総合福祉部会 第13回 H23.4.26 資料1 部会作業チーム(選択と決定・相談支援プロセス(程度区分))議事要旨(2月) 1.日時:平成23年2月15日(金)14:30〜17:00 2.場所:厚生労働省低層棟2階講堂 3.出席者       茨木座長、門屋副座長、北野副座長、朝比奈委員、小澤委員、三浦委員 4.議事要旨 (1)座長より、第一期報告への他部会委員からの意見、厚労省からのコメントについて の説明を行った。また、第二期の論点およびヒアリングについての提案を行った。 ・座長からの主な提案事項は以下のとおりであった。 ・今後、支給決定プロセスや程度区分に代わるニーズアセスメントのあり方を議論するに 当たって必要となるデータや資料について検討し、厚労省からの提出を早期に求めたい。 ・協議調整の仕組みについて、この部会とは別に自治体職員へのヒアリングを次回部会の 前日の3月14日18時から21時に、東京駅周辺で会議室を確保して実施したい。対象 は、西宮市、厚労省のコメントにも例示されていた横浜市などを考えている。 ・座長提案である自治体ヒアリングに関しては、若干の議論をしたのち、以下のように決 定した。 ・日時は提案どおり、西宮、他関東圏の自治体数ヶ所に依頼し参加を募り、ヒアリングを 実施することとなった。 ・自治体職員にどのようなことを聞くか、今週中に委員間でヒアリング内容をとりまとめ る。 (2)第二期の検討内容についてのその他の意見は以下のとおり。 ・東京都発達障害支援協会からの意見書についての確認を行った。自己決定、セルフマネ ジメント、共同意思決定という観点から、意志決定を支援する仕組みが必要となる。これ は、検討すべき論点の「アドボカシーの仕組み」にもかかってくる。 ・最終報告には、第1期における中間報告の内容をさらに掘り下げて書き込んでいくべき であり。相談支援は幅広であり、日中活動やパーソナルアシスタントにも関わってくる。 第一期の他のチーム報告書を受けて、さらに検討した最終報告とすべきである。 ・具体的なスケジュール観を持ってやらないといけない。 ・基幹相談支援センターについては、施行規則が関わるので議論しづらい。厚労省から政 省令の方向性について、説明してもらうことも必要だと思われる。 ・他の部会委員のコメントについて、報告書の方向性と根本的に違うものについては、そ こを変えることは難しいのではないか。少なくとも第1期の報告を前提にしないと、議論 は進まない。 (3)座長から今後のスケジュールについて説明。 ・今後のスケジュールとして、3月の部会で、小澤委員からニーズアセスメントのあり方 について報告していただく。また現状の障害程度区分の評価を行い、新法での支給決定の 方向性を出す。協議調整システムについては、先駆事例について、自治体ヒアリングを踏 まえて議論を行う。 ・4月の部会では、支給決定にむけての最終報告案を提示し議論を行い、報告をまとめる。 (4)厚労省からの提出を求めるデータ、資料について具体的に検討を行った。厚労省か ら提供してもらいたいデータとしてどのようなものが考えられるか。 ・障害程度区分の変更率について知りたい。2次判定で大きく変わるのかどうかを知りた い。経年的な変化も見たい。 ・障害程度区分についての不服申立が都道府県にどれくらい出ているのかも知りたい。 ・変更率は、障害程度区分の妥当性の参考、また、不服申立は、利用者サイドからみてど うなのかの参考となる ・都道府県ごとに区分決定を受けている方の区分毎のパーセンテージを知りたい。 ・手帳ごとの程度区分のパーセンテージも分かるなら知りたい。 ・障害程度区分の2次審査にどういうケースを行い、どう審査しているのか知りたい。 ・1次判定と2次判定の誤差が狭い方が望ましい。 ・幅があってこのくらいなら捕捉できるというものでもいい。 ・訪問から審査会までどれくらい予算がかかっているかを知りたい。 ・市町村審査会や研修にかかる費用についても知りたい。 ・障害程度区分はできてから一貫して変わっていないので、前後の比較ができない。 ・「障害支援区分」はどこを変えようとしたのか確認したい。 ・2004年に厚生科研だったと思うが、遠藤さんが座長の研究会でかなりつめて議論し ていたように記憶しているので、参考にしてはどうか。 ・相談支援事業者の委託数と指定数、また委託費の額についても知りたい。 ・サービス利用計画書の支給決定件数も知りたい。 ・以下の@〜Eを含め、必要な資料を一覧表にまとめて各委員で確認後、厚労省にデータ 提出を依頼することとなった。   @ 障害程度区分の二次判定での変更率の経年的な変化   A 障害程度区分に係る不服申し立ての件数   B 都道府県別・障害種別別の障害程度区分の各区分割合   C 市町村審査会に係る費用(調査〜審査まで)   D 相談支援事業所の委託されている数と指定されている数、委託費の額 E 障害支援区分に関する検討資料(遠藤研究班報告書、障害支援区分の在り方等に関す る勉強会の議事録等)   (5)三浦委員より、第一期報告を受けて支給決定における「合議体」の役割や機能を中 心に、説明および第一期報告についての課題整理の報告があった。(資料に基づき説明) (多層的相談支援体制について) ・多層的相談支援体制が上下関係に見える。利用者にとって利用し易いネットワーク型の 方が有効に機能するのではないか。 ・総合相談支援センターは、つなぎ法の基幹相談支援センターとの整合性が必要。また、 設置の考え方としては、人口割ではなく市町村を基本とすべき。 (支給決定プロセスについて) ・障害当事者、相談支援専門員、地域の社会資源や障害のある人の状況をよく知る者等の 関係者の参画等を得た「合議体」で、協議・調整による支給決定を行う仕組みとすべき。 報告を受けて、若干の意見交換を行った。主な意見は以下のとおり。 ・第1期の報告の相談支援体制は、機能で整理しており、上下関係ではない。 ・合議体でサービス利用計画を作成する構造は、かえって複雑で困難ではないか。 ・合議体にサービス利用計画の作成がビルトインされており「協議・調整モデル」になら ない。 ・現場から、支給決定プロセスが複雑で本当にできるのか言った声が多かったので、この 方がシンプルではないかという提案である。 ・相談支援専門員がサービス利用計画を作成し、それを合議体へ提出するイメージ。 ・手続きが重い。合議機関はあくまでお目付役であり、支給決定プロセスの過程で合議機 関を通らない人も多くいる。 ・合議体でのサービス利用計画の作成と市町村の支給決定が一体に見える。この支給決定 プロセスは給付管理になる恐れがある。 ・シンプルで分かり易い支給決定プロセスであるべき。 ・これまでの議論は、本人中心計画は、どういう生き方をするか、どういうレクリエーシ ョンをするかなどを含めて当事者側に立って作成。このうち、給付に係る部分について協 議調整を行おうというイメージである。 ・本人の想いや希望を踏まえた計画を作成するという基本的な考え方は、これまでも相談 支援員などの研修の中で明らかにしており現場に根付いてきている。 ・第一期作業チーム報告の支給決定プロセスは、行政側、相談支援専門員などの人材養成 や基盤がないと動かない。市町村担当者のソーシャルワーク機能も問題となる。 ・相談機関と本人がサービス利用計画を作るだけでなく、必要に応じて本人と相談機関と アドボカシー関係者が作って協議調整するなどバリエーションがあってよい。 ・様々な意見があるとは思うが、実現可能性という視点が必要。 ・実現可能性は作業チームで考えるべきことではない。佐藤部会長から話があったように、 私達の役割は障害者施策を改革し、あるべき論を提案することではないのか。 ・西宮市のような先進地もあるが、現場から「協議・調整モデル」は無理という声があり、 自治体の障害担当者は不安をもっている。空中で議論しているのではないかと言われる。 ・いくつかの市町村でモデル的に実施し、その結果を踏まえて練り直すことも必要。 ・実現可能性と言うが、これまで10数年にわたって研修で人材養成してきているので準 備はできている。今になってできないというのはどうか。 ・相談支援機関への研修内容はイメージできるが、市町村担当者への研修内容をどの程度 まで提案できるかが課題。 ・市町村に「協議・調整モデル」の実施を求めることは、市町村格差を認めることと同義 だと考えている。いまこそ都道府県や広域的支援の在り方が問われている。 ・第一期作業チーム報告の図3「支給決定のフローチャート」が成立する単位があるので はないか。ある程度広域連合などを行ってもらうことを前提に考えるべき。 ・合議機関は市町村がガイドラインでは判断しづらいケースの諮問機関、不服申立機関は 利用者の諮問機関というイメージであり、2つの機関が必要。いまでもある。 ・厚労省のコメントは、人件費(財源問題)が中心。財源問題をどう考えるか。 ・「一般財源化」について、厚生労働省から説明をしてもらった方がよいのでは。 ・交付税を増やして欲しい。 最後に以下の点を確認した。 次回は、支給決定プロセスを更に議論する。とくに、ニーズアセスメントの在り方につい て、諸外国の状況も含め小澤委員から報告していただく。 ・中西委員と大濱委員から意見書が出されたので、各自次回までに読んでくることを確認。 ・3月14日(月)18時から21時に、市町村へのヒアリングを実施予定。