相当な投資をお願いしたいと。これは私からの一番 言いたいことです。  細かい業務規定や、その他いろいろと、これは細かい話なので、検討していただけたらと 思うのですが、やっぱり拠点とか、基幹型の相談支援とか、議論はありますけれども、そう いったことをやっぱりきっちりとやっていただきたいということと、もう一つは、やっぱり 地域生活支援事業ということの在り方が非常に問題が生み出されたかなと。要するに国の責 務にしても、あるいは都道府県の責務にしても、基本的には市町村にお任せではなくて、き っちりと国庫補助その他用意して、基盤は整備するというふうにしてほしいと思います。  それから、相談に関して言えば、他の領域でもたくさんの相談の機関が設置されておりま すので、この辺りが当然ですが、地域を支えるという点で連携ネットワーク、場合によって は共通のシステムということで、自立支援協議会という話になっていくかと思うのですが、 その意味では、自立支援協議会は、市町村の裁量、都道県の裁量ではなくて、ちゃんと法律 に明記して、基盤を整備してほしいというふうに思います。  4点目、障害者の範囲に関しましては、既に指摘された委員の方々と同意見なんですが、 暫定的な話としては、とりあえずは対象拡大せざるを得ないかなと、暫定です。本当の在り 方としては、まさに支援区分とか、ニーズアセスメントとか、そもそも病名とか、障害名と か、一切関係なく、必要性は何かと、こういう問題に取り組まなきゃいけないのですが、こ れはかなり時間がかかるだろうというふうに思われますので、暫定的ということで一応書い ておきました。  それから、5点目なんですけれども、地域移行、退院促進ということで、これも非常に言 われているんですけれども、根本的には、これを促進するための強制的な流れがなかなか生 まれにくいということです。一つは、やっぱり基盤の整備ですね、グループホーム、ケアホ ーム、あるいは居住サポート事業、こういったものをいかにたくさん備えるか、私はこの問 題に尽きてきているんじゃないかと思っているんですね。その辺りをぜひお願いしたいとい うふうに思っております。  それから、6点目、就労の問題なんですが、これは権利条約との整合性でいいますと、就 労継続支援事業B型というのが非常にあいまいなまま放置されていると。この辺りはきっち りですね、そもそも働くということとか、労働者性とか、こういった問題をきっちり明記し て、整理していただきたい。今後、実態調査が行われるということですから、こういった問 題もきっちりと整理していただきたいというふうに思っております。  あと、利用者負担、その他というところですが、その他のところをちょっと1点だけ触れ ます。自立支援協議会の法定化に伴って、業務内容をきっちりとしてほしいと思っておりま す。都道府県、市町村、自立支援協議会絡みでいろいろなところにお伺いしますが、非常に あいまいなので、よくやっているところと、そうでないところの質的な差です。私は、量的 な差が大きい大きいというふうに調査では出てくるんでしょうけど、質的な差が相当でかい という印象があります。したがって、その辺りもぜひ自立支援協議会の在り方をめぐって、 きっちり整理してほしいというふうに思っております。  以上で私のほうの発表は終わります。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  続きまして、小野さん、お願いします。  ルビなし資料の47ページ、ルビつき57ページ、点字資料12番目です。 ○小野委員  きょうされんの小野と申します。  まず、総合福祉法について、基本視点と課題を6点挙げさせていただきました。そのうち 特に強調したい点は2つです。  1つは、先ほどから出ています訴訟の基本合意を基調にすること。そもそも総合福祉法制 定のきっかけは、自立支援法の廃止です。この自立支援法の問題点、それを政府自らが認め、 反省をし、訴訟団と新法の制定を約束した、合意した、これがやはり今回の総合福祉法を検 討していく上での出発点になるかと思います。  2つ目に、先ほどから出ています障害者権利条約を基調にする。特に障害の定義、範囲、 障害のない人との平等というのもありますが、条文の中で非常に重要だなと思うのは、だれ とどこで暮らすかを選択する権利、あるいは職業選択の自由と労働によって生計を立てる権 利、そういった人が人間として生きていく上で個別に有する権利を具体的に提起していま す。そこからこの総合福祉法の在り方を検討していくべきだと思います。  それから、当面の対応策のところで2つ目に応益負担の問題、完全撤廃という点を挙げさ せていただきました。自立支援医療がまだ解決をしていないというところもありますが、実 は課税世帯の中にも救済をしなければならない人たちがまだまだ多く残されています。例え ば私の事業所は45人の障害のある人たちが働いています。そのうちの1人が高次脳機能障害 で、昨年まで一般企業で働いていて、年度途中に通所を始めました。彼は、収入はありませ んが、3万7,200円の上限です。つまり2万円の工賃を今払っていますが、丸々負担になる、 あるいは私の法人で中途障害のほとんどの人は配偶者の収入がカウントされ、課税世帯にな る。  もう一つおかしな点は、昨年、一般就労に頑張っていたある人が、うちの法人の就労移行 に昨年戻りました。その段階では、上限9,300円でした。彼はこの4月に私の法人のグルー プホームに入居しました。その入居と同時に、負担上限が3万7,200円になりました。これ は個別減免が優先されるという仕組みだからですね。こういったそもそもの自立支援法の矛 盾が、応益負担をめぐる問題は今なお残っていますので、早期に速やかに完全撤廃に向けて 動くべきだと思います。  それから、当面の対応のところでは、幾つかその後、挙げさせていただきましたが、最後 の点、小規模作業所問題について述べさせていただきます。厚労省の資料では、全国の小規 模作業所のうち68%が事業体系を移行したというグラフが課長会議等で配られています、公 表されています。けれども、そのうちの38%、約40%弱は、地域活動支援センターです。し かも、その多くは地方です。埼玉、東京、神奈川、大阪、兵庫などは、まだ小規模作業所で 継続しているところが多く残されています。ほとんど地域活動支援センターに移ったのは地 方です。しかも、県の小規模作業所の補助金制度が廃止され、60%の道県で廃止をされ、地 活に移りました。この結果、市町村格差がさらに広がっています。こういった問題について も、当面の対応策として、手だてをとる必要があると思います。  以上です。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  続きまして、柏女さん、お願いします。  ルビなし55ページ、ルビつきでは65ページ、点字では資料14です。 ○柏女委員  淑徳大学の柏女と申します。  今、佐藤座長のご指示いただいたものに加えて、参考資料の25ページを併せて参考にして いただければと思います。  私のほうで提案することは、そこのテーマにあります1点に尽きます。障害児支援の見直 しを早急に進めるべきであるということです。子供家庭福祉、保育が今大きく変わろうとし ています。子供・子育ての新システムの検討がこの障害者制度改革の検討と同時に進められ ておりまして、仄聞するところによりますと、来年の通常国会にも、子供や保育関係の制度 改革についての法案を出すということになっています。ところが、障害の見直しにつきまし ては、今日配布されている資料7−1にございますように、現時点では、平成24年、つまり 再来年の通常国会への法案提出ということが目指されております。つまり現時点で1年のタ イムラグが生じることになっています。  この子供・子育ての改革では、財源や実施体制について一元化を図るという提案が今のと ころなされております。4月27日にこのシステム検討会議の中で、素案、基本的方向が示さ れておりまして、保育や、あるいは子育て支援関係の制度の構築の提案がなされております が、その中に障害児という言葉は一言も入っておりません。このままでは、障害関係の政策 が、今の一般施策である子供・子育て分野から大きく抜け落ちてしまうという危険を、危惧 を感じております。障害児施策が健常児の施策と分断されてしまう、そのことが恒久化され てしまうことがとても懸念されております。  そんなことも考えますと、緊急に障害児支援の見直しを、制度改正を、一般施策の子供施 策の中に盛り込んでいくべきだというふうに思っています。幸いこの障害児分野につきまし ては、2009年と書いてありますが、誤植です、2008年3月から開始された「障害児支援の見 直しに関する検討会」で、11回にわたる当事者を含む真剣な議論で、現時点で合意できる報 告書を提言しております。その報告書の中では、障害児について、なるべく一般施策との連 携により、対応していくという考え方からは、各施設や事業の根拠を児童福祉法に位置づけ ることを基本とすべきというふうに提言をしております。それを考えますと、来年に大きな 児童福祉法の改正が行われるということを考えますと、早急に障害児分野について、子供一 般施策の中で対応すべきではないか、そうした提言をこの総合福祉部会の中から緊急に行っ ていくことがとても大切なのではないかというふうに感じています。  そこに書かせていただきました、子供に普遍的に適用されるサービスは障害児にも適用し ていくことが必要だと思いますし、障害の固有性に着目したサービスは障害児にも適用して いく、こうしたことが大事になってくるのではないかと思います。この検討会では、そこに ございますように、2番のところですけれども、(1)、(2)、(3)、(4)、その他様々な提言を行っ ております。詳細は、資料の25ページに書かせていただいておりますので、ぜひこの障害分 野の障害児支援の見直しというものを緊急に進めていくことが大切だというふうに思って おります。  私からは以上でございます。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  休憩前の最後になりますけれども、河崎さん、よろしくお願いします。  ルビなしの資料の57ページ、ルビつきでは69ページ、点字では資料15です。 ○河崎委員  日本精神科病院協会の河崎と申します。  今回、この障がい者制度改革推進会議の総合福祉部会、多分私が唯一医療提供者の立場で 参画させていただいているというふうに思っております。まず、そのことを感謝申し上げた いということでございます。  今回、障がい者総合福祉法制定までの間において当面必要な対策についてということで、 事務局のほうから意見をというふうにご指示を受けました。私ども日精協は、これまでも障 害者自立支援法の問題点、あるいは見直しに向かってのいろいろな要望ということをしてま いりましたが、今回、その中から当面の課題として必要と思われるものについて、4項目挙 げさせていただきました。  まず、1つ目がサービス体系の在り方の見直しということでございます。これまでも精神 障害者の方たちの福祉の立ち遅れ、これはずっと指摘されてきたところだろうと思います。 障害者自立支援法が成立をし、三障害共通の枠組みということでなりましたが、まだまだ抜 本的な立ち遅れ対策というものは提供されているというふうには思えません。特に精神障害 者の方たちの社会参加ということに関しましてはもちろんのこと、就労を含む経済的、社会 的な自立というのは重要な目標であるというふうには思っておりますが、精神障害者の方が その障害を受容し、様々な支援を受けつつ、地域で安心した生活を送るということも、それ にまさるとも劣らない社会参加であるというふうに考えております。  その意味で、今回の自立支援法の中での経済的な社会的自立へのステップアップというも のを基準とする、いわば成果主義というような導入は、障害者福祉サービス体系の構築には なじまないというふうに考えております。ですから、支援者の方たちと相談して、サービス を安心して自己決定できる環境を障害者福祉制度は提供すべきであるということをまず主 張したいというふうに思っております。  サービスの体系の中でもう1点、これは精神障害者の方たちには、知的、身体の方たちの ような障害者支援施設への移行対象となるような生活施設はこれまで整備されてきません でした。もちろんのこと、24時間、十分な医療及び福祉サービスを提供し、地域の中で生活 できる体制を構築するということが、最終的な目標であろうということは十分に認識してお りますが、現在でも重い生活障害等の方たちが地域移行にスムーズにいかないというような 精神障害者の方たちのためには、過渡的にもですね、24時間支援体制の整った生活訓練の施 設の整備が必要である。このことが病床の削減等とも関係しながら、現実的な施策として、 精神障害者福祉施策が進むための重要な一過渡期ではないかというふうに思っております。  それと、サービスの移行、新しい体制への移行に関してでございますが、このことも皆様 方ご存じのように、5年間の経過措置の中で、新しい体系に移行しなければならないという ことになっております。精神障害者の社会復帰施設等も例外ではございません。しかしなが ら、現在まだ30%程度しか移行が進んでいないという現状の中から考えますと、障がい者総 合福祉法が施行されるまでの間、それまでの間、経過措置を延長するということが現実的な 施策ではないかというふうに思っております。  次に、ケアマネジメント体制の確立についてでございますが、これに関しましても、現状 のケアマネジメントの制度化は十分に成功しているとは言えません。ですので、今後、医療 と福祉の総合的なサービスの利用が、精神障害者の方たちにとっては重要でございますの で、ぜひ身近にそういう利用者の状態に精通した精神保健福祉士、あるいは看護職等の専門 職が関わることで、十分なケアマネジメントが遂行できるのではないかということも提案し たいというふうに思っております。  最後、これを一つお願い申し上げたいと思っております。地域生活が成り立つための経済 支援対策ということでございます。障害をお持ちの方が、病院あるいは施設から地域生活へ 移行するためには、まず地域生活が経済的に成り立つことが必要です。精神障害者の方たち にとって十分そういう状況が整備されているのかという観点から見ますと、十分ではござい ません。  一つは、福祉サービス費とともに自立支援医療費の自己負担、これは非常に負担感がお強 いというふうな声をよく聞かせていただいております。それと、障害福祉サービスについて の応能負担は、当然のことではございますが、負担額の算定を世帯単位から個人単位にする ということもぜひ実現していただきたい。  それと、もう1点、精神障害者の方たちの交通費の優遇措置の問題でございます。これは 知的あるいは身体の障害者の方に比べて、著しく遅れているというふうに思っております。 国土交通省の、そこにも書いておりますが、約款の中には、精神障害者が運賃割引届出対象 者から外れております。このことは、この障がい者制度改革推進会議、あるいはその上の本 部は、全ての国務大臣が委員として入っていられます。ぜひすぐにでもやろうと思えば、で きる内容だろうというふうに思っております。ぜひ親会議としての推進会議でも、これを取 り上げていっていただきたいとういうことでございます。  時間が少しオーバーしてしまいました。申しわけございません。  以上でございます。あとはお読みください。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  たくさんいろいろな意見が出されているわけですけれども、これらの意見をどうやってま とめるのか、当面の対策として、どうやって整理をするのかというご意見もありました。今 日の会議の終わりのほうで、資料7に基づいて、当面の課題のまとめ方というふうな議論の 時間もありますので、そこでもまたご意見をいただければと思います。  それでは、今、ちょうど私の時計で2時1分ですので、2時15分まで休憩をして、その後、 15名の方の発言を続けてまいりたいと思います。              〔休憩 14時01分〕              〔再開 14時15分〕 ○佐藤部会長  それでは、再開したいと思います。  次は15名の委員の方に発表していただきます。順調にいけば、3時半で次の休憩になりま す。  それでは、門屋さん、よろしくお願いします。  ルビなし資料で63ページ、ルビつきで75ページ、点字では17番目の資料です。 ○門屋委員  日本相談支援専門員協会の門屋でございます。  私は、今回の動きについて、大変期待をしている一人であります。地域で暮らすというこ とを中心とした障害児者が安心して暮らすことのできる社会の構築というのは、今、まだ道 半ばなわけです。障害者制度の推進会議の中で、新制度の議論が推進されておりますけれど も、この議論が新たな制度をですね、日本におけるノーマライゼーション社会を構築する、 こういうことに寄与するということに大変期待をしている一人であります。  私どもの会は、昨年できたばかりの会でして、相談体制については、多くの委員、55名の 委員の先生方の中に書いていただいているように、相談ということがいかにこれから地域生 活を送る上で重要であるかということを認識しているものであります。しかし、会ができて、 どのような相談体制が一番望ましいかということについては、今まだ検討中でありまして、 こういう相談支援体制があるべきであるということをいまだ出せない状況にあります。それ を私どもは今検討中であることをお含みいただき、発言を進めたいと思います。  私どもは、現在の相談体制が新しい新制度の下で役に立つためには、人材育成、相談支援 専門員、あるいは障害者のケアマネジャー、この人材育成を、当事者の参加も含めたピアカ ウンセラーとか、ピアサポーターとか、あるいは米国におきましては、ピアスペシャリスト という州ごとに制度化されているものも含めて、それらを学んで、人材の育成が急務である というふうに思っています。しかし、どの地域においても、すぐに相談ができるという安心 の体制をつくること、その体制づくりがこれから二、三年の間に早急に取り組まなければい けないというふうに考えています。  私どもの相談支援専門員協会は、随分長くなりますけれども、日本の相談支援専門、ケア マネジャーの養成は10年を超えています。しかし、障害者のケアマネジャーの養成がこれだ け続いていても、実は定着をしていないという、ここのところに大変憂いを持って感じてい ます。安心して相談を受けることができない、あるいは相談することができない、親亡き後 にもだれがこの人の相談のかなめになっていくのか、こういったことを多くの方々が発言し ながら、しかし何年も実はその体制ができないままに来てしまっている。このことをどのよ うな状況になろうとも、ぜひ人づくりをしていただくこと、その人が安心して働ける体制を どんな田舎にでもつくっていただくこと、このことをぜひ準備としてもお願いしたいなとい うふうに思っています。  制度についての様々な多岐にわたる意見については、私どもも相談を受けながら、たくさ ん矛盾を感じておりますから、それについて発言することも考えましたが、それはむしろ皆 さんからいろいろな形で出ております。私どもは相談ということに特化して、ご意見を申し 上げることで、この経過を、ぜひ私どもの意見を取り入れていただいて、相談体制をつくっ ていただくことを望んで、簡単ではありますけれども、終わりにいたします。ありがとうご ざいました。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  続きまして、北野さん、よろしくお願いします。  ルビなし資料では75ページ、ルビつきで97ページ、点字では資料20です。よろしくお願い します。 ○北野委員  北野です。よろしくお願いいたします。  私のほうは、当面というのは、今年度のという理解の下で幾つか話をさせてもらおうと思 っています。  一つは、この会議の審議内容なんですけれど、これは当然のことでありますけれども、障 がい者制度改革推進会議と、それから訴訟原告団、それから弁護団と厚生労働省との基本合 意文書を前提に踏まえて、この部会が行われることが必要であるというふうに思います。基 本合意文書の3の6でありますけれども、このように明確に合意されておられます。どんな に重い障害を持っていても障害者が安心して暮らせる支給量を保障し、個々の支援の必要性 に即した決定がなされると、そのことのために国庫負担基準制度であるとか、障害程度区分 の廃止を含めた抜本的な検討をすると、明確に廃止ということが入っておりますので、そこ で私のほうは、今年度の調査研究なり、我々研究者としては、幾つか提起したいと思ってい ます。  一つは、サービス支給決定方式を根本的に変えるときに、障害程度区分を廃止して、どの ような仕組みをつくっていくのかにつきましては、安易で拙速な障害支援区分の見直し等は やめたいというふうに思っています。まずは障害当事者団体や、それから支援者団体や研究 者等の創意工夫を踏まえたような調査、検討の仕組みをつくって、きっちりと大切なものは 議論していきたいなというふうに思っています。  西宮のほうで私たちはサンプル調査も行っておりますけれども、人口規模が西宮の場合は 48万もありますので、どのような規模の自治体でも一定展開が可能な、そういう仕組みをモ デル研究などしながらやっていきたいなというふうに考えております。  さて、そのためには、実際に門屋委員もおっしゃったように、サービス支給決定方式につ いてとても大切なものに、相談支援の仕組みをどう展開するか、あるいは地域自立支援協議 会をどう構造的に改革するかということは、とても大きな問題だというふうに考えておりま す。  これも西宮のほうでサンプル調査のほうはいたしておりますけれども、一番大きな問題 は、やっぱり自立支援法下の中で言われていた地域移行であるとか、地域定着支援がほとん ど進んでいないということが最大の問題だろうと思っておりまして、地域移行や地域定着支 援に資するような相談支援の仕組みであるとか、自立支援協議会というものはいかにあるべ きかということはとても大切なものであると思っています。  大阪でも、今、調査を始めておりますけれども、本人、あるいは家族、あるいはいらっし ゃる施設、あるいは地域移行に資するサービスとの関係の調整であるとか、相談、話を聞い たり、調整するだけでも、20回から30回以上の調整、相談支援が必要ですので、とても前後 1回程度の加算などというものでは、地域移行などというのはできっこないんであります。 ですから、やっぱりここは明確に、安易で拙速な見直しではなくて、根本的に地域生活、地 域移行が可能な相談支援の仕組みを必ずつくるということを、私たちは研究者としても必ず やっていきたいなというふうに思っております。  それから最後に、この会議と並行して行われている地域主権戦略会議の中で、ひもつき補 助金云々なんていう議論が出ていますけれども、はっきり申しますと、例えば障害者が地域 で暮らす当たり前の権利と、そういうことを実行するときに、当たり前に権利をもしひもと か、ひもつきであるとおっしゃっているんでしたら、それはひもはまだ要ると。当たり前に 暮らす権利としてのひもは、しばらくはついてなまだあかんというふうに思います。特に気 になっているのは施設基準ですよね。施設基準に関して、自治体の裁量権に任せると、ある いは条例の上書きがどうだこうだとおっしゃっていますけど、上書きする場合には、今の基 準を上回る場合のみ、上書きは認めると。それを下回るとか、それは自由に下回ってもいい ような自由な裁量権を自治体に与えるということは間違っていると、とても許せないという ふうに思います。  以上です。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  続いて、君塚さん、お願いします。  ルビなしで77ページ、ルビつきで101ページ、点字では資料21番目の資料です。 ○君塚委員  全国肢体不自由児施設運営協議会の君塚でございます。  当面の対策として、そこに一つ掲げました。医療型障害児通過型入所施設と私たちは肢体 不自由児施設を考えています。重度の重複した障害児などには医療なしでの生活モデルとい うものはあり得ないと考えています。障害児という場合に、児童福祉法でもそうですけども、 子どもの権利条約でも18歳未満と明確に規定しており、特に成長期の発達保障に焦点を当て て、子供たちを発達させなければならないことを改めて強調させていただきたいと思いま す。  入所施設というと、皆さん方も全部収容型と考えているかもしれませんが、肢体不自由児 施設では、2割の社会的入園、入所、虐待などで長期入所ですが、8割は通過型で、平均4 カ月ぐらいで入退所しています。例えば私どものところでは、98の定員で年間500名強が入 退所をしております(レスパイトの短期入所400名強を除いて)。その有期限の中で医療、 療育、様々な指導を行っているわけで、通過型入所で、収容でなく、在宅支援であります。  そして、手足の悪い肢体不自由のお子さんたちを扱っているととらえられがちなんですけ ども、実態は、4割以上が重症心身障害児であり、在宅の重度重複の児を扱っています。多 数の専門職をそろえて、相談支援から手足の手術・人工呼吸器管理まで行っているわけです が、私たちのところが経営危機、あるいは後継者難という形で、今、苦労しているために、 当面の課題としてそこに2項目を掲げました。  それとまた別としまして、もう一つは、当面というか、方向性というか、福島大臣、政務 官の話を聞いておりますと、本当に福祉は選挙で票になってきていないので、私たちは力を 一つにしてやらないと、この総合福祉部会の結論もうまくゆかないのではないかという印象 を受けていまして、例えば合い言葉、いい言葉をつくっていきたいと思いますけれども、コ ンクリートから人へという合い言葉はとても気に入っていまして、トゥゲザー・イズ・スト レングスとか、リサビリティーズファースト(レディファーストのようなもの)とかいうよ うな言葉をここから発信していけたらと思います。  財源分を一方で踏まえながら、全体として集約できるところにというふうに願っていま す。以上です。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  そうしましたら、続いて倉田さん、よろしくお願いします。  ルビなしで79ページ、ルビつきで103ページ、点字では22番目の資料です。 ○倉田委員  大阪府箕面市長の倉田と申します。  資料に入る前に、地方行政をあずかる立場から、まずは国の政治と役所に対して申し上げ たいことなんですが、地方分権、地域主権という言葉を都合よく解釈をして、国の責任を放 棄する言いわけに使わないでいただきたい。少なくとも生存や生活の基礎となる社会保障分 野においては、A市では生きていけるけれども、B市では生きていけない、そんなことがあ ってはならないと私は考えます。地方分権、地域主権というのは、多くの分野で大いに進め、 僕も地方が競うべきだというふうに思いますが、ただ、分権してはならない分野がある、こ のことも忘れてはなりません。人の生存を保障する分野というのが、まさしくその典型例で す。そこは国が積極的に最低ラインを確保する責任と矜持、これをぜひとも忘れないでいた だきたい、そう強く申し上げておきたいと思います。  もちろん今後とも国の制度で足りない部分に対して、都道府県、市町村が独自に上乗せを したり、新たなトライアルをするという努力を惜しむことはありません。困っている住民を 目の前にする市町村にとって、それは別にきれいごとでもなんでもなく、当然せざるを得な い、そういうことだからです。特に障害福祉の分野、これはこうした過去のいろいろな各地 域のトライアル、試行錯誤、苦しみと呼んでもいいかもしれませんが、こうした各地域の取 組が先行して、そこからよいものが国で全国制度化をされて、日本の障害福祉の最低水準、 ナショナルミニマムを少しずつ積み上げる経過で構築されてきたという歴史があります。  この地方から国へという障害福祉行政の歴史を前提として、当面必要な対策の整理手法と して、大きく2つの柱を提示させていただきます。その上で、3つの個別課題を申し上げた いと思います。  資料番号は22、今日の資料で79ページになります。  まずは2つの柱です。資料の「はじめに」のところに書いてある(1)、(2)なんです が、1つ目の柱は、地方から国へ積み上げられてきた経過に逆行しない、そういう観点です。 これを誤ってナショナルミニマムを地域に返してしまうことのないよう、また誤って返して しまった部分については、早々に地域から国へ戻すよう当面の対策を求めたいと思います。  2つ目の柱は、まだまだ地域のトライアル、取組の中に、国で全国制度化すべきものがあ るはずだという観点です。まずはモデル的にでも構わないので、地域、地方で先行している 事例を積極的に国ですくい上げて、制度化すべきかどうか検証していく、この努力をぜひと も重ねていただきたい、その対策を求めます。  この大きく2つの考え方、柱に沿って、個別具体的な玉といいますか、課題として、箕面 市からは3つ具体的課題への対応を求めたいと思います。  1つ目は、誤って地域に返してしまったもの。具体的には、地域に返してしまった結果、 自治体間のサービス内容に大きな格差が生じている移動支援事業、これを自立支援給付化し ていただきたいと思います。障害者の移動支援は、社会参加の基礎中の基礎だと我々は考え ています。  2つ目は、地方のトライアルの中で国へ展開すべきもの。既に箕面市や滋賀県において実 施している社会的雇用制度を、まずは国のモデル事業として位置づけて、制度化に向けた検 証を進めていただきたい。賃金補てん・保護雇用の考え方を取り入れて、福祉的就労と一般 就労のはざまを補完する仕組みを本気で考えていただきたいと思います。  併せてですが、先般、5月10日の親会合のほうで、賃金補てん・保護雇用というテーマに ついて、厚生労働省から一方的な説明と後ろ向きなトーンが示されています。これから議論 しようとするときに、はなからそうしたスタンスを示されることについては、強く遺憾と抗 議の意を表明しておきたいと思います。  3つ目は、同じく地方の苦しみから国へ展開すべきものです。医療と福祉のはざまとなり、 市町村レベルで試行錯誤を繰り返している医療的ケアについて早急に規制緩和していただ きたい。全国が無理ならば、まずはエリア、条件など限定的でも構わないので、早急にして いただきたい。箕面市では、モデルとなるべく、過去に2回、特区提案していますが、2回 とも冷たく扱われています。先般、厚生労働大臣がたんの吸引について規制緩和をするとい う方針を示された報道がありましたが、詳細が分かりませんけれども、在宅に限らず、学校 など、市が提案した特区なども忘れずご参照いただいて、ぜひ地方の現実の悩みにこたえる 制度改革をお願いしたいと思います。  以上が箕面市からの3つの個別課題の提案ですが、恐らく他の地域、団体におきましても、 我々が知り得ない課題、取組があるはずだと思います。地域から国へという過去の積み上げ を前提にして、さきの2つの柱、地域に間違って戻しちゃったものをちゃんと国で引き取る、 このことと、あとは地域で行われているトライアルや悩みをしっかりと国ですくい上げる、 この2つの柱に多くの他の団体、地域の具体的な意見を取り入れていただいて、当面の必要 な対策として整理をしていただくことを箕面市から提案させていただきます。  以上でございます。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  続いて、駒村さん、お願いします。  ルビなし資料で91ページ、ルビつきでは115ページ、点字では23番目の資料です。 ○駒村委員  慶応義塾大の駒村でございます。  本日の議題は当面の目標ということでございますが、それとともに当然我々は最終的な目 標から逆にさかのぼっていくという部分も大事だろうと思います。所得保障の在り方、サー ビス保障政策の在り方、労働政策、教育政策、住宅政策、こういった分野にまたがる障害者 向けの政策が、制度矛盾なく整合性のとれた形にする、こういう目標を持っているんだとい うことを共有しながら、どっちの方向に向いて歩いていくのかという議論が必要になってく るだろうと思います。  そういった前提の上で、それでも当面必要な議論としては、一つは、障害者向けの所得保 障制度を整備する必要があるわけですけれども、その前にまず実態把握というものが必要だ と思います。障害者の生計の状態についての実態調査については、ほとんど国レベルで信頼 に値する包括的、普遍的なデータはないのではないかと思っております。政策というのは、 根拠に基づいて行われていくべきだろうと思います。また、こういう実態調査を行うことは、 制度、政策やサービスを普及するという目的だけではなく、実態調査に基づいて、国民との 情報共有を進めていき、国民に共感を求めていく、このことにより、長期的に安定した財源 が確保され、持続可能な制度になっていくものだろうと思います。  2つ目としては、もう一つ、障害者所得保障政策に関連することでございますけれども、 民主党政権が掲げている新年金制度の具体的な設計は、政権後半に議論されるということに なっておりますが、この年金プランの中には、老齢年金の記述はございますけれども、障害 年金の記述はございません。これはなぜなのかといいますと、民主党のプランの参考になっ たスウェーデン方式というのは、いわゆる拠出立て個人単位と言われているものでございま して、障害年金はスウェーデンでは別制度にしているということでございます。医療保険制 度・傷病手当のほうに組み込んでいるということでございます。こういう大きな改革が前提 になっている以上、所得保障政策、特に年金に絡んで、どういうふうに考えていくのかとい うことも議論の頭に入れておかなければいけないと思います。  もう一つは、障害者雇用の現状でございますけれども、企業規模別に見ますと、300人未 満の企業で実雇用率が低迷、あるいは低下しているというのが昨今の状況だと思います。障 害者雇用納付金や調整金を使った中小企業に対する支援、あるいは政策の強化も必要になっ ていくのではないかと思います。  最後に、これこそまさに喫緊の課題だと思いますけれども、先ほど北野委員、倉田委員か らお話があった地域主権戦略会議の動向でございます。ナショナルミニマムを下回るような ことにつながらないように、きちんとここに対しては、それを地域主権という言葉がつまみ 食いされないように気をつけていかなければならないかと思います。  以上です。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  続いて、近藤委員、お願いします。  ルビなしでは93ページ、ルビつきで117ページ、点字では24番目の資料です。 ○近藤委員  私どもは就労支援を行う施設・事業者を中心とした組織であり、通称セルプ協と呼んでお ります。以下、主な点のみお話を申し上げたいと思います。  まず、冒頭のロードマップについてであります。障害者自立支援法違憲訴訟の合意文書の 中で、新たな総合的な福祉法制を25年8月までに実施するとなっております。また、民主党 マニフェストでは、一般就労以外の福祉的事業については、統合、簡素化するとしておりま す。一方で、現行の障害者自立支援法では、24年3月までに新体系サービスへ移行すること が求められております。  こうしたことから、現場においては、不安と混乱が生じているところであります。これま で措置費から支援費制度、さらに障害者自立支援法へと利用者、事業者とも翻弄されてまい りました。ぜひとも新たな制度のできるまでのロードマップの明確化をお願いいたしたいと 思います。  なお、新体系サービスへの移行状況は約半数と聞いております。いま一度なぜ移行が進ま ないのかについての理由を掘り下げていただき、希望とやる気を持って移行できる環境の整 備をお願いしたいと思います。  続きまして、利用者負担についてであります。この4月に低所得者について無料化が図ら れたところでありますけれども、自立支援医療につきましても同様の扱いにしてください。 また、就労支援事業につきましては、ILOの国際基準に照らして、早急に無料化を図って いただきたい。さらに、施設入所者の食費の実費負担につきましては、食材費のみの負担と し、手元に残る金額を増やしていただきたい。  続きまして、所得保障についてであります。地域生活を行うためには、それ相応の所得と 住まいの確保が不可欠であります。所得保障につきましては、一般市民と同等の生活ができ る水準の保障が大原則であります。住まいにつきましては、当面廃案となりました一部改正 案にグループホーム・ケアホーム入居者への支援の創設がうたわれていましたが、アパート 等の借り上げを含め、住宅手当、または家賃補助制度を早急に実施していただきたいと思い ます。  報酬の月払いについてであります。原則月払いとし、本人の希望により、複数のサービス を利用する場合、あるいは特定の日を利用する場合については、日払いとすることとしてい ただきたいと思います。  続いて、安定的な仕事の確保についてであります。工賃のアップのためには、安定的な仕 事の確保が重要であります。かねてから官公需の優先発注制度としてのハート購入法の法制 化をお願いしてきましたが、一日も早く実現していただきたい。  最後でありますけども、利用者のニーズに基づく福祉サービスの利用についてでありま す。本来、福祉サービスの利用につきましては、本人のニーズに基づき、自己選択、自己決 定で行われるべきと考えていますが、障害者自立支援法では、障害程度区分や事業の種類に よる利用制限、あるいは利用期間の制限等が行われているところであります。主なことは次 の2点であり、早急に見直しを図っていただきたい。  まず、障害程度区分による利用制限であります。生活介護事業は原則区分3以上、施設入 所支援については区分4以上となっております。  2番目に事業の種類による制限は、就労継続支援事業と施設入所支援の併用ができないこ とになっております。ぜひ早急に見直しを図っていただきたい。  今後、この総合福祉部会では、対象となる障害者の範囲、利用料、所得保障、サービスの 内容について議論されると思いますが、必要とする財源は確保するという意気込みで運営を お願いしたい。  以上、よろしくお願いいたします。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  続いて、斎藤さん、お願いします。  ルビなしで107ページ、ルビつきで141ページ、点字で25番目の資料です。 ○斎藤委員  共同連の斎藤です。  共同連という団体、余りご存じない方が多いかと思いますので、ちょっとお時間をいただ いて、簡単に団体の説明をまずさせていただきたいと思います。私どもは、1984年に生まれ た団体ですけれども、各地で作業所づくり等を進めてくる中で、作業所では障害者が地域で 生きていけない、自立できないというところから、障害のある人もない人も、ともに働く共 同の事業所をつくろう。障害者を訓練するとか、指導するとかということではなくて、障害 のある人もない人も、それぞれの力を持ち寄って、それぞれの参加の仕方でもって、一般の 企業とは違った新しいやり方の働く場をつくり出して、経済的に自立し、障害者も地域でち ゃんと自立している、そういった事業体をつくろうということで運動を進めてまいりまし た。  しかしながら、残念ながら、日本にはそれにふさわしい仕組みというのはもちろんありま せんし、これまで国にお願いしたり、自治体にお願いしても、なかなかうまくいきません。 しかしながら、一部の自治体においては、そういうものを支えていこうというような動きも、 倉田市長のところとか含めて、いろいろ生まれてきています。  そういう中で私どもは、自立支援法が生まれる前に、厚労省の中に省内の就労検討会議と いうのが生まれまして、そのときに、今までの福祉の枠組みとは違う、新しい働き方を創造 しなければ駄目じゃないでしょうかという提案をしました。当時の課長さんは、それを熱心 に聞いてくれまして、議論ができたんですけど、グラウンドデザインができてから、それは 一気に吹き飛んでしまいました。私たちの望みとは全く違ったような仕組みしか生まれませ んでした。  私たちは独自にヨーロッパの今発展している社会的企業、社会的協同組合というものと出 会うことで、決して障害者だけを閉じ込めて何かをする仕組みではなくて、障害者が様々な 人とともに手をつないで新しい社会をつくっていく、そういう方向の中に就労の新しい在り 方、地域生活の新しい在り方を目指していきたいということで、今、社会的事業所づくりと いうものを提案したいというふうに思っております。  また、そういう資料は後日出したいと思うんですけれども、それで今回、当面の改革につ いての意見ということで、私、趣旨がよく理解できていませんでして、とりあえずこれは来 年度予算に向けての概算要求にどれを盛り込むかということだったということで、この間の 説明はようやく理解したような話なので、当面というふうに書かれていますので、余り要望 してはいけないんだろうと、ささやかな改革点を言えばいいのかなぐらいにしか思っていま せんでした。  しかしながら、皆さんのご意見を見ますと、本当に実にいろいろな意見が出ておりまして、 まさに新しい法律をつくることそのもののような意見もいっぱいありましたし、他方、いろ いろな違う法律についての議論もありましたし、本当に余りにもいっぱいいろいろな意見が 出て、当面の対策をつくるということの意見の発表の仕方ではないと思うんですね。それだ ったら、もっと絞り込んでやるべきなのに、これだけいろいろなことをみんなに言わせて、 それをまとめようとすること自体が余り意味のない作業じゃないかなと、時間を無駄にして いるんじゃないかなと、そんなことをちょっと思っています。  それで、さらに今後の進め方についての意見発表ができるようですけれども、今日配られ た資料を見まして、前回も質問しましたけれども、23年の春から夏までにこの法律の提案を 決めると、そして24年通常国会の法案提出ということですが、だとすると、もう1年ちょっ としか時間がないわけですよね。  このような議論の仕方で、1年半で私は何ができるんだろうかと大変心配するのですが、 みんなそれぞれに意見を発表して、言わせるだけ言わせておいて、かつての厚労省がやった みたいに、落としどころはもう全て推進会議で東さんなり、佐藤さんがちゃんと持っていて、 ぼんと決めてしまうんだというならば、それでもやれるかと思うんですけれども、そうじゃ なくて、今回は様々な障害者団体や関係者の意見を幅広く踏まえて、新法をつくるというこ となわけですから、相当これは徹底した議論をやらなきゃいけないと思うので、先ほどから 工程表という意見も出ていますけれども、早くどのような形で何を目指すのか。  要するに単なる改革じゃなくて、廃止して、新法をつくるんだと、改善ではないんだとい うことを今まで言ってきているので、じゃあ自立支援法は何が本当に問題であって、どこを 改革して、新法というのは本当につくり上げなきゃいけないかというところを、もっと明確 にまずみんなでそこを学習した上で、共通の認識を持ってから話し合わないと、当面の対策 にしても、それ抜きでやられては、結局ばらばらの意見ばかりが出て進まないのではないか と、そんなことを非常に思います。また、後で議論の進めるときに発表させていただきたい と思います。ありがとうございました。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  続いて、坂本さん、よろしくお願いします。  ルビなし資料で109ページ、ルビつきで145ページ、点字では26番目の資料です。 ○坂本委員  鳥取県南部町の町長の坂本でございます。町村の立場ということもありますけれども、私 はちょっと別な角度より発言をさせていただきます。  まず、社会保障制度でございますけれども、派遣労働者だとか、ホームレス、あるいは若 年失業者、無年金者、シングルマザーといった現代的な貧困、社会的排除への対応に失敗を しておるわけであります。総合福祉部会の議論も年金、医療、介護、福祉といった社会保障 制度全般の中での議論で、それぞれが整合したものでなければ、国民的な支持も合意も得ら れないのではないかということを最初に申し上げておきたいと思います。  我々が今ある状況は、未曾有の財政危機の中で安定的な財源確保が課題ではないか、この ような仕組みづくりを法の中で規定をしていくべきだというように思うわけです。特に持続 可能な制度でなければならないわけであります。しかも青空天井ではないということですか ら、政府には福祉目的税だとか、消費税の議論を一方では同時進行していただかないと、財 源の確保のない、裏づけのない、絵に描いた餅にならないようにというように思っているわ けです。税を使ってやるわけですから、当然公平性、透明性を高めて、国民に理解と共感を 得る制度にならなければならない、このように思っております。  それから、もう一つの視点でありますけれども、行政サービス、公共サービスの官から民 への流れ、国より地方へ、地方分権から、民主党になりまして、地域主権というようなこと を言われるようになってまいりました。このようなトレンドの中でどのように法を整合させ ていくのかということであります。強制力を持った法をつくるわけでありまして、地域の自 己決定権を縛ることになるわけであります。そこの折り合いをつけんといけんということで あります。こういう流れを踏まえ民間事業者の育成だとか、あるいは人材育成、それから研 修、資格制度を構築していくというようなことを規定すべきだろうというように思っており ます。  それから、介護保険は介護保険、身障者は身障者といった別々な区分けでやれば合理的で はありません。無駄も多いということでありまして、私は既存の社会資源を大いに活用すべ きだというように思うわけです。  これは一つの提案なんですけれども、地域包括支援センターというのを介護保険制度では 持っておりますが、我が町では、これを介護保険料ではなくて、税を投入して運営をいたし ております。障害者の就労生活支援センターは、労働政策と福祉施策に分かれた補助金など で余り人気がよくないわけなんですけれども、やりにくいという意見がありますけれども、 私は地域包括支援センターというものを改組しまして、一本化を図って子供から障害者、高 齢者まで包括的に支援をするような体制整備を図るべきではないかと思っております。  法律は基本的人権を尊重して、それぞれの地域で暮らし全般にわたって実現していくこと を明文化したものであるように願っております。  またサービスは項目列挙をして、それぞれの地域で障害者自身の参加する「障害福祉サー ビスの保障会議」といったような機関を法律で必置規定として設置をするようにするという ようなことを義務づけるべきだというように思っております。  それから介護保険の場合には介護保険条例というようなものをつくって、議会の議論を通 じて、国民的な合意を得てまいりました。したがいまして、地方自治体それぞれの議会でそ れぞれ条例制定をすることを通じて、国民的な合意や理解を広げていくべきだというように 思います。障害者基本条例をつくって、そういう過程を通じて、障害者問題を広げていくと いうことを同時に進めるべきだろうというように思います。  以上です。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  続いて、佐藤久夫、私の番です。  資料としては、ルビなしで113ページ、ルビつきで153ページ、点字では27番目の資料とな っています。  既にいろいろな方々が指摘をしていますので、簡単にしたいと思います。  5点ほど挙げておきましたけども、2番目の点、機能障害の種類等による利用制限の緩和 をということをぜひやりたいなと思います。機能障害の種類によって、せっかく統合された 自立支援法なのに、制限を課しているというのは非常におかしなことではないかと思いま す。例えば身体障害者もグループホームが利用できるようにとか、そういうようなことはぜ ひすぐにもやりたい、やるべきではないかということ。  それから、4番目の点ですけれども、入院時に訪問系のサービスを継続利用することを認 める。慣れた介護者が病院の中でも介護を続けるということができるようにしないと、命に も関わるし、当事者も非常に困っているだけでなくて、病院側も困っているということを聞 いておりますので、この辺の改善をぜひやる必要があろうと。  それから、5番目の点で、障害者福祉の従事者が公務員と同等の賃金で働けるような仕組 みの確立が必要ではないか。公的なお金でやっている社会的な公的な仕事が障害者福祉です ので、そうした公的な性格にふさわしい、専門性ということについてもふさわしい、公務員 を参考にした賃金体系というようなことが必要なのではないかというふうに思います。  大分時間を稼いだかなというふうに思います。  続きまして、清水さん、お願いします。  ルビなしで117ページ、ルビつきで159ページ、点字では29番目の資料です。 ○清水委員  私は、兵庫県の西宮市の青葉園という大変障害の重い方々とずっと一緒に活動しておりま して、青葉園の場合、本当に地域で何の制度もない中で、何とか地域で生きていかんがため に、地域の暮らしを切り開きながら、だんだん親も年をとっていって、場合によったら、親 を看取りながら、今、次々と自立生活に至っているご本人がたくさん西宮にはおりまして、 その人たちの人生というか、そのことが何か特別なことであったりということになってしも うたら嫌なので、その人たちの生きてきた30年、40年、50年をきちんとここに反映したいと いうふうに思いまして、東京くんだりまで出てきているということで、青葉園の話をします と、日が暮れますので、やめまが・・・。  意見書に書いておりますようなことなんですけれども、大体意見書の内容がよう分からへ んやないかということもあろうかと思うのですが、早い話が、私はとにかく重症心身障害の 人の地域生活展開ということを外すなと、別扱いするなと、したらいかんということだけが 言いたいわけでありまして、むしろ重症心身障害の人、本当にここへ来ておっしゃることは できないかもしれないけれども、今、日本じゅうで重症心身障害の方々が何とか自分の人生 を、主体を発揮して、価値的存在として、一人一人が生きていこうとしている。  そのことをきちっとこの新しい仕組みづくりの中に取り込んでいく必要があるというこ とでありまして、前回、北浦会長のほうから、昭和30年代ですから、今から50年ほど前のそ のときに、全く社会に役に立たない存在とされ、だけどこの子は一生懸命生きている、そし て何とか守れということで、社会に対して運動を進めてこられた。そして守られた命が、今、 50年、みんな自分の人生を価値的に生きていこうとされているわけですよね。  ただ、その中で、どうしても私たち(この国のみんな)の力が弱いから、私たちが愚かや から、その人たちの主体が沈み込まされているという事実が起こっていると。そのことにつ いて、それは人権侵害やろうと、それはそうやと思うんですね。それはそうやと思うので、 ですからこそ、私たちはそのことを何とかきちっと、もう一遍ちゃんと主体として受け止め て、そして外すことなく、そのことを一緒になって立ち上っていく、推し進めていく状況を つくっていくということを、やっぱり今、国が覚悟する必要があるというふうに思うので、 そのことはどうしても外すことはできないというふうに私は思っております。  具体的にどうすんのやという問題については、いろいろとおっしゃられていると思うので す。私は実際に今、いろいろなところで、各自治体の地域自立支援協議会の中で、医療的な ケアが必要な人の地域生活展開プロジェクトとか、重心の方の地域生活推進の検討会とか、 そんなのごろごろありますよ。  ですから、日本じゅうでみんな重心の方々が今を生きようとされているわけで、そのこと を推し進めるということが大事で、そのことが本当に重心の人の意見を聞くということ、そ の人たちの生活実態をつくっていく、地域生活実態をつくっていくということです。そのた めの重度障害者地域生活推進事業でも名前はなんでもいいんですが、重心の人の地域生活状 況をつくっていくということが、本当に民主的に新しい我々の仕組みをつくっていくことで あるというふうに思いますし、そのプロセスの中で本当の支援とは何かとか、相談支援の本 質とか、そういったものをつくっていき、住民の意識というか、変革ということも含めて、 本当の意味の地域主権であり、民主的に物を進めることを生み出していくと思うんです。そ れは青臭いことではなくて、私は本気になって、そのことを進めていきたいなというふうに 思っております。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  続いて、末光さん、よろしくお願いします。  ルビなしで119ページ、ルビつきで163ページ、点字資料30番です。 ○末光委員  日本重症児福祉協会常務理事の末光です。  意見書の背景を口頭で申し上げます。昭和42年の児童福祉法の一部改正により、重度の知 的障害に重度の肢体不自由を併せ持ち、さらに常時医療的ケアの必要な重症心身障害児のた めの専門の児童福祉施設であり、かつ医療機関として、重症心身障害児施設がスタートして、 43年になります。現在、全国に194カ所、約1万9,000ベッドを用意できるに至っております が、入所率は97%とほぼ満杯状態です。入所待機者は約3,000〜5,000人に及んでおります。  待機者のほとんどは、NICUや小児病棟などに長期滞留する呼吸管理などが欠かせない 超重症児、準超重症児と、一方では、長年在宅で世話を続けてきたが、両親の病気や高齢化、 あるいは死亡に伴い、在宅介護が不可能になった人たちで占められております。長年家庭介 護を続けてきたお母さんが亡くなった後、80歳代のお父さんだけでの介護の限界から、我が 子(60歳前後)の命を絶つという悲しい事件が、人口当たりのベッド数が特に少ない大都市 圏を中心にあちこちで起こっております。  重症児施設は、これら入所の方々だけでなく、在宅支援の拠点としての役割も積極的に果 たしております。2万5,000人の在宅重症児のためのショートステイの利用は、年間約20万 日に及んでおります。また、重症児通園事業は全国約290カ所で5,600人、学校教育を受けて いる人を除くと、約3人に1人は重症児通園を利用していることになります。ショートステ イと重症児通園は、在宅重症児と家族にとって、不可欠なセーフティーネット、命綱であり ます。  さて、欧米先進国には重症児施設がないと多くの方が指摘しています。なぜかであります。 重症心身障害分野の世界的な第一人者でありますスウェーデンのウプサラ大学のハグバー グ教授は、十数年前に日本を訪ね、日本小児神経学会元会長の有馬正高先生のご案内で、東 京都内の重症児施設を視察し、手厚い医療、療育、発達保障に加え、きめ細やかな日常生活 支援の中で自ら光っている姿、糸賀一雄先生の言う「この子らに世の光を」ではなく、「こ の子らを世の光に」の様子に感銘を受け、さらに全国に百数十カ所もそのような医療福祉施 設があることにも驚嘆されました。スウェーデンでも家庭介護は悲惨な状況下にあり、死亡 率も格段に高いことから、長期入院のできる慢性病棟を小児病院に併設するため、大変な努 力を重ねて、やっと一、二カ所実現したが、日本のような制度がないため、それ以上に進ま ない、日本がうらやましいと言われました。  スウェーデンより3年早く入所障害施設を閉鎖したノルウェーにおいては、施設に代わる グループホームが必ずしも地域社会に溶け込んだ生活の場になっていないとテセブロー教 授は国際学会で率直に報告しています。アメリカでも、コネチカット州のグループホームで は、最近36名の不審死が発覚し、ケアの内容が問題になっております。特に医療ニーズの高 い重症児にとっては、生命と生活を守るためには、医療的対応を含めたケアや支援の内容と 質を確保することが必要です。オランダの全国障害者推進連合会理事長のミレネー博士によ ると、ヨーロッパ各地では、今、入所施設の再評価が進んでいるとのことであります。  そのような中で、日本の重症児制度への注目が各国から寄せられつつあります。その一端 として、国際知的障害学会のアジア太平洋会議が昨年6月、シンガポールで開催された際、 私は招かれ、日本の重症児制度と医療福祉について基調講演をいたしました。その内容は、 イギリスの重症児専門の情報紙PMLD-Linkに掲載され、感謝されていることを申し 添えておきます。  以上から、制度改革に際し、柏女委員も申されましたように、まず「障害児支援の見直し 検討会報告」を十二分に反映してくださるようお願い申し上げます。その際、私どもの意見 書の1と2を基本的な考えとし、当面の具体策としては、3の重症児に対する医療と福祉の 一体提供と児・者一貫の制度は、日本の誇るものであり、今後も守り、充実させるよう希望 します。そして、特に4、在宅対策の面では、24時間手厚い医療支援が欠かせない超重症児、 準超重症児も身近で利用できる短期入所の確保と単価の改善、そして重症児通園事業につい ては、安定的に利用できるように法定化を急ぐよう強く求めます。  以上です。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  続いて、竹端さん、お願いします。  ルビなしで121ページ、ルビつきで165ページ、点字31番目の資料です。 ○竹端委員  山梨学院大学の竹端と申します。  まず、私の話に入る前に、先ほど清水さんと末光さんがおっしゃっておられたことが、10 円玉の裏表のように感じたので、その話からさせていただきたいと思います。清水さんがお っしゃっておられた、どんなに障害が重い方でも主体として受け止めるということが、恐ら くこの権利条約の批准であったり、あるいは障がい者制度改革推進会議で議論すべき中心点 にあると思うんです。その上で、良質で豊富な在宅の介助や医療サービスがあれば、まさに 地域で暮らせるはずの重症心身障害の方も暮らせていないからこそ、今、入所施設の待機者 と言われるような方々がおられるわけです。ここのところを踏み外して、現在、待機者がい るからどうだとか、それだけで議論をしていては、やはりおかしいと思います。  重心のお母さん方がなぜ不安で、5万筆の署名を集められたか。それは今までの地域移行 というのが、地域移行イコール家族の元に返すことという誤解があったからです。それは実 は国がこれからやられようとしている調査にも関連してくると思います。今までの実態調査 というのは、あくまでも統計調査のサンプル調査で終わりだし、ご家族がどんなふうに困っ ているのか、あるいはご本人がどうしたいのかというところまできちんと聞く調査ではあり ませんでした。そのようないわゆる実態に基づかない調査を実態調査としている限りにおい て、それは保護者の方々は不安がなくなりません。施設の入所待ちのリストに入れているほ うがましなわけですよね。このような実態がこれまであったんだと思います。これは重症心 身障害に限らず、精神障害の方や知的障害の方であっても、同じだと思います。  そこで、私が提案している1つ目のニーズ調査というのは、要は入所施設や精神病院に今 入院しておられる方全員にきちんと意見を聞くべきではないかというのが1つ目の提案で す。これは絵空事ではなくて、例えば北海道では、知的障害者、身体障害者の入所施設全員 の方に聞き取り調査をされました。それを基に地域移行の10億円プロジェクトを始めておら れます。決して絵空事ではありません。  それから、2つ目なんですが、地域移行を国の政策にしながら、この5年間で全然地域移 行が進んでいないということについて、真摯に反省した上で、過去5年間で退院、退所され た方、あるいは施設を転施設という形で移動された方の実態をきちんと調査すべきだ、これ も早急な課題だと思います。  そして、3つ目なんですが、先ほども申し上げた施設待機者という方々へのニーズ調査で す。何があれば地域で生きていけるのか、どんなことがないから地域で暮らせなくなったの か、そのことにきちんと基づき、待機者の方々のお声を聞き、どうすれば地域の中で生きて いけるのか、そこにちゃんと政策的な裏づけを与えられるようなデータを集めないと、ここ でやられている議論は、絵にかいた机上の空論で終わります。やはりここにいる55人の意見 だけでなく、施設待機者や、あるいは今入所しておられる方々の意見を、ここの55人と同じ ぐらいの重さとして受け止めない限り、その方々の地域生活や地域移行というものは実現で きないと思います。  その上で、5番目になるのですが、やはりじゃあどうしたらいいのかについて、モデル事 業を来年度からすべきなんじゃないか。例えばこれから最後提起されようとしている国の実 態調査が統計的な観点に基づいて、これまでの調査から余り変えられない、それも余りよく ないと思うのですが、もしそうするとしても、やはりそれとは別のニーズ調査、入所施設や 精神病院、あるいは重症心身障害施設、いろいろなところに入っておられる方の声をちゃん と聞くということを、来年度モデル事業にしたり、再来年度に実態調査したりというような ことをきちんとしていくべきであると思います。  そうしないと、良質で豊富な在宅の介助や医療サービスはどれほどあればいいのかという 実態が把握できないんです。その実態がない中で、予算を幾ら欲しいと言っても、根拠デー タがありません。そこをきちんと調べるためのまず調査や研究が必要ではないかということ で、私の話は終わります。ありがとうございました。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  続いて、田中さん、お願いします。  ルビなしで125ページ、ルビつきで169ページ、点字33番目の資料です。 ○田中(正)委員  それでは、全国地域生活支援ネットワーク代表理事の田中です。  清水さんから言葉がすごいスピード感があって、通訳の方や要約筆記の方が非常にお疲れ かと思いますので、ゆっくりしゃべっていきたいというふうに思っております。  私たち全国地域生活支援ネットワークは、ユニバーサルな支援でともに生きる地域社会づ くりを目指して、ノーマライゼーションが全国各地で実現することを目指しています。この たびの障がい者制度改革推進会議や本総合福祉部会が開かれ、そして障がい者総合福祉法が 実現することについては、理念の実現がされるということにおいて強い期待をしているとこ ろです。  一方で、大変危惧も持っております。一つは、理想とする社会を実現するためには、現状 の2倍から3倍近くの財源が必要だと思われる点ですが、そのことに対しての具体策が今の ところどなたからも示されていないということになりますので、それが大きな課題になるだ ろうというふうに思っております。  また、直近のところでは、障害者自立支援法の廃案を受けて、現場、これはサービス提供 事業所のみならず、行政においても大変な混乱が生じています。それは25年8月までの具体 的な工程が見えないために、様々な憶測と期待と、そして不安が生じているからです。まず は現行の障害者自立支援法の位置づけを明確にし、それを踏まえて、総合福祉法に移してい くということを確認するべきだというふうに思っております。  総合福祉法の実現が25年8月ということであれば、障害者自立支援法の猶予期間である24 年3月がやってまいりますので、長妻厚生労働大臣も国会において発言されているように、 これを踏まえて、障害者自立支援法、そして総合福祉法という展開が望ましいと思っており ます。  先ほどどなたかの発言にあった猶予期間の終了を先延ばしにすることは、障がい者総合福 祉法を展開する上でもアキレス腱になると危惧しております。廃案を受けて、措置に戻した いと思う立場があるのではないかと危惧しておりますし、支援費の施設訓練等支援費は、そ の名残を強くしているからです。せっかく用意された個別給付が措置に戻りかねないと危惧 しております。  それを踏まえて、今回のペーパーでは、地域での安定した暮らしを支援するためにという ことで、3つほど具体的に早急な課題として提案させていただきました。  グループホーム・ケアホーム利用者の家賃補助制度の実現を図ってほしい。施設の枠組み での暮らしには、家賃がなく、またさらに補足給付費として2万5,000円が用意されている という立場が、在宅の生活者との大きな格差を生んでおりますので、この格差を早急に埋め てほしいということになります。  また、地域生活のバックアップの拠点の整備をということで、多くの場合には、入所施設 がそのバックアップになるとされてきましたが、機能する仕組みとしては、ショートステイ しかありません。そして、これはいつも満床であるということをかんがみますと、基本的な 仕組みを在宅支援のかなめとして位置づくホームヘルプや移動支援などの事業所が担える ようにしていくということを位置づけていただきたいと思います。  また、佐藤部会長からも話がありましたが、入院中の付き添いに対するホームヘルプの活 用も併せて、そのオペレーションシステムの下で展開できるようにというふうに思っており ます。  さらに、専門性の高いサービスとして、移動支援のうち、行動援護が位置づきました。こ れは移動支援を阻害するために生まれたものではなくて、付き添うだけの支援では、過去に も事故があったように、専門性を持って、障害特性が踏まえられて、地域での暮らしに支障 がないということを軸に位置づいているものですので、個別給付に移動支援が全てなったと しても、行動援護という介護給付のものは位置づくように取り計らっていただきたいと思い ます。  それ以外のことに関しましては、特にお伝えしたいこととしては、日払い方式の堅持とい うことで、日払い方式は、事業者が事業を運営しやすいという措置からの色合いを強くして おりますので、運営に係る視点での底上げをするということでは、報酬単価を手厚くして、 利用者視点の日払い方式は維持していただきたいと思います。  以上です。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  続いて、中原さん、お願いいたします。  ルビなしで135ページ、ルビつきで177ページ、点字で35番目の資料です。 ○中原委員  財団法人日本知的障害者福祉協会の中原です。  私たちの資料は135ページから138ページです。  当協会は、施設を運営する事業者団体です。また、施設を利用している当事者を支援する 立場から、障がい者総合福祉法ができるまでの間に早急に取り組むべき課題14点と、それか ら十分な議論と検討を要する、いわば障害者自立支援法から新制度の制定に向けての課題と しまして7点を整理して、意見を述べさせていただきます。  まず、私は、障がい者総合福祉法の制定に当たって、この総合福祉部会での議論、検討を 行っていく上で、次のことが大変重要なことだと考えております。  その1つに、障害者自立支援法は、施行当初からたくさんの課題が指摘されておりました。 制度施行後、私たち福祉現場は、今もなお混乱している実情にありますが、したがいまして、 障害者自立支援法の問題点をしっかりと総括し、当事者が安心して利用できる当事者中心の 安定した制度とすること。  それから、2つ目には、障害者自立支援法が成立された過去の反省から、新制度は拙速に 制定せず、実態を十分に把握した上で、十分な議論と検討期間を設けて、制度化することが 大切だと思っています。  したがいまして、障害者自立支援法から新制度施行までの移行期間は、現行制度の問題点 を解消するための期間として、これから申し上げる個々の課題について早急に対策を講じて いただきたいと思います。  障がい者総合福祉法が制定されるまでの間に、早急に改善対策を講じてほしい課題は、資 料のとおり、まず第1に、実費負担の見直しであります。本年度から低所得者の福祉サービ スに係る利用者負担が無料になったことは評価していますけれども、施設における、あるい は食事に係る調理員の人件費や光熱水費、医療費などについても、利用者の実費負担としな いように求めたいと思います。  2つ目に、人員配置の見直しでありますけれども、これは制度上、昼夜分離としながら、 日中支援員をもって、施設入所支援の夜勤を可能としていることは、日中支援がその分だけ 手薄になることになります。したがいまして、日中活動が十分にできるような人員配置、あ るいは施設入所支援の人員の配置等、それから就労継続支援の人員の改善、さらには事務量 の増大と煩雑化から、事務員の配置を求めます。  3つ目として、報酬構造の見直しについてであります。新体系事業の課題の改善のために、 加算がたくさんありますが、この加算は極力廃止しまして、本体報酬の中に算定することを 私たちは求めていきます。  4番目にグループホーム、あるいはまた5番目にグループホームのことが書いてあります が、これは先ほど隣の田中さんからも要望がありましたように、家賃補助の制度、あるいは 夜間支援体制をしっかりやっていただくことと、それからグループホーム・ケアホーム推進 のための関係省庁の連携につきましては、地域移行支援の方向にあって、消防法や建築基準 法等の問題点があって、グループホームの設置が各地で困難になっております。したがいま して、厚労省、総務省、国土交通省が連携して、解決に向けた取組をお願いしたいと思って います。  あと、6番の就労支援の在り方、7番、障害者支援施設における就労継続支援事業の実施、 あるいは8番目の自立訓練・就労移行支援事業の利用期限のことについては、柔軟な対応を 図っていただくようにお願いいたします。  9番目の通所事業所の送迎、これも現在、特別対策の対象となっておりますので、今後は 送迎に係る費用を報酬の中で評価するなど、恒常的なものとしていただきたいと思います。  10番目の相談支援体制の強化、あるいは11番目、市町村格差の是正、12番目の市町村地域 生活支援事業につきましても、改善と検討を求めます。  時間が来ましたので、13番、14番は飛ばしますけれども、次の障害者自立支援法から新制 度の構築に向けての課題におきまして、重点的に少し申し上げます。  3番目の報酬の月払いにつきましては、日額制によって、職員の非常勤化や支援の質の低 下が避けられない状況になっていることから、福祉サービスに関わる報酬は原則月額とする こととしてほしいと思います。一方で、利用者負担については、日額制を維持すべきことと 考えております。  なお、4番目の障害程度区分の廃止と障害程度区分に関わる支援尺度の早急な策定や5番 目の支給決定プロセスの見直しについて、これらは時間をかけて、しっかりと知的障害者の 特性が反映されるような仕組みをつくっていただきたいというふうに思います。  6番目の所得保障・生活保障についての検討もしてほしいと思います。  最後に、児童支援の在り方につきましては、障害という概念でとらえる前に、子供であり、 法の下の平等の下、障害の有無に関わりなく、全ての児童が心身ともに育成される権利があ りますから、障害児支援は、児童福祉法の見直しを含め、子供の施策の中で位置づけること を求めます。  以上です。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  次の休憩まで最後のあと1人となりました。平野さん、よろしくお願いします。  ルビなしで159ページ、ルビつきで211ページ、点字で42番目の資料です。 ○平野委員  日本社会事業大学の平野でございます。  今回いただいたテーマが、新しい制度ができるまでの当面の必要な対策ということですの で、それに絞りましてお話をさせていただきたいと思っております。それから、今回の基本 合意の大きな柱が、自立支援法が現実に即しない形、現実を踏まえないでつくったことが反 省点ということでありましたので、私のほうからは、今、現場がどうなっているのかという、 そのことを中心にお話ししていきたいというふうに思っています。  いろいろお話はしたいんですけれども、そういった意味では、私のほうからは、大きく分 けて、サービスを提供するシステムとサービス基盤がどうなっているのか、ここをどうする のかというところに中心にお話をさせていただきたいと思っております。  159ページ目から書いてあるんですけれども、まず一つ、今の現場を考えたときには、現 場が疲弊しているということをやっぱり抜きに考えられないというふうに思っています。近 藤委員からもありましたけれども、この10年間の間に制度が4つ変わったわけです、措置制 度から始まりまして。つまり1つの制度が3年程度で変わっていくということで、現場、市 町村も、施設事業者もそうですし、本当に翻弄されてしまったと。こういう状況の中で、結 局、当事者、あるいは家族の方も混乱し、先行きが見えない状態になってしまったと、これ が大変大きな問題になっていると思いますし、これが結果として、今の福祉全体の活力を低 下させた、あるいはこれからやっていこうという意気込みをそいでしまった面は否定できな いと思っております。  そういった意味では、私は、この間、皆さん方の議論にありましたように、新しい法律が できるまでのロードマップですね、それも大事ですけれども、同時に新しい法律が仮に25 年8月からできたとして、そこで一遍に全部変わるということはちょっと非現実的だと思っ ています。行政をやってきた人間とすれば、24年の一定の時期に法律ができて、1年間で全 てが変わるということは難しいと思っていますし、それがまた新たな混乱を生むと思います ので、25年8月を起点にして、施行時期を区切りながら、まずここを考えて、次はここを考 えていくという、そういう法律が施行されてからのマップもつくりながら、つくっていく、 そこで軌道修正しながらやっていくという、そういうような取組をしていかないと、やはり 現場はついてこれないですし、これまでの疲弊感を積み重ねるだけだと思っています。そう いった意味では、そういう部分をつくっていくことによって、安心感も出てきますし、やっ ていこうという見込みもできてきますし、そういうことをやっぱり考えていくということが 大事だと思っています。  それから、もう一つは、やはりこの間の状況として深刻な問題としてあるのは、非常に障 害者福祉に対するインセンティブが働いていないということなんです。この分野で頑張ろう ということがなかなか持て切れない、それどころか、現実としては、逆にここから逃避する 人たちも残念ながら出てきているということだと思うんです。そういうことを考えますと、 結果的に新しい制度ができても、それを支える基盤がなければ、つくれないということがあ ります。そういった意味では、きちんと基盤をつくりながら進めることが現実的な対応だろ うというふうに思っております。そこが前提の問題意識でございます。  そこで、具体的に何が今当面必要かということですけれども、今言ったように、制度へ、 施策への信頼を取り戻すということもありますけれども、それを踏まえた上ですけれども、 まず利用者負担でございますけれども、これは先ほど福祉協会からもありましたように、や っぱり実費負担の問題を考える必要があると思っています。  この間、利用者負担の軽減も図られましたけれども、やはり実費の負担、食費、光熱水費、 あるいは住宅費の負担が大きくのしかかっているということです。これは所得保障の問題と して考えるべきだと思いますけれども、当面なかなかそれが難しいという状況であれば、前 の自立支援法の一部改正案であったような住宅手当、あるいは介護保険でも食費については 4段階で分けていくと言っていますので、提言していますので、その辺を軽減する必要があ るだろうと思っています。  それから、特に重度対策の面で言えば、報酬を大きく見直す必要があるだろうと思ってい ます。実はこの間、重度対策、重度訪問介護、行動援護、あるいは包括支援といった重度の 取組が非常に報酬的に厳しいということで、事業者が撤退する現実があります。これが地域 への移行を遅らせているという現実もあります。これはグループホームも言えるわけですけ れども、やはり地域への移行ということであれば、それに見合った体制をつくっていくとい うことが必要だろうというふうに思っております。  それから、訓練等給付に関しても、現実に見合った、160ページに書いてございますけれ ども、必要なことを考えていく。  それから、やっぱり一番大きな問題としては、障害程度区分、これが現実とマッチングし ていないというのはかなり多くの認識を得ております。そういった意味では、去年、自立支 援法の一部改正であったような障害程度支援ですね、こういったものに早急に移していくと いうことを取り組んでいく必要があるなというふうに思っております。  最後に、お時間になったんですけれども、ちょっとここに書かなかったんですけれども、 2つだけちょっと、あえてほかの委員から出るので、書かなかったんですけれども、2つご ざいます。  一つは、障害児の問題です。実は現場の中でいろいろ回っていますと、一番焦燥感を持っ ている、先行き不透明感を持っているのが障害児施設、障害児の事業者の方々です。本当に 前にも進めない、かといって、後ろには戻れない、どうすればいいのかということを真剣に 考えています。この障害児の問題を早急に取り組んでいくということが一つ大事だろうと思 っています。  それから、もう一つは、相談援助の関係です。障害者の分野では、対象者の中で占める相 談サービス利用率が低いというのが福祉分野の特徴です。それはやっぱり制度を使えない、 制度にアクセスできない、そういう現実があると思っています。そういった意味では、せっ かくこれからいい法律をつくろうということであれば、制度を使えるような風土、使えるよ うな体制をつくっていく。そういうことで言えば、きちっと制度につなげる、あるいは制度 が使えるように寄り添うような支援、それがまさに相談援助やケアマネジメントですから、 これをつくっていかないと、せっかくいい法律をつくっても、使えないと思うんです。そこ をやっぱりこの3年、25年までにつくっていくということが鍵になるだろうというふうに思 っております。  以上で終わらせていただきます。 ○佐藤部会長  どうもありがとうございました。  今、3時35分となっておりますので、ここで15分間休憩をして、50分まで休憩をして、残 りの5名の発言と今後の取り組み方の協議に入っていきたいと思います。              〔休憩 15時35分〕              〔再開 15時50分〕 ○佐藤部会長  それでは、再開いたします。  5名の方の25分の発表をまずやった上で、今後の進め方についての説明、提案と協議とい うことで、遅くとも5時には終わるということで進めたいと思います。  それでは、藤岡さん、よろしくお願いします。  ルビなしの資料で169ページ、ルビつきで221ページ、点字で46番目の資料です。 ○藤岡委員  自立支援法訴訟弁護団事務局長の藤岡です。よろしくお願いします。  まず、新法制定までの当面必要な対策についてです。  自立支援法訴訟原告団・弁護団と国との基本合意文書を以下、基本合意書といいます。  まず、第1、自立支援医療の利用者負担についての低所得の障害児者の無償化について。 この点は、昨年、実は厚労大臣自らが記者発表で、これは年内に実現するといったんはお約 束したことです。我々訴訟団がこれは確実にやってくださいということで迫ってきたものな んですが、当面の重要な課題ということの表現に落ちついたわけですが、これは最優先課題 として、次期予算に組み込むという趣旨だというふうに理解しておりますので、確実に優先 的に実行されるべきだと考えます。  (2)実費負担の廃止。合意書の第3項、要望書3項、緊急課題(1)とされています。実費 負担により、生活が苦しくなった事実は、厚労省自らの昨年の11月26日の実態調査でも明ら かです。基本合意文書第3項では、調査結果も考慮し、しっかり検討を行い対応していくと いうことが約束されていますので、この約束を実現していただくということになります。  (3)介護保険優先原則に関し、当面の措置として、要望書1項(2)に引用されている厚労 省通知を改正すること。合意書第3項(4)により、新たな福祉制度構築に当たっては、現行の 介護保険制度との統合を前提とはしないこと。原告らが指摘した、「問題点として指摘した」 ということですね、介護保険優先原則を踏まえて対応していくとされているということで す。  (4)報酬支払いを原則月払いに戻すこと。要望書第3項、緊急課題(2)とされています。 日払いが福祉現場を破壊し、ひいては障害者の生活の質を低下させたことの改善が火急の課 題です。  (5)利用者負担の収入認定において、配偶者を含む家族の収入を除外し、障害児者本人単位 で認定すること。合意書第3項(3)。また、要望書第1項(3)で、扶養義務の見直しという 項目で、障害の家族責任を強いてはなりませんとされています。障害の個人責任・家族責任 は、障害福祉の公的責任、障害の社会モデルに相反するものであって、今後の障害福祉施策 の在り方、流れをあるべき方向に向けていくため不可欠の道筋と考えます。  (6)支給量認定。支給量の決定の根拠として、障害程度区分に連動する自治体の示す数値的 な基準にとらわれず、個々の支援の必要性を十分に考慮した認定をなすよう厚労省が自治体 に対し強く助言する通知を発すること。自立支援法の特性である利用抑制の仕組みと実態を 緊急に解消するため、国が早急に具体的な措置を行うべきです。基本合意文書第3項の問題 点(6)参照。  なお、誠実な自治体だけが持ち出しにならないための国・自治体間の負担の仕組みづくり のための方法論を早急に検討すべきと考えます。  次に、本日お配りした資料4−2で、日本弁護士連合会が、もう5年も前なんですが、人 権擁護大会で採択した決議を皆さんにお配りしています。文章は長いんですが、いささか古 いんですが、逆にいうと、5年も前から我々はこういう考えですということで、重要なとこ ろだけ申し上げますと、通し番号で17ページ、地域で暮らす権利は基本的人権であるという ことで、親会議でも確認された、ここが重要だということです。  もう一つ、資料4−1、この会議に当たっての思いです。(1)自立支援法への反省を基本と して、新しい法律をつくっていきたい。障害を自己責任と感じさせる仕組みが障害福祉の本 質に反していたという反省です。  (2)法の下の平等の実現、個人の尊厳の保障、生存権の保障という日本国憲法の定める基本 的人権を実現することが、今度の法律の根本原理と思います。  (3)みんなに愛される法律をつくろう。自立支援法は多くの障害者、市民から嫌悪された法 律です。私たち55人委員会は、みんなから愛される法律をつくりましょう。  (4)出身母体から自立した委員であろう。皆さん出身母体を背負った方が多いけれども、55 人委員会の一員として、一致協力して、出身母体の利害に過度にこだわることなく、また過 去の自分の言動にも縛られることなく、良心に照らして、いい法律をつくりましょう。  (5)は、先ほどの当面の意見というのは、実行が容易なことだと思いますが、来年度予算で は実行していただきたい。  (6)理想の法律に予算の裏づけを確保するために、障害者問題に関心のない方を巻き込むよ うな大キャンペーンが必要だと思います。  以上です。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  続いて、増田さん、お願いします。  ルビなしで171ページ、ルビつきで223ページ、点字は47番目の資料です。 ○増田委員  やどかりの里の増田です。  私は、さいたま市で精神障害のある方たちの地域生活支援をしている団体で働く職員で す。私は、55人委員会と自分では言っているんですけれども、ここに皆さんと一緒に座って いること、大変責任の重さを感じています。それは今までは国が示す様々な案に意見を言う、 それがこういう国の会議の在り方でした。でも、今は、私は多分発言をするということより も、いろいろな障害、あるいは領域の方たちの意見を聞くことに大変大事な役割があるとい うふうに感じています。その様々な意見の中から、みんなで一つのものをつくっていく、そ ういう責任のある局面に立っているんだなというふうに実感をしています。  そのときに、やはり精神障害は、欧米諸国から50年の遅れ、そして日本の中の難病や発達 障害、高次脳機能障害といった谷間にいる人たち、そして声を上げたくても上げられない人 たち、そういう人たちのことを聞き分けて、新しい法律をつくる、そういう責任がこの55 人委員会にはあるのだというふうに感じています。  それで、そういう前置きの中で、とりあえず緊急かつ重要なというところを私の視点でお 話ししたいと思います。  まずは、前回もいろいろ出たんですけれども、障がい者制度改革推進会議ですか、その会 議の設置法がないよねという問題が出ました。やっぱりこれだけ皆さんが力を合わせて議論 をし、そしてひしひしとここに参加されない方たちの障害のある方、家族、そして関係者の 期待と願いと思いが、この推進会議本会のほうと部会に本当に強い思いが寄せられているん ですね。これが単にみんなで言ったよねというお祭りに終わらせないためには、きちんとし た責任を担保できる、そういう仕組みが必要だというふうに思っています。  そして、今日この後、ワーキンググループのご説明があるんだと思うんですけれども、実 態を把握する、これが本当に日本の中ではなかったですよね。日本の障害者は、人口の約5 %、EUの諸国では10%です。この差はどこにあるのでしょうか。やはり障害をどう見てい くのかというところに本当に大きな格差があるというふうに感じています。  実態調査をするときのポイントとしては、障害のとらえ方を改めていく、そこにやっぱり 大きな問題があるし、障害の分野では有名な言葉なんですけれども、精神の分野では、「我 が国に生まれたる不幸」という言葉があるんですね。これは何十年も前の呉秀三さんの言葉 ですが、実はこれが生きています。そして、さらに今は「我がまちに生まれたる不幸」とい う現実があるんです。市町村格差がこんなに広がって、だれもそこを把握していない、これ でいいんでしょうか。自治体間の格差も、きちんと実態の把握をしていかなければならない。 実態把握のワーキングチームに課せられる課題は大変に重いというふうに思っています。  そして、とりあえず自立支援法の応益負担の影響を薄めるための緊急対策をしなくてはい けない。基本合意文書もありましたけれども、自立支援医療の無料化、それから利用料負担 軽減のための収入認定は、あくまでも障害者個人の収入にする。配偶者のいることで、大変 重い負担を課せられている人たちが大勢いるわけです。そこをきちんと緊急に見直しをして いかなきゃいけない。  それから、先ほども皆さんから出ていましたけれども、介護保険優先の制度、これもどち らを選択するかは、その人の選択にゆだねられる、そんな制度にしていかなければいけない と思います。そして、いろいろ議論がありますけれども、私の立場では、応益負担とセット で導入されている日額払いはやめるべきだというふうに思います。根本問題はまだまだある んですけれども、これからに譲っていきたいと思います。  最後に、精神保健、精神医療の分野で、今、松沢病院の岡崎院長を中心に「こころの健康 政策構想会議」というものが開かれています。ここ数カ月、土日を使って、精力的な議論を して、国に精神医療改革や精神保健改革の提言を行います。その内容の中には、障害者福祉 施策を拡充しなくては解決しないことが山積みです。精神医療、精神科のベッドを減らして いくときには、やはり精神保健福祉が充実しなくては、絵にかいたもちになってしまうんで すね。ぜひ推進会議のほうでも、この総合福祉部会のほうでも、構想会議の提言をお聞きい ただいて、一緒に議論していく、そんなことも進めていきたいと思っております。  以上です。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  続いて、三浦さん、よろしくお願いします。  ルビなしで173ページ、ルビつきで225ページ、点字資料は48番目です。 ○三浦委員  55人委員会の53番目の委員でございます。全国身体障害者施設協議会、熊本県愛隣館の三 浦と申します。発言の機会をありがとうございます。  私は、3つのポイントで当面の現実的な課題を申し上げます。  まず、1番目に、地域生活支援の基盤づくりについて述べます。昨年10月に知的障害者と 精神障害者に遅れて、身体障害者のケアホーム・グループホームの利用が認められました。 中間的な住まいの制度化により自立生活への道が開けて、居住の場の選択肢が増えたことを 喜びますが、実用上の課題もあります。具体的には、バリアフリー化、トイレなどの改修、 居室面積の確保が必要です。重い障害のある人々の地域移行が実現できるよう、ケアホーム ・グループホームでの生活を望む方々への家賃補助とともに、ケアホームの質的、量的整備 を進める施策を要望します。  また、特に区分5・6のケアホーム利用者の生活を支えるには、ホームヘルプサービスが 不可欠です。ケアホーム・グループホームで生活する方々のホームヘルプサービスの利用に ついて23年度末までの経過措置ではなく、恒久的な制度化を求めます。現行のスタッフ配置 基準では、必要な夜間の支援体制をしくことが困難です。  次に、ご家族のレスパイト、地域生活移行した方の体調不良時、あるいは自然災害のおそ れあるときなどの地域生活のリスクへの対応にも有効なショートステイの充実を要望しま す。  また、昨年、私たちの身障協で行った個別支援計画に具体化されなかったニーズ調査の第 1位は、外出の個別支援ニーズでした。社会参加を広げるために、移動支援の個別給付化と、 施設を住まいの場とする利用者が活用できる仕組みを要望します。  2点目は、報酬算定ルールの改善についての意見です。常時介護を必要とする人々の介護 は、昼夜、土日を問わず、24時間365日実施しなければ、生命と生活を維持できないもので す。しかし、自立支援法において、支援を必要とする全ての人々に日中活動を保障するとい う目標はよいのですが、日中と夜間支援を分けて、報酬算定されるルールの下、日中の生活 介護は、一月に22日間しか支給されない制度設計には、当初から疑問があります。活動であ れば、土日は休む場合もあると思いますが、介護は休めません。プログラムを工夫しても、 土日においても平日の約8割の職員配置が必要ですが、土日の報酬は夜間支援のみ、平日の 約2.5割という現状です。利用者ニーズとサービスの実態に合わない報酬算定ルールの改善 を要望します。  それから、3番目は、地域と施設における医療的ケアの提供体制について提案させてくだ さい。障害のある人々の生活の場において、呼吸すること、吸引や人工呼吸器の管理、食べ ること、経管栄養、排せつすること、カテーテルや排便のケアなど、生活支援行為としての 医療的ケアが受けられることを求めます。安全性に配慮し、医師、看護師等との適切な連携 の下で、また、一定の実務研修等を要件として、介護職員による医療的ケアの実施について の規制緩和が地域、施設を問わず必要です。この総合福祉部会において、同様のご意見に大 変意を強くしております。優先して議論を願います。  それから、国庫負担基準額ではなく、個別支援計画によるホームヘルプの必要な支給決定 と併せて、障害福祉サービスに制度化されていない訪問看護の個別給付が実現すれば、より 重度の方々が地域生活を目指せるのではないかと思います。  また、自立支援法における看護師の配置基準は、生活介護の単位ごとに「1以上」とされ ており十分なケア体制が確保されていません。身障協に加盟する各施設では2〜3名は加配し て対応していますが、その評価も十分ではありません。一方で、医療的ケアが必要な方々は 増加していているにもかかわらず、夜間看護体制をとることが困難であり、夜間を中心に介 護職が対応を行っているところもあります。合法的でないことと同時に、施設では組織的、 継続的に実施することから、事業所の覚悟が要ります。また、介護職員の心理的な負担が強 く、一定割合以上の医療的ケアが必要な方々を受け入れ切れない状況もあります。ショート ステイなども同様の課題を抱えています。  医療側との合意、それから社会的認知を図ることなど、医療的ケアが行える環境整備を、 現在2,000名以上の方々が経管栄養を必要としながら暮らしておられる等、その他の医療的 ケアを含め必要とされる方々が日々暮らしておられる生活施設である私たちの協議会から 求めます。どうぞよろしくお願いします。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  続いて、光増さん、お願いします。  ルビなし資料で175ページ、ルビつきで229ページ、点字資料で49番目です。 ○光増委員  こんにちは、障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会の副代表の光増で す。  前回と今日、多くの委員の方がグループホームやケアホームの問題の意見を多く述べられ ているのを聞いて、すごく心強く思っております。学会という名前をつけていますけれども、 グループホームで生活する入居者や世話人やスタッフやいろいろな方がグループホームを 日本全国に多くしていこう、いろいろな問題の課題を解決していこうという政策提言等をし ております。今日は限られた時間ですので、グループホーム・ケアホームの問題に関して、 的を絞ってお話ししたいと思います。  まず、1番目は、グループホーム・ケアホームの名称をグループホームに統一しようとい うことです。これは自立支援法ができるとき、わざわざ名称を分ける必要がないんじゃない かという論議をしました。だけど、残念ながら、グループホーム・ケアホームの名称になり ました。今、グループホームと一般国民に言うと、多くは認知症の高齢者のグループホーム に誤解される人たちがいます。ぜひ本来は障害の人たちから生まれたグループホームの名前 をもっと確固としたものにしていただきたいと思います。  グループホームなどで生活できる所得保障を。多くのグループホームで生活している人た ちは、障害基礎年金2級だけの収入で生活しているのが多くて、生活は大変苦しい実態があ ります。グループホーム等から通所施設に通っても、工賃が少ない人たちが多い実態です。 したがって、グループホーム等の家賃補助の早期実現を求めることを大きく来年度に向けて 提案したいと思います。  自立支援法ができるとき、附帯決議で所得保障をと声高く多くの国会議員は挙げられまし た。しかし、所得保障がないまま、脆弱な今の所得の中で、地域生活する多くの人たちのこ とを考えると、とにかく家賃補助的、補足給付的な考えで、来年度はぜひ実現するのを最大 の課題の提案にしたいと思います。北海道は、まだ家賃が安いんですけども、都会だと家賃 が高くて、グループホームの生活をあきらめている人が多くいます。  また、入所施設の利用者と比較しても、入所施設の利用者は、補足給付の考えで、年金が 2級の方は2万5,000円、1級の方は2万8,000円、60歳以上は3万円が手元に補足給付で残 ります。自立支援法の利用者負担の見直しで、4月からは非課税世帯の方はゼロ円になりま したから、多くの重症心身障害児施設に入所なさっている方は2万4,600円の利用者負担が ゼロになり、入所施設を利用している障害基礎年金1級の人の利用者負担7,000円から8,000 円の人もゼロになりました。しかし、年金2級の人の利用者負担は変わらないわけですから、 2万5,000円で医療費やその他の生活を見るというのは非常に大変です。  同じことがグループホームにも言えます。グループホームの工賃収入等で利用者負担をか かっている人たちは、利用者負担はゼロになります。しかし、もともと工賃収入がない障害 基礎年金2級で、わずかな工賃で働いている人は、手元に残るお金はわずかです。そういう ように利用者負担はゼロになったけども、基本的な所得の問題は何ら解決していなくて、格 差がますます広がっている現状があります。これをぜひ皆さんご理解していただきたいと思 います。そういう意味では、ぜひ補足給付的な課題で、家賃補助をすることで、少なくとも 所得保障が実現する間、急場をしのげるのではないかと思います。  障害福祉サービスがゼロになることによって、今まで障害福祉サービスと介護保険を併用 していた人たちは、非常に生活が苦しくなっております。介護保険の1割負担を強いられて います。そういう問題もあります。  それから、グループホームの報酬は月額にすべきだと思います。世話人さん、支援員さん は、月額できちんと保障すべきだと思います。  それから、入居する前、先ほどほかの委員からもありましたけども、施設入所をなさって いる方、精神科病院に入院している方、あるいは在宅の人たちが、グループホームに入居す る前にきちっと相談支援事業を使って、入居しても、それから入居した後も相談支援がちゃ んと使えて、孤立化しないような努力も必要だと思います。  それから、報酬のさらなる見直しを。昨年4月、大きな報酬改定がありましたけども、今 回、特に夜間支援体制の報酬が十分ではありません。3月、北海道で認知症の高齢者のグル ープホームの火災があって、認知症の高齢者のグループホームと夜間支援の在り方は違いま すけども、実態に合った夜勤、宿直、夜間巡回等でやっている実態があります。ぜひこの実 態に即した加算の制度を取り入れてほしいと思います。  それから、グループホームでのホームヘルプサービスが区分4以上でないと使えないとい う枠があります。身体障害の人も、グループホーム利用等が可能になったので、個別給付の ときの区分の撤廃と、国庫負担基準の見直しをぜひしてほしいと思います。先ほど清水さん から発言があったように、西宮とか、伊達は、ケアホームに住んで、個別のホームヘルプ330 時間で、すごく質の高い支援を受けて、地域生活している人たちもいます。  昨年4月からできた体験入居に市町村が制限を設けているところもぜひ撤廃してほしい と思います。  グループホーム等の入居者がいろいろなグループホームの評価をしています。今度、時間 があれば、入居者の代表の人たちの意見も、この場で聞いていただきたいと思います。  最後、グループホームは、非常に今、危機的な状況になっております。消防法で社会福祉 施設として位置づけられましたけれども、一方では、建築基準法で寄宿舎や共同住宅への用 途変更をしないと、新たな新築を認めない、増改築を認めない、あるいは認可さえも認めな いという自治体が出てきています。これは地域生活移行に対して、大変なブレーキになって おりますので、これも省庁間のぜひ早目の調整をして、方向性を出していただきたいと思い ます。  地域生活の移行は、グループホームがまず拠点だと思います。入所施設、精神科病院から の地域移行も含め、あるいは在宅からの地域移行も含め、重要な選択肢だと思います。個室 の部屋で暮らす環境が提供され、安心、安全、快適に暮らせるかが重要なポイントです。所 得の少ない人が障害基礎年金だけで暮らせるかも重要なことです。  これらの課題を解決し、多くの人がグループホームなどで生活できる社会を皆さんと協働 でつくる必要があるのではないかと思います。グループホームなどは、ついの住みかではあ りませんが、ついの住みかとするか否かについても、利用者が自己決定し、そのためにもい ろいろな支援を組み立てていく地域の暮らしの場だと思います。  以上です。ありがとうございます。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  最後になりましたけれども、宮田さん、よろしくお願いします。  ルビなし資料で179ページ、ルビつきで235ページ、点字資料では51番目です。 ○宮田委員  今年度、知的障害、肢体不自由、そして難聴の通園施設と児童デイサービス事業を統合し て立ち上げました全国児童発達支援協議会でございます。障害児通園施設の立場に立って、 意見を述べさせていただきます。座らせていただきます。  まず、3月30日の改革推進会議で、通園施設の存在を問う意見が出されたことですけれど も、これまで聖域として議論されることの少なかった通所型施設、特に障害児通園施設の必 要性にまで踏み込んだ議論がなされたことについては、当協議会としては歓迎の立場で今後 の議論に加わりたいと思います。施設は、地域や家族、そして保育所や学校、企業に力があ れば、基本的に存在の必要性はなくて、そして世界に冠たると言われる我が国の早期療育体 制でさえ、障害のある人や子供、その親、家族の福祉制度への不信と未来への不安という土 壌の上に発展してきたというふうに考えることもできます。だから、全ての施設の存在意義 を問い直す方向で、改革推進会議が進められることに異議はございませんし、むしろそうし ていただきたいと考えております。  その中で、なぜ施設が必要であったのかということを問い直して、障害児については、保 育所等の地域資源のレベルアップと育児支援の強化、そして地域変革に向けた現行制度の抜 本的な改革を進めていただきたいというふうに考えております。そのツールこそが、障がい 者総合福祉法であると期待するとともに、我々通園施設にも地域変革という新たな任務を与 えていただきたいというふうに考えております。  通園施設の立場から、当面必要な対策を述べたいと思います。今日配られた資料集の25 ページにまとめてあるので、また後でお読みいただきたいと思いますが、要点だけ述べます と、まず児童福祉法と自立支援法に分断されている障害児施設を児童福祉法に一元化して、 まず全ての子供が当たり前に受けている支援を受けた上に、障害に対する支援を受けられる という仕組みが必要かと思います。  加えて、自閉症等の発達障害の子供たちの支援というものが大きな課題になっております が、診断されにくく、見えにくい障害と言われているこのような障害に対しても、障害の確 定を待たず、気になる段階から支援が開始できる制度の改革が必要かと思います。  2番目に、設置状況に地域格差が大きく、かつ障害種別に分かれていて、利用しにくい障 害児通園施設の一元化と、人口の少ない地域でも設置できる簡易な育児資源である児童デイ サービス事業の設置の推進が必要だと思います。その結果、生まれ育つ地域にできるだけ近 い場所で発達支援や育児支援が受けられる体制の整備が図られなければならないと思いま す。  3つ目に、家庭への育児支援や保育所、学校などの障害児支援機能のレベルアップに向け た巡回訪問型の支援の制度化が必要かと思います。その結果、施設は地域変革の資源となっ て、施設に通わなくても、家庭や地域で育てられる体制づくりが進むと思います。  4番目に、同じ障害のある子供でも、入る施設が違うと、給付額が異なるという状況があ ります。当然施設の一元化とともに、現在、施設ごとに設定されている給付額が、支援の必 要度や障害の程度の評価に基づいて、子供一人一人に設定される仕組みが必要かと思いま す。  最後に、資料の30ページの中段の図のように、地域格差の解消のために、都道府県域、障 害保健福祉圏域、市町村という地域階層別に入所施設、通園施設、児童デイサービス、保育 所などの役割を明確化して、重層的な支援体制を構築する必要があると思います。その結果、 どんな地域で生まれても、どんな障害があっても、適切な支援が受けられる体制整備が図ら れることになると思います。  以上、施設がなくても、安心して地域で暮らし、当たり前に地域で育ち、当たり前に地域 で暮らしていける社会をつくれる障害福祉制度を創設していただきたいと期待して、発言を 終わりたいと思います。 ○佐藤部会長  どうもありがとうございました。  これで委員の皆様全員のご意見をお聞きしたところです。これらをどうまとめるのかとい うことが課題になるわけですけども、新しい法律をつくっていくことも含めて、今後、この 部会でどのように進めていくのかということに関して協議をしたいと思います。  まず、協議の前提として、今後の大きな進め方の日程感といいますか、まだまだ工程表を つくるというところはすごい困難なことだと思いますけども、大まかな日程感を確認するた めに、事務局に資料を作成していただいております。事務局から資料7−1と7−2、資料 7の障害保健福祉施策の改革に向けた進め方についての説明をお願いしたいと思います。 ○東室長  どうも皆さん、ご苦労さまでした。膨大な議論がなされてきたわけですけども、当面必要 な課題につきまして、事務局のほうから一応の整理案を6月1日、次回の会議で整理案を出 して、皆さんのご意見をいただきたいと思っております。まとめという形にまではならない だろうと思いますけども、整理案を推進会議の第1次意見書の中にどういう形でか入れ込み たいというふうに思っているところなんです。それで、推進会議の取りまとめがある程度進 んでいく中で、そこに間に合わせるということも必要なわけですので、できれば6月1日に 皆さんの意見をまとめていただくという日にしたいなというふうに思っているところです。  次に、それ以降の本格的な法制度の制定に向けての動きの大まかなスケジュールなんです が、6月1日に整理案を出した後、次回が6月22日でしたか、6月22日からは、事務局のほ うから一応総合福祉部会の議論に必要な論点というものを提示いたしまして、その論点に基 づいて、意見書を書いてもらって、議論を進めていくという形でやっていきたいというふう に思っております。めどとしては、23年の春から夏までを考えております。およそ1年を過 ぎる期間になるかと思いますけども、その間において、新たな制度の仕組みについて皆さん 方とご議論を継続した形で進めていきたいということです。  それで、まとめをつくりまして、総合福祉法の内容について提言を出していく。それを受 けて、厚生労働省において、平成24年の通常国会に法案を提出するように目指していくとい うことです。それで、最後は25年8月までに実施ができるようにするという、基本的には、 大枠の大枠でしかありませんけども、現在、そういう想定の下にやっていきたいというふう に思っております。  これからやり方としての議論も、後で皆さんからいろいろな議論、ご意見が出てくると思 います。この55人の本会議みたいな形をずっと継続してやるのか、それとも月1回の間に分 科会的なものをつくるのかとか、いろいろな進め方についても意見をいただきながらやって いきたいなというところです。  私の説明としては以上でございます。 ○佐藤部会長  そうしましたら、この資料7−1の3番目の全国障害児・者実態調査(仮称)については、 厚労省の藤井課長、お願いします。 ○藤井課長  それでは、私のほうから資料7−1の3番につきましてご説明をさせていただきます。  全国障害児・者実態調査(仮称)についてでございますが、そこにございますように、本 総合福祉部会の意見を聞きながら、ワーキンググループにおいて調査項目等について検討 し、22年の秋ごろから試行調査を実施したいと考えております。それを受けまして、23年度 に本調査を実施するという段取りでございます。試行調査及び本調査の結果につきまして は、本部会におきます障がい者総合福祉法、これも仮称でございますが、これの検討ですと か、あるいは施行準備の際の基礎資料として活用するということを考えてございます。  それで、この調査につきましては、次の資料7−2をお開きいただけますでしょうか。  前回、4月27日の開催の総合福祉部会におきまして、全国障害児・者実態調査に関するワ ーキンググループの開催につきまして、ご提案をさせていただいたところでございました が、その際に今後の検討の進め方につきまして、ご意見をいただいたところでもございます ので、具体的にどのような点につきまして、部会等の意見を聞くかなどにつきまして明らか になるように、部会長、副部会長とも相談をさせていただいた上で、資料7−2の4番目、 今後の進め方とございますけれども、そこにございますように、今後の進め方、追記をした 上で、ワーキンググループを開催させていただくことというふうにしておりますので、報告 をさせていただきます。  そこにございますが、今後の進め方でございます。調査の在り方につきましては、まず1 番で調査の対象者、あるいは方法等の基本的な設計等につきまして、本総合福祉部会の意見 を聞くということが一つ。  それから、2つ目に、調査票の具体的な内容につきまして、本総合福祉部会の障害者(本 人、家族等)の団体の代表でございます構成員の意見につきまして、個別に聞かせていただ くということ。  それから、(3)といたしまして、その他必要に応じまして、中小規模の地方自治体等の意見 を個別に聞くと。こういったことを適宜行いながら検討を進めることとしたいというふうに 考えております。  以上でございます。 ○佐藤部会長  今、3つの今後の進め方についての提案といいますか、紹介がなされました。  1つは、前回と今回のこの部会で意見発表いただきました当面必要な対策についてどうす るかということ。  2番目は、これがこの部会の一番大事な、推進会議から頼まれていることですけども、新 しい総合福祉法の内容をどうするか、その検討をどういうふうに進めるかということ。  3番目が、そういう検討、内容づくりをする上からも必要とされる実態調査の進め方、特 にその中でのワーキンググループを発足させて、この部会の意見を聞きながら、ワーキング グループでの素案に基づいて、部会での意見を聞きながら進めていくということを進めたい という、その3つの提案があったかと思います。  それで、一緒にやると混乱しますので、一つ一つやっていきたいと思うんですけれども、 当面必要な対策についてということで、東室長から、6月1日の次の第3回目の部会で、予 め部会長、副部会長の三役で整理をした内容を基にして、討議をして、さらに意見を追加、 修正をして、素案につけ加えるべき点、変更するべき点などの議論を踏まえて、6月7日に は親会議として、第1次の意見書というのをつくる予定になっていますので、そこにも間に 合うようにこの部会から推進会議の議長宛てに報告をすると。  総合福祉法ができるといっても、まだ3年間は時間がかかるので、放置できない当面する 重要な課題について、我が部会はこのような意見を持っていると、部会のメンバーの意見を 整理するとこういうことになるということの報告を、推進会議議長に6月7日の推進会議と しての意見書のまとめに間に合うような形で出すということになろうかと思います。  そういうような当面の第1回、2回、3回の部会で、当面の課題については、一応の整理 をして、本格的な法律の準備に第4回からは入っていきたいと。6月22日からは、新しい法 律の在り方についての議論を始めていきたいというのが第1番目の提案かと思います。いか がでしょうか。  中西さん、お願いします。 ○中西委員  自立生活センター協議会の中西です。ありがとうございます。  今、ご説明を伺ったのでは、6月1日にこちらに提案を出されて、その1日の審議だけで、 本会のほうに7日に上げられるというふうな筋書きですよね。それで、議論について、1週 間の期限しかなく、そこで意見が出されるということは、我々のほうには当然6月1日の前 に文書が回されて、意見を言える機会が与えられるんだと思いますけど、そのことが第1点。  それから、もう1点は、7日に親会に出されたものは、親会のほうで、きのうは親会のほ うでは中間まとめを出すんだということで、次回の一応、章立てをされた東提案というのが 出たようですけれども、それとこの会議との関係性、それをどういうふうに考えられている のか。  それから、7日に出されたものが、今度、推進会議本部の鳩山総理のところに出される必 要があると思いますけれども、予算をめぐっての問題ですから、その日程などについて伺い たいと思います。 ○佐藤部会長  第1番目の点については私のほうから、第2番目と3番目については東室長のほうから答 えていただくということでいきたいと思いますけども、当面こういうことが必要だというこ とで、皆さんから文書でも意見が寄せられ、前回、今回、口頭でも意見発表がなされました ので、それらを基にして、三役のほうで項目別に整理をして、皆さんの意見の中には、新法 でこうするべきだという、新法についての意見もあったので、それは第4回目以降で取り上 げるとして、当面必要だということについてを中心にして、項目別、例えば利用者負担だと か、事業体系だとか、項目が分かれると思いますので、あるいは所得保障だとか、ちょっと 福祉以外のことも出ていたと思いますけども、そういうふうに区分けをして、こういう意見 が出てきたと。場合によると、日額制と月額制のように、若干違う意見もあったわけですけ ども、そういうものは、それなりの意見が違う部分も含めて、とにかく55名は当面こういう ことが必要だというふうに訴えているということの整理をしたものを、今日が18日ですけれ ども、24日には皆さんのほうに整理素案ということでお示しをして、二、三日のうち、26 日になろうかと思いますけども、それまでに締め切りをして、特に意見がある場合で結構で すけれども、つまり素案の中に自分の言った意見は全部入っているので、これでいいよとい う人は意見を出さなくてもいいわけですけれども、自分の言ったこの点が入っていないでは ないかとか、この項目はむしろ大事なので、2つに分けて整理をしたほうがいいとか、1つ にまとめたほうがいいとか、いろいろな意見があろうかと思いますので、そうした意見を26 日までにメールでいただくと。  どのくらい時間があるかにもよりますけども、恐らくそれを点訳する作業と、そのまま名 簿順に並べて、資料としてメールで皆さんに6月1日以前にお送りして、目を通しておいて いただくということができると思います。それで、一致している、合意がほとんど得られて いる部分については、6月1日に一々議論する必要は余りありませんので、特にこういうこ とは推進会議議長に出すべきではないとか、意見が割れている部分を中心にして、6月1日 の議論をしたいということです。  ですから、中西さんの質問については、24日に我々のほうで素案を皆さんにお送りして、 それについての意見を二、三日後、26日までに締め切りでいただくと、そういうチャンネル を入れようというふうに考えています。  2番目、推進会議の第1次意見の関係と当面の課題とどういうふうに整理をするのかとい うことと、それを本部のほうではどういうふうに扱って、予算化などに使うのかというのが 3番目の質問だったと思いますので、東さんのほうから答えていただきます。 ○東室長  東です。  推進会議でこれまで議論してきたことは、障害を持つ人たちが暮らす上で関係するあらゆ る分野についてなわけです。ですので、関係分野は非常に広いわけです。そこの関係分野に ついて詳細な議論をするということは不可能な話だったわけで、話ができたのは、極めて大 枠の話をしてきたわけです。その大枠を取りまとめて、内閣がやるべき基本的な方針として、 骨格を決定していただくというような流れで考えているわけですけども、その中に当面必要 な課題ということで、皆さんのご意見を詳細にわたって述べるということは難しい、基本的 にはできないというふうに思っています。  しかしながら、やはり皆さん方のまとめを別添みたいな形でつけて、それを引用する形で、 ここでの議論に基づく当面必要な対策をすべきだとか、そういうような形で盛り込めればな というふうに思っているところです。今できないと申しましたのは、バランスの関係もあっ て、例えば差別禁止法について、どのくらい書けるかというと、それ自体で何十ページも書 けるわけではないわけです。基本的な方向性を決めていくというか、こうすべきだという方 向性を出すということですので。ですので、詳細な議論については、添付という形で、書い てもらったものを引用する形で触れていくと、そういうような形で考えているところなんで す。  その第1次意見書が大体まとまるのが6月7日ぐらいというふうに考えております。です ので、少なくともそれまでの時期に出していただきたいというふうに考えているわけですけ ども、それが出されて、6月7日に一応の案ができれば、6月の中旬ぐらいに推進本部を開 いていただいて、その意見書を基に閣議で基本方針を決めていただくという、そういう流れ で考えております。  大まかなところですけれども、以上です。 ○佐藤部会長  当面の必要な対策についての取り扱いの仕方について、また皆さんの意見を聞く機会が、 メール等での機会と6月1日とありますので、そのときにまたご意見をいただければと思い ます。  どうぞ、河崎さん。 ○河崎委員  日精協の河崎でございますが、一つだけ、もう一度確認でお聞きしたいと思います。  6月7日の親会議に向けての今回部会から出すものに関しては、当面の課題についてのみ に限定してということでよろしいわけですね。今回のいろいろな各構成員の意見の中にも、 多くの意見が非常に幅広くあったかと思います。こういう中の一つ一つの問題に関しまし て、例えば新しい障がい者総合福祉法の中で論ずるべきものは、またそのチャンスは今後我 々の部会の中にも当然あって、そこで論議を深めていけばいいという認識でよろしいという ことですか。 ○佐藤部会長  そういう認識で結構です。そのとおりです。 ○河崎委員  といいますのは、1点だけ少し述べさせていただきたいのですが、今回の各構成員の意見 の中にも、私どもが直接関係いたします精神保健福祉法等についてのご意見も多々ございま した。私は特に今回はそれについては何のコメントもいたしませんでしたが、そういうこと に関しましては、当面の課題ということではないと思って、そういうふうに対処したつもり でございますが、今後はそういうものについては、新しい法律の中でどういうふうに取り扱 っていくのかという部分での発言チャンスなり、あるいは意見の陳述等もできるというふう に認識をしているということの確認でございます。 ○佐藤部会長  そういう認識で結構ですというか、そういう認識で我々もおります。 ○河崎委員  ありがとうございます。 ○佐藤部会長  斎藤さんと広田さんの順でお願いします。 ○斎藤委員  共同連の斎藤です。  部会のほうから当面の対策で上がってきたことを、推進会議でまとめて出されたとしたも のは、当然来年度の概算要求に係ることだということで聞いているわけですが、その多くは 厚労省の予算に関わることだと思うので、それに対する厚労省の扱いというのはどういう扱 いになるのでしょうか。 ○藤井課長  そこは厚労省だけでなくて、各省もそうだと思いますけれども、そもそも推進会議がまと められるものが、政府全体の中でどういう位置づけになるのか等々、私どもまだ省としてお 伺いをしているわけでもございませんので、そこは今の段階で私ども何とも申し上げようの ないところでございます。 ○佐藤部会長  では、広田さん、お願いします。 ○広田委員  いろいろな意見を50何人して、私も発言させていただいたんですけど、この国はお金がな いと、恐らくこれからもないでしょうということです。税率を上げていったとしても、もと はないと思うんです。そういう中で、4回目から総合福祉法の新法に入っていくというんで すけど、前回も私は申し上げましたけど、自立支援法の与党側の参考人で、さっき増田さん が感情を込めてお話しになった、社会的入院の解消のために前向きに検討していただきたい ということをお話ししたんですけれども、それとこれだけ問題が多いと言われている自立支 援法に全く手つけずに、それでいきなり幼稚園の子が大学院に行っちゃうみたいに、3回目 で全てを解決して、4回目から総合福祉法に行って、そんなに世の中うまくいくのかしらと 私はちょっと思うんですけど。 ○佐藤部会長  2番目の課題のところでも東さんから説明があったように、また基本合意書の中でも、 2013年8月には新法を制定するじゃなくて、実施するというふうになっているわけですね。 そういうデッドラインから逆算していくと、新法の議論というのは来年の夏くらいまでだろ うと。あとは法制局で法制化の技術的な段階に入るということになるので、そうなると、本 当に新しい対象も広げるし、支給決定の仕組みも変えるような抜本的な改革を、1年間しか ないわけですよね。  当面必要なことということについて、余り議論をしないで、聞いたことを整理して出すと いうのは何事かというようなおしかりだと思いますけども、当面必要なことの優先順位をど うするかという議論をここでしたり、幾つか意見が割れている日額、月額の決着をつけたり、 そういうことをしていると、ほとんど8月、9月くらいまで当面対策で動きがとれなくなっ てしまって、その分、もっと本命の役割である新法づくりの検討の時間がなくなってしまう というのが一番心配なことなんです。 ○広田委員  おしかりはしていません、別に。私は疑問に思っているだけですから、そんな被害的にな らないでください。要するにお金がなくて、支援費が破綻して、自立支援法が来て、今度、 総合福祉法に行くときに、金があるかと言ったら、ないでしょうという話をしていて、それ でふたをあけて、総合福祉法がぽしゃったんじゃよくないから、でも先が決まっちゃってい るのは仕方ないですけど、私は非常に初歩的な、幼稚園児が大学院に行っちゃっていいのか なと。義務教育が終わって、高等に行って、大学に行って、大学院じゃないのかなと思って 聞いただけで、多くの方が自立支援法に物すごく廃止ということで、裁判も負けていますか らね、法律そのものは。私も法律にはいっぱい不備があったと思いますけれど、そういうこ とで聞いただけで、先の法律が決まっちゃっているからというならば、富士山から灯油でも 出てこなきゃいけないのかなというふうに思いますけどね。おしかりじゃないんです、疑問 です。 ○佐藤部会長  そうですね、自立支援法がなぜ悪いのかということの議論をきちんとしないで、新法づく りといっても、夢物語になりかねないという、そういうことでしょうから、基本議論の中で、 第4回目以降の中で、現状の問題点の指摘も十分検討することになろうかというふうに思い ます。  中西さん、どうぞ。 ○中西委員  今、藤井課長の発言というのは、僕はけしからんと思うんですね。これだけの55名の委員 が新法について、これから議論していくというのが、厚労省はそれはどういう位置づけなの か分からんという発言をしているわけで、やっぱりこれは厚労大臣が自立支援法を廃止し て、新法をつくるんだと上司が命令したわけですよね。藤井課長は、それについて、ここの 議論は厚労省は知らんということはあり得ないと思うんだけども、今の発言は撤回してくだ さい。 ○藤井課長  私が申し上げたのは、今日も前回もそうですけれども、ここでいただいている意見自体の 扱いがどうこうということではございませんで、次回まとめていただいたものを、先ほど東 室長のほうからありましたように、推進会議本体の基本方針の取りまとめの中につけていく というようなお話でございましたから、かつ先ほどのご質問は、私の理解では、そこにひっ つけた今回の当面の措置を整理したものについて、まさに推進会議が取りまとめた基本方針 の中の一部として、はめ込まれた当面の措置、部会で整理された当面の措置について、厚労 省として、概算要求との関係でどのような扱いになるのかというような、そういう指示だと いうふうに理解いたしましたので、そこはまだ政府全体として整理をされて、少なくとも私 はお伺いしていないというふうにお答えをしたまででございまして、当然、前回、今回いた だいているご意見そのものにつきましては、私ども今ここでお聞きをしているわけでござい ますから、次回の概算要求以降、私どもいろいろな施策を検討する上で、当然ご意見として 承っているところでございます。 ○中西委員  確認させていただきますけど、藤井課長としては、我々のこの会議で改正点はこういうも のだということが一致して提案された場合には、厚労省はその予算をとるためにご努力いた だけるということですよね。 ○藤井課長  私どもは、もちろん実際政府全体の方針とか、あるいは概算要求の基準がどうなるのかと か、まだまだいろいろ不透明なところがございますから、何とも申し上げられないところも ございますけれども、いただいたご意見は尊重しながら、今後のいろいろな施策の在り方を 検討していくということでございます。 ○中西委員  じゃあ最善の努力を尽くすということで理解しますので、よろしくお願いします。 ○佐藤部会長  当然これだけ熱心に議論しているわけですから、まとまったものが1枚の紙ぺらにすぎま せんということのつもりはないと私も信じておりますけれども、ぜひ努力を、できるだけ予 算措置を含めて実現するように努力をするのは当然のことだろうと思います。もしその努力 の動きが見られないようであれば、大臣レベルというか、政治的なレベルからも、きちんと した一貫した指導をしてもらわなければいけないのかなというふうに当然のことながら思 っております。  それで、まだ1番目の課題について、いろいろな意見があろうかと思いますけれども、も う5時に近づいていますので……。  野原さん、では簡潔にお願いします。 ○野原委員  一つは確認ですけれども、前回、3回目の会議は6月22日ということでご案内されたんで すけれども、改めて今日、6月1日に第3回をやって、22日に第4回をやると、こういう提 案がされたというふうに受け止めていいのかどうか。 ○佐藤部会長  そのとおりです。 ○野原委員  もう一つは、分科会の設置について、さっき東さんのほうから、もうちょっと様子を見な がらどうするかということで、今のところはまだ決まっていないというようなことなんかが お話だったと思うんですけれども、一つはそれでいいかどうか。  もう一つは、24日に素案が出て、26日に意見を再聴取してという、そういうことというの は分からんことはないんですけれども、事、難病について見ますと、いわゆる措置費が支援 費に変わって、自立支援に変わったという程度の変わり方じゃなくて、非常にドラスチック に大きく変わるということがあるわけです、中身としてね。そうなってみると、どうしても この間やっぱり一定の集団的な検討の場を組織の内部でも持たないと、後でいろいろな矛盾 が出てきてしまうというふうな問題というのが大変心配されるわけです。そういう意味で、 このようなスピードではちょっと対応し切れない、何とかいい工夫がないだろうかというふ うなことを感じながらお聞きしました。  以上です。 ○佐藤部会長  分科会云々の話は、2番目の柱ですね、第4回目以降の進め方ということに関連してのこ とですけれども、そのスピード感というか、24日に素案が出て、26日までに意見を出せとい うのはいかがなものかということのようですけれども、ただ、出した意見が素案の中にきち んと適切に含まれているかどうかのチェックをしていただいて、漏れているものがあるかど うかの連絡を必要に応じて1ページ以内で挙げていただくという作業ですので、そんなに全 面的に検討の時間を必要とするものではないかということで、さらにそのときに意見を十分 に出せなかった場合には、6月1日まで、よく練っていただいて、補足的な発言を1日にし ていただくということでお願いできればと思います。 ○野原委員  分かりました。 ○佐藤部会長  山本さん、よろしいでしょうか。 ○山本委員  3番のところで質問があります。 ○佐藤部会長  そうしましたら、斎藤さん。 ○斎藤委員  心配なのは、本当にこれから私たちが議論していくことが将来どんなふうに扱われていく のかというところにかかって、私たちの本当にやる気に関わる問題だと思うので、要するに 6月中旬には、最終的には推進本部の決定を経るということを東さんはおっしゃったわけな んですけど、推進本部というものは厚労省にとってはどういう重みを持って存在するのか教 えてください。 ○東室長  前提としては、推進本部は、総理大臣を本部長とし、全ての閣僚が本部員となるわけです。 ですから、厚生労働大臣も本部員という形でそこに参画するわけで、そこでの本部開催での 議論、そしてその後の閣議決定という中でも、その事項については、当然厚生労働大臣も議 論を述べて、決まったことについては拘束を受けるという、そういう関係にあるわけです。 ですから、第1次意見の基本方針に各大臣がそれに従うということは、当然義務として出て くるんだろうと思うんです。  そういう推進会議を通した形での政府全体への働きかけという方向と、あと一つは、これ は推進会議の中で、第1回でも私のほうから少し触れさせていただいたところなんですが、 自立支援法違憲訴訟団との合意をしたのは厚生労働省なわけですので、そこでの約束をどう 果たすかという問題も、推進会議、推進本部とはまた別立ての問題として、厚生労働大臣は 負われていると、そういう2つの関係があろうかと思うんです。そういう中で、ここでの意 見がどう扱われるかということになろうかと、そんなふうに思っていますけど。 ○斎藤委員  藤井課長。 ○藤井課長  今、私、お伺いしていて、特段の違和感はないです。 ○佐藤部会長  そうしましたら、第4回の6月22日の部会から新法の在り方についての議論に入るという ことで、東さんから先ほど説明がありましたけれども、これに向けては、事前にこういう柱 で皆さんからの意見をいただきたいということを事前に投げまして、それについての意見を いただいた上で、それを基に22日からの議論を始めると。その論点のフォーマットというか、 項目というか、それについては、既に推進会議でも2月15日でしたか、議論をして、その議 事概要なども今日資料として出していただいていますので、そんなことも参考にしながら、 論点表をこちらから用意して、皆さんのほうに投げると。恐らくそれをするためには、6月 7日の親会議の第1次意見で、福祉についてはこうするというようなことがある程度出ます ので、それを踏まえて、その直後に皆さんにお示しすると、論点表をお送りするということ になろうかと思います。  その後、月1回ほどのペースで全体会を行っていくわけですけれども、恐らく1人5分と いうような発言を機械的にやるということはもうやめにして、意見が割れていることを中心 にして、柱を立てて、議論を何回かすると。必要とあらば、もっと早くにそういう全体会的 なものを中心ではなくて、分科会的なものも考えるということもあろうかと思いますけれど も、どういう点が一致していて、どういう点が意見が割れているのか、そういうようなこと を6月22日、7月くらいに見ながら、その後の運営の仕方は考えると。  全く手探りですので、きちんとした組織方針みたいなものは考えながらやっていかないと いけないので、よい意見があれば、順次また提案していただければと思うんですけれども、 そういう新法のつくり方の議論を第4回目からということに関連して、この点に関してご意 見が特にあればお伺いしたいと思いますけど、いかがでしょうか。  藤岡さん。 ○藤岡委員  事務局の論点出しが6月22日にあると。その論点表というのが決まっちゃうと、議論の枠 というのもかなり決まると思うのですが、その論点表自体に対する意見というのは出せると いう前提でいいわけですね。6月22日の何日か前に論点表が出て、その論点表で欠けている 議論がこういうところがあるじゃないかという、論点の在り方自体が議論に6月22日になる という理解でよろしいわけですね。 ○佐藤部会長  はい、そういう理解でよろしいです。6月22日の議論は、論点表の枠組み、項目の構成そ のものについて、これでいいかどうかという議論をまず行って、それから1つか、2つか、 3つか、個別の論点についても時間があれば議論をすると、そういうことで恐らく6月22 日の最初の部分は、論点表というか、枠組みそのもの、項目がこれでいいかどうかという議 論になろうかと思います。  その枠組みは、6月7日の推進会議で第1次意見というのをまとめた直後くらいに皆さん にお示しする。それについての意見を事前にいただいておいた上で、皆さんからの論点表に ついての意見はこうだったということも事前に皆さんにフィードバックをして、6月22日の 少なくとも三、四日前にはお送りした上で、ほかの人の意見も見た上で、6月22日の議論を お願いするということを考えております。 ○藤岡委員  了解しました。 ○佐藤部会長  近藤委員、お願いします。 ○近藤委員  全国社会就労センター協議会の近藤ですけれども、話がそれて大変申しわけありませんけ れども、どこでお尋ねしたらいいか分からなかったんですけれども、私は我が国の障害者の 就労というのは、やっぱり一般就労と福祉的就労というか、社会的雇用も含めて、その2点 だろうと思います。総合福祉部会のほうで基本的な方向というのは先回示されただろうと思 いますけれども、そのことについて、福祉的就労というか、社会的雇用も含めて、どこか項 目が隠れてしまっているというような感がしないわけではないものですから、ぜひとも項を 起こして、明確に分かるように議論を進めていただきたいなというふうに思います。この点、 東室長さん、どのように考えられているか、ちょっとお尋ねしたいと思います。 ○東室長  東です。  第1次意見をどうまとめるかという議論は、正式に言えば、この場でするべき問題ではな くて、推進会議本体ですべき問題だというふうに認識しております。ただ、おっしゃった点 は、私個人としても理解できるところはありますけども、既に出した論点の枠組みの中で、 言葉としては入っていませんけども、内容としては当然含まれる部分ですので、それについ て、次回までに一応の推進室としてのもの、あらあらの案を提示する予定なんです。それに つきましては、当然公表されるものですので、それについてご意見があれば、推進会議の委 員のどなたかを通じて、意見を挙げていただければというふうには思っていますけども。 ○佐藤部会長  よろしいでしょうか。  そうしましたら、2番目の柱について、新法の準備ということについて。  斎藤さん。 ○斎藤委員  論点表を6月7日直後に出されるということなんですけど、今回、私どもが意見を求めら れたのは、あくまで当面の対策についての話であって、新法制定に向けてのどういうような 課題を考えているのかということは、何ら意見を求められていないんですね。実際は、いろ いろな方がそれについていっぱいしゃべっているんですけど、私はそういうのをむしろ言っ てはいけないんだと思っていましたから、言ってはいないので、だから改めて論点表を決め るのは、そちらのほうで、推進会議のほうで決められるのか、東さんが決められるのか、分 かりませんが、座長が決められるのか、そこら辺は別としまして、要するにそれについて各 委員からはこういう点を議論していただきたいというものを意見発表できるような形の設 定はぜひともしていただきたいと思いますが。 ○佐藤部会長  はい、その予定です。 ○斎藤委員  それはいつまで、6月7日に向けて、直後に向けて。 ○佐藤部会長  恐らく6月9日くらいに論点表を皆さんにお送りして、その後、こういう論点が隠れてい るではないかというような意見を含めて、恐らく1週間くらい後の締め切りということで、 6月15日くらいまでに意見をいただいて、それを整理したものを皆さんにまたフィードバッ クをして、いずれにしろ、論点表についての意見を皆さんからいただくとともに、6月22 日の第1回目のときに議論をして、こういう項目で新法の検討を始めていこうということを 議論していただく機会が、文書と議論とで両方保障されるというふうに考えております。 ○斎藤委員  あくまで論点表が出てからの意見ということで、その前にこちらから意見を出す場はな い、機会はないわけですね。 ○佐藤部会長  出していただいてもいいですけども、どうしましょうかね。こういうのでどうかという案 があれば、出していただいても結構だと思います。助かると思いますので、そういうものを いただければと思います。  どうぞ、河崎さん。 ○河崎委員  日精協の河崎です。  これは要望なんですが、今のようないろいろな今後のタイムスケジュール、あるいはどう いうような手順でという話を、やはりある程度、室長なり、部会長等で腹案があるのであり ましたら、事前にこの会でも、ペーパーベースで出していただいたほうが、皆さんのご理解 が非常に深まるのではないか。前回もそういう印象を受けました。ですので、その辺はある 程度この方向でと、あるいはこういうスケジュールでというものがおありでしたら、次回か らでも紙ベースで案として出していただいたほうが、非常に時間的にも節約になりますし、 皆さんのご理解も深まるのではないか。これは要望でございます。 ○佐藤部会長  そのとおりだと思います。直前にいつまでに締め切ったら、点訳の時間がこのくらいとれ るねとか、そんな話をしていて、なかなか文書にして出すだけのゆとりがなかったものです から、申しわけなかったんですけども、そういう方向でスケジュール感が皆さん共通理解の 下で進められるように努めてまいりたいと思います。  そうしましたら、6月22日以降の進め方については、また6月1日にも若干もし意見があ れば、議論する時間もとれるかと思いますので、第3番目の実態調査についての提案につい ての意見のほうに入っていきたいと思いますけども。  どうぞ。 ○駒村委員  駒村です。  実態調査、いろいろ項目が書かれています。確認というか、これも議論してもらいたいん ですけれども、この調査の性格です。統計法に基づくものであるのか、あるいはこの調査は 単発物ではなくて、きちんと今後、根拠に基づく政策を議論するための定期的に行われるよ うな調査になるのかどうか、そういうところも含めて、ワーキンググループには議論してい ただきたいと思います。  以上です。 ○佐藤部会長  山本さん。 ○山本委員  障害児・者実態調査というと、私、1983年、精神衛生実態調査反対闘争を、そういえば、 ここで団交もしたなというのを思い出すのですが、要するにどういう目的で、どういうやり 方をするか。幾つかの構成員の先生方から、こういうニーズ調査が必要、例えば竹端さんな んかは全員の聞き取り調査が必要だというようなご意見も出て、私もそう思いますし、1983 年のとき私たちは、障害者実態調査ではなくて、精神病院の調査をしろと言ったんです。そ うしたら、1984年に宇都宮病院事件が暴露されたんです。実際、精神病院はまだまだブラッ クボックスです。実態をご存じない方はたくさんいらっしゃいます。  そういう意味では、特に病院の調査というか、入れられている方の面接調査というものを きちんとやるということは非常に重要だと思うのですが、実際、ワーキンググループの作業 手順としては、どのぐらいのペースで原案をお示しになるとか、あるいは意見聴取をいつま でにするとか、既に今日までのペーパーでもいろいろなニーズ把握が必要だという意見は出 ていますけれども、それも含めて、作業手順は、それこそスケジュールはどうなっているの でしょうか。 ○佐藤部会長  資料7−2に示されている大枠の手順しか、今のところないんだろうと思います。もうち ょっと細かいもの、調査票の原案はいつ出るのかとか、そういうようなことをワーキンググ ループのほうで詰めて、この部会で毎回の部会になるのか、2回に1回ぐらいになるのか、 節目節目では、部会に紹介をして、また個別にも聞いたり、あるいはもっとインフォーマル にワーキンググループとこの部会メンバーの有志とで集まって意見交換をするとか、そうい うものを頻繁に開いていく必要があろうかと思いますけれども、いずれにしろ、ワーキング が開けないと、そういう病院の調査をするのかというようなことも含めての素案自体ができ ないので、早急に開きたいということです。 ○山本委員  それはよく理解できるんですけれども、資料7−2、4番、一応この部会の意見を聞きま すとか、障害者団体の意見を聞きますとかいうふうになっているんですけど、それはそれで 意見は言いたいことはありますけれども、そもそも要するに白紙の段階で、例えば障がい者 総合福祉法については論点整理をするわけですよね。そのようにもうちょっと早目に、ワー キンググループでここまでできましたよという前に、既に構成員から出ているニーズ調査の 意見とか、あるいは調査そのものに対する構成員の意見聴取を、何らかの場をつくるという お考えはないのですか、例えば文書だけでも。 ○佐藤部会長  それもあり得るかもしれませんけれども、一応この調査の目的が何なのか、地区のサンプ ルで家庭訪問調査だけにするのか、それとも施設に入っている人なんかも聞くのか、先ほど 刑務所に入っている人までも意見が出ていましたので、そういうものの扱いをどうするのか とか、一応いろいろ出された意見も含めて、どういう調査が新法をつくるに当たって必要と されるのかということ、それから定期的な調査なのかどうなのかという先ほどの質問なども 含めて、素案がまずあったほうがいいと思うんです。それについて、この項目についてこう だとかという意見を集めたほうが、整理がしやすいのかなというふうに思いますので。 ○山本委員  素案は出していただけると。 ○佐藤部会長  はい、そういうことです。 ○藤井課長  佐藤先生、1点だけよろしいですか。 ○佐藤部会長  どうぞ。 ○藤井課長  先ほど駒村先生のご質問でございましたけれども、調査の頻度等につきましては、まさに これからの議論だとは思っておりますけれども、基本的には、総務省の承認を得た調査とし て実施しなければいけないというふうに思っておりますということが一つ。  それから、これまでの調査との関係でいきますと、5年に1回やっておりました身体障害 者、知的障害者、それぞれございましたけれども、その延長というふうに一応考えておりま す。今後のことにつきましては、またワーキンググループ並びに本部会の皆さんのご意見を 聞きながら、また整理をしていきたいと思っております。 ○佐藤部会長  また、いろいろな意見を聞く機会がたくさんあるし、運営の仕方について、今、我々のほ うで考えているもの以外のこともやれということがあれば、それもおいおい提案をしていた だくということにして、時間が大分過ぎてしまっていますので……。  どうぞ、斎藤さん。 ○斎藤委員  この調査について、前回も確認したことなのでいいんですけれども、あくまでそういう5 年ごとの全国調査の一つとして今回やられるということなので、実際、22年秋ごろから試行 調査をやって、23年、本調査ですから、この部会が議論をして、23年の春から夏までを目途 に提言をするということには、はっきり言って、全く間に合わない調査ですよね。  だとするならば、我々は今後この提言をまとめるに当たって、幾つかの方からも調査の必 要が言われていますけれども、どの種の調査を、そんな大規模なことはもちろんできないに しても、どんな調査が必要で、どんなことをしなきゃいけないかということは早く決めない と、議論に全然生かされないということになってしまうと思うんですよ。ですから、このこ ととは別個に、この部会でどんな調査が必要であって、それをいついつ、どのぐらいの規模 で、どの程度やるかという議論は、本当に早くどこかで議論しないと、何もそういう調査な しの全て提言になってしまうということが非常に心配をするところですので、それはぜひ別 途検討していただきたいなと思います。 ○佐藤部会長  それも含めて、素案の中に入れるということにしたいと思います。したがって、この秋に 行うサンプル調査的なものも、相当その結果を、調査票がこれでいいかどうかというだけで なくて、その結果に基づいて、ある程度、総合福祉法の在り方にも反映させられるような調 査にしないといけないのかなというようなことも考えております。本格的な23年度の調査 も、もちろん最後の詰めで総合福祉法の素案にも生かせるし、それから24年度からの実施な ので、それに向けての予算の確保というようなことにも使うことになるのかなと。いろいろ そういう位置づけも含めて、ワーキングのほうで検討させていただければと思います。  今日は、またまた前回に引き続いて、予定より大幅に延長してしまいましたけれども、ど うも活発なご議論ありがとうございました。これで終了でいいのかな。 ○東室長  すみません、東です。  次回は6月1日火曜日ということになります。テーマは、今まで話されたように、障がい 者総合福祉法制定までの間において当面必要な対策の整理ということになります。会議の会 場が、ここではありません。三田の共用会議所になりますので、その点、お間違いのないよ うにお願いしておきたいと思います。  それと、その次にとれているのが7月27日ですので、7月27日はここでよかったんですよ ね。7月27日も……。ごめんなさい、6月22日、7月27日ですので、6月22日と7月27日は、 ここです。6月1日が三田の共用会議所ということになりますので、よろしくお願いしたい と思います。 ○佐藤部会長  それでは、本日はこれで閉会いたします。  お疲れさまでした。                                     (了) [障がい者制度改革推進会議総合福祉部会事務局] 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課企画法令係  TEL 03−5253−1111(内線3022)  FAX 03−3502−0892