総合福祉部会 第14回 H23.5.31 資料8 合同作業チーム(障害児支援)議事要旨(4月) 1.日時:平成23年4月26日(火)14:00〜17:00 2.場所:厚生労働省低層棟2階講堂 3.出席者   大谷座長、宮田副座長、柏女委員、君塚委員、水津委員、長瀬委員 4.議事要旨 【障害者基本法案について】 ・第17条に「療育」として規定される予定。チームとしていろいろ意見を出した。本日の 資料の内容が、閣議決定したものだ。 「障害者である子ども」という表現については、「障害者」の定義が他に規定されてい るため、その表現となった。「療育」については、法律を作成する上で、他にまたがる ような表現はできないということで、医療や教育という表現があり、残ったのが「療育」 とのこと。「その他これに関連する支援」には、保護者、家族に対する支援も含まれる。 意見表明権については、障害のある子どもだけ先行して法律に記載することは適切でな いということなので、今後は児童福祉法の改正で子どもの意見表明権として規定される ように考えていきたい。 ・改正法案については、すべて理解したわけではないし、個人的には内容には不満があるが、 もともと何も規定が無かったものから「療育」が設けられ、新設は一歩前進と評価でき る。 ・最善の利益とは何か議論したが、入らなかった。無駄にならないようにして欲しい。 【子ども・子育て新システムへの意見出しについて】 ・3月に臨時の合同作業チームの臨時会議には6名のうち5名が参加してくださり、新シス テムへの意見案をまとめた。この案を4月18日の推進会議に提出した。本日は、臨時 会議に出席できなかった委員がいるということもあり、5月の新システムの議論再開に 間に合うように意見を再度まとめたい。 ・財源について、子ども・子育て新システムですべて対応するか、もしくは、障害児につい ての上乗せ部分については、障害福祉の財源で対応するのかがある。障害の部分は上乗 せするというやり方が、堅実なのではないか。 ・障害児に必要な合理的配慮の範囲について、意見としてまとめた方が良いのではないか。 ・保育所の保育士の加配やバリアフリー化するというのは、合理的配慮として異論のないと ころではないか。医療的ケアも入るべきだろう。 ・座長案の方向性については、賛成だ。保育所の障害児加算は一般財源ではなく、国で負担 する方向性を明確にすべきだが、財源については、新システムの議論の方向性を待って からでも良いのではないか。今後の議論を見守り、必要な提案を出せれば良いだろう。 ・座長案提案文章について、どうか。 各委員 了承 【相談支援について】 ・障害児支援のための個別支援会議を要保護児童対策地域協議会の障害児部会と位置づけ、 参加者に罰則付きの守秘義務を担保することが必要だ。障害児に特化した地域自立支援 協議会「子ども部会」の関与が考えられる。 ・相談支援においては、ワンストップサービスの提供が必要。 ・市町村、指定障害児相談支援事業者による相談・療育支援の一元化を強化することを検討 すべき。入所した場合の市町村、指定相談支援事業者への連絡、自立支援・地域移行支 援計画の協働策定と更新、帰省時の連絡体制の強化などの仕組み作りが必要。 ・実施するためには、児童福祉法の改正等が必要となる。 ・児童相談所と自立支援協議会が連携するシステムを作るべき。 ・改正障害者自立支援法の相談は、基幹相談支援センターがワンストップの機能を担うよう に創設されたという説明があった。通所サービスの相談は、障害児相談支援事業所が担 うため、異なる事業所に移らなければならない。(基幹相談支援と障害児支援の二つを 行う事業所であれば、ワンストップになるが。) ・障害児相談支援事業所は、実際には障害児施設などが指定を受けて行うケースが多いと考 えられる。それによる、障害児の抱え込みが心配だ。監視できる仕組みづくりが、必要 だろう。 ・改正障害者自立支援法が施行する前に、障害児相談支援に関する何らかの方向性をもつべ きだ。方向性は政省令などによって示されると思うが、6月までに改正障害者自立支援 法に関する施行作業が終わってしまうので、意見をまとめても役に立たないのではない か。 ・相談支援やサービス計画づくりでは、客観性や公平性が担保されるようにナショナルミニ マムが必要になるだろう。 ・相談支援の方向性については、委員からの提案が文章で既に出されている。その文書を取 込む方向でまとめたい。 【権利擁護について】 ・障害のある子どもの権利擁護、最善の利益の決定やオンブズパーソン制度、意見表明権、  地域自立支援協議会と要保護児童対策地域協議会はどのようにあるべきか。 ・子どもの権利条約では子ども一般の権利擁護として、オンブズパーソン制度を設けるべき であるとしているため、障害児もこの中に含めるべきだろうと思う。個別支援計画は誰 が策定すべきなのかは、難しい問題だ。個人情報の観点からどのように整理すべきか。 ・自立支援協議会と要保護児童対策地域支援協議会は、連携すべきではないか。 ・具体的な連携と制度的に連携していく部分については、分けて考えるべき。 ・虐待などにより入所した者が退所する場合、在宅に戻れるものは少ない。再発防止する仕 組みや施設から在宅への流れるシステムが必要ではないか。 ・成人には個別支援計画、児童養護施設など障害のない児童についても、自立支援計画の策 定義務があるが、障害児が抜け落ちている(措置で入所する場合)。生活の質の向上に は自立支援計画は必要だ。また、小規模グループホームの観点も抜け落ちているので、 障害児施設に法定化されていないものを見直していく必要がある。 ・障害のある子どもの権利擁護、最善の利益の決定について、保護者との関係など制度設計 をどうしたらよいのか。 ・要保護児童に対応する際には、保護者の意見だけでなく、子どもの意見を聞くシステムが あり、子どもの意見を記入する欄を設けている。障害児については、何をもって意見を 聞いたとするのかが、争点になるだろう。 【学齢期の居場所について】 ・特別支援学校の寄宿舎について、昨年3月の第5回推進会議においても議論した。本人や 父母の意思に反する場合は障害者の権利条約に違反するというのが主な意見だった。寄 宿舎は学校の一部なのか。家なのか。権利条約では「可能な限り地域で」とあるが、寄 宿舎は必要なのか。必要ということであればどのように位置づけるのか。 ・地域によっても異なるので、一概にはいえない。全体では、1万人程度の子どもたちが寄 宿舎にいる。子どもと親の両方の自立心を促すために使っているという話をきく。 ・基本法との関係からみると、寄宿舎を選択の一つとするべきだろう。 ・実態が分からないので、整理できない。積み残しの課題でいいのではないか。 ・ファミリーホーム等で生活している児童もいれば、希望して寄宿舎で生活している児童も いる。運用の話であって制度の話ではない。 ・要請している寄宿舎の資料を揃え、次回、入所施設とまとめて検討したい。 【放課後対策等について】 ・放課後等デイサービスの運用はどうなるのか。保護者の就労支援やレスパイトでも利用で きるのか。現行の児童デイサービスはいろんな使用方法があるが、日中一時支援も利用 できるなど弾力的な活用方法を考えるべき。 ・児童デイサービスU型については、訓練主体、レスパイト等の預かりの場、療育の場等い くつかのパターンがあり、整理が必要ではないか。 ・放課後等デイサービスと、放課後児童クラブ、新システムとの関係性についても整理が必 要だ。放課後児童クラブは、障害児の部分が一般財源化されているため、縮小均衡にな っている。放課後児童クラブは、新システムで対応すべきで、障害児が入っていけるよ うにすべきだ。デイサービスと連携できるようにすべきで、市町村障害者計画と新シス テムの計画策定時期を合せるなどの工夫が必要になるだろう。 ・児童期は障害者計画と新システムにおける計画がある。谷間に落ちないよう、一緒に議  論していかないといけない。 ・放課後児童クラブに入りたい人が入れることが前提にならないといけない。 ・障害児もできる限り一般施策で見るとの視点で考えれば、新システムのこども園に障害  児が入る時には合理的配慮が必要。 ・児童デイサービスはどうあるべきか。 ・こども園や放課後児童クラブに必ず入れるようにならないと議論できないのではないか。 ・待機児やバリアフリーの問題もある。放課後児童クラブは法定施設でもないため、応諾 義務もない。放課後児童クラブは新システムに吸収されることから、新システムで検討 している応諾義務のうち拒否できる正当な理由について、どのような検討がされている のか把握する必要がある。 【次回の課題について】 ・新システムで検討しているこども園の応諾義務の関係を整理し、次回検討。 ・次回は、重症心身障害児施設、寄宿舎を含め入所について議論。 以上