総合福祉部会 第15回 H23.6.23 参考資料5 山本委員提出資料 待機のある介助の実践モデル事業報告書 2011年6月 NPO法人ヒューマンライトリカバリー            目        次 1.はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 2.待機のモデル事業 2−1.2009年度モデル事業と明らかにされた課題 ・・・・・・・3 2−2.2011年度モデル事業の趣旨と概要 ・・・・・・・・・・・3 2−3.2011年度モデル事業の活動実績 ・・・・・・・・・・・・4 2−4.待機に係る報酬 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 2−5.実際の支援の内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 3.待機の有用性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 4.提言 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 1.はじめに  今日、精神障害者をはじめとする障害者が、障害者自立支援法の介護制度の使い難さのた めに、普遍的な地域生活を過ごせずにいる。障害者自立支援法の成立によって、報酬の請求 できる介助が居宅介護という枠組み限定され、それらは生活を保障する権利としてではなく、 事業所を介して行われるサービスとして位置づけられることになった。それが、障害者の生 活を極端に追い詰めたため、ついには、障害者自立支援法違憲裁判が各地で行われた。その 成果もあって、国(厚生労働省)は、障害者自立支援法を廃止し、障害者総合福祉法(仮称) の制定に向けて取り組むことを約束した。  今、障害者総合福祉法(仮称)の策定のため、障害者団体が議論をしているが、待機のあ る介助の実践モデル事業(以下、「2011年度モデル事業」とする。)は、待機時間を介助 行為に含み報酬の対象にするという、もっとも基礎的な介助について厚生労働省及び委員各 位に提言することを目的に、青森県青森市においてモデルとして実践し、記録をまとめたも のである。  社会学者の前田拓也は、次のように言う。「待機していること」。あえて言うなら「ただそ こにいること」が仕事の大半だということがある。介護保険が想定している介護のスタイル のなかに、「巡回型訪問介護」がある。そこでは基本的に、一回三〇分以上一時間未満が見 込まれている。しかし、介助が必要な「その時」は「巡回」がまわってきた「その時」であ るとは限らない。往々にして「その時」は突然やって来るものだ。だから、常に誰かが来る べき「その時」に備えてただ待機している必要があるのだ。そして、特に何もすることがな いにもかかわらず「待機している」こと、「ただそこにいること」が、すでに介助という仕 事の多くの部分を占めることがある(前田,二〇〇九,「介助現場の社会学」生活書院:二 一九)。  本来、大半を占めるはずの「待機」が、そっくりそのまま居宅介護という枠により介助と して認められず、報酬の対象にならなかったことは、居宅介護が障害者の地域生活を支援す る介助として機能しない原因とさえ言えよう。  常に誰かが待機していて、電話一本で来る。この心強さにこそ、障害者の自立性の向上 や生活の安定を実現する力がある。逆に、こうした基礎的な支援がされれば、かえって、こ まかな制度を作る必要がなくなるかもしれない。そういう意味でも、「待機」が介助として 最も重視され、制度として認められることを強く望んでいる。  尚、2011年度モデル事業は、公益信託青森県ボランティア基金の助成により実現でき たことを、この場を借りて、感謝申し上げたい。 2.待機のある介助の実践モデル事業 2−1.2009年度モデル事業と明らかにされた課題  2009年4月1日から2010年3月31日まで、公益信託青森県ボランティア基金か ら助成金をいただき、障害者の地域生活を支えるヘルパーを育成し、指定居宅介護事業所を 介して、いつでも利用できる体制でのサービス提供の実践記録(2009年度モデル事業) を行った。  なぜ、いつでも利用できる体制でのサービス提供の実践記録をしたかというと、地域生活 を支えるための居宅介護が、指定居宅介護事業所が一週間の予定(ヘルパーが行く日)をす べて決めてしまい、それに合わせて障害者が生活設計をするという窮屈な現状を複数確認で き、そうでない介助の必要性を感じたからである。電話一本で今すぐ来る、そうした介助に していくことが望まれるため、第一に、モデルとして実践し記録をつけることから始めたわ けである。  結果として、電話一本ですぐ来る、という安心感から自立性が高まり、先々を考えて不安 になることも減った、自分の生活設計を自分で決めること(自立生活)ができるようになっ た、生活が安定したから体調も安定してきた、などの意見が寄せられた。  しかし、障害者自立支援法の枠組みでサービス提供を行ったため、ヘルパーの負担が大き くなった。いつ来るかわからない電話のために、24時間拘束される、そういう状態になっ たのだ。ヘルパーは、待機中も実質拘束されるわけだが、その拘束時間に対しては、障害者 自立支援法で一切の報酬が認められていない。障害者自立支援法の枠組みでは、真に障害者 の地域生活のためのサービスが成り立たず、障害者に対して生活のすべてをサービスに合わ せて設計させるようなサービスしかできないのだ。  2009年度のモデル事業は、こうした課題も明らかにした。 2−2.2011年度モデル事業の趣旨と概要  2011年モデル事業の期間は、2011年2月1日から6月9日までである。2009 年度モデル事業で明らかになった課題を受けて、2011年度モデル事業は、待機時間の合 計を計算し、予算をつけるならどの程度の金額が必要になるのかを調べることにした。また、 電話一本で来るヘルパーの実践については、第11回障がい者制度改革推進会議総合福祉部 会で、全国「精神病」者集団の山本眞理委員から出された次の意見を参考にした。  山本眞理です。私はコミュニケーション障害があるので、出した文章が全く理解されて いないのだと推測しますが、「待機」というサービスが精神障害者には必要だ。このチーム のご検討はあまりにも今、現行の自立支援法の訪問サービスの枠にとらわれすぎていると思 います。医療合同チームでも駆け込み寺みたいなものがほしいというお話が出ましたけれど も、私が待機というサービスがほしいと申し上げたのは、精神障害者にとって何曜日、枠で 何時間という決めたスケジュールでヘルパーが入ること自体がすごく負担になることがあ ります。あるいは負担になる方もいます。だけど実際、今の報酬と事業所の経営を考えると、 そうした派遣以外難しいと思います。私が今予算とか運営のところまで詰めておりませんが、 待機というサービスとしてイメージしているのは、例えば10人の精神障害者が5人の介助 者を常勤で雇う。助けてと言ったら来てくれる。臨機応変に、つまりこの5人については働 いているときでなくても待っている、待機ということ自体の報酬をつけてほしい。  あるいはこういうサービスがほしいという精神障害者がいました。毎日電話をかけて、 今日は○、△、×。×だったらお手伝いすることはありますかという電話をかけてもらう。 というような、要するに働いていなければ報酬が出ないではなくて、待機そのものに報酬が 出るという形でないと精神障害者のヘルパー利用は絶対に伸びません。なぜ少ないかという と、そういう理由です。そして、後半のチームで地域移行及び地域の基盤の話がありますが、 これがないために入院せざるを得ない仲間が、これはまさに社会的入院が毎日作られていま す。そういう意味で待機というサービスについて、私の説明が不足だったと思うのですが、 ご議論いただけていないので注意を喚起させていただきました。 利用者2名に対して、介助者を3名で対応し、支援が必要な場合利用者は介助者に直接連絡 をする方法を取った。尚、利用者と介助者は、それぞれ、同じ地域(3キロ以内の距離)に 居住している。 2−3.2011年度モデル事業の活動実績  カレンダーに活動の記録をつけてまとめた。 利用者:Aさん、Bさん 介助者:Xさん、Yさん、Zさん 利=訪問の支援を要請した。 応=支援をした。 待=一本の電話を待機した。 3月 2011年(平成23年) 1日 (火)先負 利AB 応XY 待XYZ 2日 (水)仏滅 待XYZ 3日 (木)大安 利A 応Y 待XYZ 4日 (金)赤口 待XYZ 5日 (土)友引 利A 応Y 待XYZ 6日 (日)先負 利A 応Y 待XYZ 7日 (月)仏滅 利B 応X 待XYZ 8日 (火)大安 利A 応Y 待XYZ 9日 (水)赤口 待XYZ 10日 (木)先勝 利A 応Y 待XYZ 11日 (金)友引 待XYZ 12日 (土)先負 待XYZ 13日 (日)仏滅 待XYZ 14日 (月)大安 利B 応X 待XYZ 15日 (火)赤口 待XYZ 16日 (水)先勝 利AB 応XZ 待XYZ 17日 (木)友引 待XYZ 18日 (金)先負 待XYZ 19日 (土)仏滅 利A 応Y 待XYZ 20日 (日)大安 利A 応Y 待XYZ 21日 (月)赤口 待XYZ 22日 (火)先勝 利A 応Z 待XYZ 23日 (水)友引 待XYZ 24日 (木)先負 利A 応Y 待XYZ 25日 (金)仏滅 利B 応X 待XYZ 26日 (土)大安 待XYZ 27日 (日)赤口 利A 応Y 待XYZ 28日 (月)先勝 利A 応YZ 待XYZ 29日 (火)友引 待XYZ 30日 (水)先負 待XYZ 31日 (木)仏滅 利A 応Y 待XYZ 4月 2011年(平成23年) 1日 (金)大安 待XYZ 2日 (土)赤口 利A 応YZ 待XYZ 3日 (日)先負 利A 応YZ 待XYZ 4日 (月)仏滅 利A 応YZ 待XYZ 5日 (火)大安 利B 応X 待XYZ 6日 (水)赤口 待XYZ 7日 (木)先勝 利A 応Y 待XYZ 8日 (金)友引 待XYZ 9日 (土)先負 待XYZ 10日 (日)仏滅 待XYZ 11日 (月)大安 待XYZ 12日 (火)赤口 待XYZ 13日 (水)先勝 待XYZ 14日 (木)友引 待XYZ 15日 (金)先負 待XYZ 16日 (土)仏滅 待XYZ 17日 (日)大安 待XYZ 18日 (月)赤口 待XYZ 19日 (火)先勝 待XYZ 20日 (水)友引 待XYZ 21日 (木)先負 待XYZ 22日 (金)仏滅 利A 応Y 待XYZ 23日 (土)大安 利A 応Z 待XYZ 24日 (日)赤口 利A 応Y 待XYZ 25日 (月)先勝 待XYZ 26日 (火)友引 利AB 応X 待XYZ 27日 (水)先負 利AB 応X 待XYZ 28日 (木)仏滅 利AB 応XY 待XYZ 29日 (金)大安 待XYZ 30日 (土)赤口 利A 応Y 待XYZ 5月 2011年(平成23年) 1日 (日)先勝 待XYZ 2日 (月)友引 待XYZ 3日 (火)仏滅 利AB 応XY 待XYZ 4日 (水)大安 待XYZ 5日 (木)赤口 利A 応Y 待XYZ 6日 (金)先勝 利A 応Y 待XYZ 7日 (土)友引 利A 応Y 待XYZ 8日 (日)先負 待XYZ 9日 (月)仏滅 利AB 応XY 待XYZ 10日 (火)大安 利AB 応XY 待XYZ 11日 (水)赤口 利AB 応XY 待XYZ 12日 (木)先勝 待XYZ 13日 (金)友引 利AB 応XY 待XYZ 14日 (土)先負 待XYZ 15日 (日)仏滅 待XYZ 16日 (月)大安 待XYZ 17日 (火)赤口 待XYZ 18日 (水)先勝 待XYZ 19日 (木)友引 利A 応X 待XYZ 20日 (金)先負 待XYZ 21日 (土)仏滅 利A 応Y 待XYZ 22日 (日)大安 利A 応Y 待XYZ 23日 (月)赤口 待XYZ 24日 (火)先勝 待XYZ 25日 (水)友引 待XYZ 26日 (木)先負 待XYZ 27日 (金)仏滅 待XYZ 28日 (土)大安 利A 応Y 待XYZ 29日 (日)赤口 利A 応Y 待XYZ 30日 (月)先勝 待XYZ 31日 (火)友引 待XYZ 6月 2011年(平成23年) 1日 (水)先負 利B 応X 待XYZ 2日 (木)大安 利A 応X 待XYZ 3日 (金)赤口 待XYZ 4日 (土)先勝 利A 応Y 待XYZ 5日 (日)友引 利A 応Y 待XYZ 6日 (月)先負 利A 応Y 待XYZ 7日 (火)仏滅 利B 応X 待XYZ 8日 (水)大安 待XYZ 9日 (木)赤口 利A 応XY 待XYZ 2−4.待機に係る報酬  3月の「訪問による支援の要請」は、Aさんが14回、Bさんが5回であり、合計19 回であった。3月の「訪問による支援」は、Xさんが5回、Yさんが12回、Zさんが3回 であり、合計20回であった。3月の「一本の電話を待機した」は、Xさん、Yさん、Zさ んと、それぞれ31日間であった。  4月の「訪問による支援の要請」は、Aさんが11回、Bさんが4回であり、合計15 回であった。4月の「訪問による支援」は、Xさんが4回、Yさんが8回、Zさんが4回で あり、合計16回であった。4月の「一本の電話を待機した」は、Xさん、Yさん、Zさん と、それぞれ30日間であった。  5月の「訪問による支援の要請」は、Aさんが13回、Bさんが5回であり、合計18 回であった。5月の「訪問による支援」は、Xさんが6回、Yさんが12回、Zさんが0回 であり、合計18回であった。5月の「一本の電話を待機した」は、Xさん、Yさん、Zさ んと、それぞれ31日間であった。  6月の「訪問による支援の要請」は、Aさんが5回、Bさんが2回であり、合計7回で あった。6月の「訪問による支援」は、Xさんが4回、Yさんが4回、Zさんが0回であり、 合計8回であった。6月の「一本の電話を待機した」は、Xさん、Yさん、Zさんと、それ ぞれ9日間であった。  居宅介護の範囲である「訪問による支援」に対して、倍近くの待機時間を要することがわ かる。逆にいえば、待機時間があるから訪問による支援につなぐことができたわけであり、 現行の居宅介護の方法では、支援につなぐことができない場合が想定される。そのため、待 機に係る報酬の費用は、待機している介助者に対して最低賃金の1.5倍程度の給与の支払 いができる程度のものでなければならない。  すると、最低でも現行の居宅介護・家事援助の30分以上1時間未満に相当する報酬額程 度は、介助者の数×時間で報酬請求できるようにしなければならない。 2−5.実際の支援の内容  利用者の要望事項を次に列挙する。尚、列挙された要望に対して介助者が支援を行った。 ・体調を崩したので話しをしたい。 ・トラブルがあったから話しをしたい ・部屋の掃除がうまくいかないから手伝ってほしい ・部屋の掃除が進まないから、見張っていてほしい。 ・締め切りに間に合わせたいから見張っていてほし。 ・部屋にカビが発生したから、なんとかしてほしい。 ・洗い物ができないので、代わりにやってほしい。 ・整頓がうまくいかないから、一緒にやってほしい。 ・疲れて動けないから、代わりに、家事全般をやってほしい。 ・落ち着かないから来てほしい。 ・たくさんある写真を整理して欲しい。 ・年賀状の整理ができないから、手伝ってほしい。 ・もらった名刺の整理ができないから、手伝ってほしい。 ・手紙や資料を分別まではできるけど、ファイリングするのが大変だから、代わりにやって ほしい。 ・昼ごはんを作る力が残っていない。作ってほしい。 ・眠れなくなったから、助けてほしい。 3.待機の有用性  障害者自立支援法の成立過程で、全身性の身体障害者の運動が24時間介護の存続を要求 し、ひとまず重度訪問介護が成立したという経緯がある。そういう意味で重度訪問介護は、 障害者の主権の中でできた制度であることが言える。しかし、次のインタビューの結果から、 知的障害者、精神障害者も重度訪問介護の対象にするだけでは、必ずしも十分ではないこと がわかった。 Q 重度訪問介護を使えたら使いたいですか。 Aさん:重度訪問介護が使えるようになったら使いたいと思う。誰かが常に一緒にいるこ とは、嫌いではない。でも、一人になりたいときもあるから、その辺が調整できる仕組み の上で使えるのがいいと思う。 Bさん:重度訪問介護が使えるならば、それに越したことはないと思う。でも、24時間 つきっきりの介助は、窮屈な感じがする。 確かに、重度訪問介護の対象拡大は、望まれているが、歓迎されているとまでは言えない。 次に待機を導入した場合にどうであるかを質問した。 Q2 待機を導入した場合、Q1の質問と比較してどうですか。 Aさん:重度訪問介護でもいいが、どうしても一人になりたくなって、一人になったけど も具合が悪くなって、助けが欲しくなったときとか、どうしても重度訪問介護を柔軟に使 いこなせる自信はない。具合の悪い時は、思考が混乱して、ものが決められなくなり、優 柔不断になったりする。だから、そうした場合に待機であれば柔軟に対応できるから、使 いやすい。 Bさん:私の場合は、いろいろなところに出掛けたり、家でゆっくり休んだりするから、 四六時中一緒にいると、どうしても窮屈になる。家のことは、ひとりでもほとんどできる んだけど、突然体調を崩してできなくなったりするから、そういうときにだけ、来てくれ ればいいと思う。でも、あらかじめ、いつ体調が悪くなるかは、はっきりとはわからない し、そのときに来てくれないと困る。待機であれば、そういうときに使えるから助かる。 それに、いつでも連絡でいると思っているだけでも、ぜんぜん、心強さが違う。 待機は、重度訪問介護のニーズと異なり、特有のものが認められる。外出して活動し、家で ゆっくり休みたいBさんが、家で体調をくずした場合、重度訪問介護では、休養を妨げるこ とや即決即断のアクティブな外出スケジュールに対応できないことが想定される。また、A さんの場合も体調が悪化し、十分な吟味ができない即決即断をしてしまったとき、待機がカ バーできる部分が大きいことがわかる。こうした場合、やはり待機を含んだ介助による地域 生活支援が普遍的である。  次の質問は、体調の悪くなる時間帯に関するものである。 Q3 いつ自分が具合悪くなるかわかりますか? Aさん:基本的に午前1時に寝るから、朝は元気がないが、昼から夜にかけて体調が悪い ことは少ない。問題は、午前1時を過ぎて寝られなかった場合、午前2時、午前3時と徐々 に体調が悪くなっていく。これが、1週に1度はある。こういうことがあった次の日は、 身体の不調がでて、元に戻すのに3日くらいかかる。 Bさん:何となく予兆があってわかるときと、まったく、想定外に具合が悪くなるときが ある。想定外に具合が悪くなるときは、何らかのアクシデントが理由で具合が悪くなると きと、何の理由もないのに突然に具合が悪くなるときとがある。なんの理由もないのに突 然具合悪く場合に備えるすべはないと思う。 Aさんは、週に一回程度、深夜に体調を崩すことがあるという。しかし、この時間帯の介護 を、あらかじめ予約しておくことはむずかしい。そのため、駆けつけることができる人と連 絡が取れる体制があることの意味は大きいといえる。Bさんは、Aさんと同じような経験を した際に、最終的に精神科病院に入院することになった。Bさんの入院は、決してBさんが 望んだ入院ではなく、止むにやまれるものといった感じであった。ただ、Bさんも、介助者 にただ連絡が取れれば、そこまで辛い思いをしなくて済んだかもしれない。 4.提言 一 地域生活支援・介助は、待機を含むものとすること。 二 待機には、待機している介助者の数と待機の時間に応じた報酬を設定すること。   NPO法人青森ヒューマンライトリカバリー   理事長 桐原尚之       郵便番号 030-0936   青森市大字矢田前字弥生田1番地4   電話番号 080-6004−6848(桐原)   メール recovery-info@yahoogroups.jp   ウェブ http://www.geocities.jp/humanrightsrecovery/