(表紙−ほじょ犬マーク) ほじょ犬もっと知ってBOOK 厚生労働省 (表1ページ) もっと知って「ほじょ犬(身体障害者補助犬)」  「ほじょ犬(身体障害者補助犬)」は、目や耳や手足に障害のある方の生活をお手伝いする、「盲導犬」・「聴導犬」・「介助犬」のことです。  身体障害者補助犬法基づき認定された犬で、特別な訓練を受けています。障害のある方のパートナーであり、ペットではありません。  きちんと訓練され管理も行われているので、社会のマナーも守れますし、清潔です。だからこそ、人が立ち入ることのできるさまざまな場所に同伴できます。  ほじょ犬は身体に障害のある方の自立と社会参加に欠かせません。ほじょ犬のことをもっと知って、ほじょ犬ユーザーとほじょ犬を社会の仲間として受け入れてください。 【イラスト1:盲導犬とユーザーが病院へ向かっているところ  イラスト2:介助犬とユーザーがデパートに向かっているところ  イラスト3:聴導犬とユーザーがタクシーに乗ろうとしているところ】 (表2ページ) ほじょ犬の種類 ○盲導犬  目の見えない人、見えにくい人が街なかを安全に歩けるようにサポートします。障害物を避けたり、立ち止まって曲がり角を教えたりします。ハーネス(胴輪)をつけています。 【イラスト:盲導犬とユーザーが歩いている様子】 ○介助犬  手や足に障害のある人の日常の生活動作をサポートします。物を拾って渡したり、指示したものを持ってきたり、着脱衣の介助などを行ないます。“介助犬”と書かれた表示をつけています。 【イラスト:介助犬がユーザーに拾った車の鍵を渡している様子】 ○聴導犬  音が聞きこえない、聞こえにくい人に、生活の中の必要な音を知らせます。玄関のチャイム音・FAX着信音・赤ちゃんの泣き声などを聞き分けて教えます。“聴導犬”と書かれた表示をつけています。 【イラスト:聴導犬がユーザーに車のクラクションを教えている様子】 (表3ページ) ほじょ犬ユーザーとほじょ犬はどこでも一緒  ほじょ犬の同伴については、「身体障害者補助犬法」で、人が立ち入ることのできるさまざまな場所で受け入れるよう義務づけられています。「犬だから」という理由で受け入れを拒否しないでください。 ●ほじょ犬の同伴を受け入れる義務があるのは以下の場所です。 ・ 国や地方公共団体などが管理する公共施設・ 公共交通機関(電車、バス、タクシーなど) ・ 不特定かつ多数の人が利用する民間施設−商業施設、飲食店、病院、ホテルなど ・ 事務所(職場)−国や地方公共団体などの事務所−従業員50人以上の民間企業 【イラスト:乗り物の中で聴導犬がユーザーの足下(足とシートの間)で待機している様子】 ●ほじょ犬の同伴を受け入れる努力をする必要があるのは以下の場所です。 ・ 事務所(職場)−従業員50人未満の民間企業 ・ 民間住宅 【イラスト:職場で盲動犬がユーザーの机の下で待機している様子】 (裏面1ページ) ほじょ犬はきちんとしつけられ、健康です  ほじょ犬のユーザーは、責任をもってほじょ犬の行動を管理し、ほじょ犬の体を清潔に保ち、健康に気を配っています。 ●ほじょ犬は、ユーザーが指示した時に、指示した場所でしか排泄しないように、訓練されています。 ●ほじょ犬は、ユーザーの管理のもとで待機するよう訓練されています。  ・ レストランなど、飲食店では……食事が終おわるまで、テーブルの下などで待機します。  ・ ホテルや旅館など、宿泊施設では……上がり口や部屋の隅で待機します。  ・ 電車・バス・タクシーなど、公共交通機関では……シートなどを汚さないように、足もとで待機します。 ●ユーザーは、ブラッシングやシャンプーなどでほじょ犬の体を清潔に保ち、予防接種や検診を受けさせるよう努めています。 【イラスト:介助犬とレストランに行くことを想像しながらブラッシングする車いすのユーザー】 (裏面2ページ) 仕事中のほじょ犬への接し方  ほじょ犬ユーザーがハーネスや表示をつけたほじょ犬を同伴している時、ほじょ犬は「仕事中」です。 ●仕事中のほじょ犬には、話しかけたり、じっと見つめたり、勝手に触ったりして気を引く行為をしないようにしましょう。 ●ほじょ犬に食べ物や水を与えないようにしましょう。  ユーザーは与える食事の量や水の量、時刻をもとに犬の排泄や健康の管理をしています。 【イラスト:盲導犬とユーザーが、じっと見つめる大人とお菓子をあげようとしている子どもに躊躇している様子】 お問い合わせ先 ●ほじょ犬の同伴や使用に関する苦情相談・お問い合わせ先  各都道府県・指定都市・中核市の障害福祉担当課 ●身体障害者補助犬法等の関係法令や通知 ・ ほじょ犬ホームページ  http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/hojoken/index.html  厚生労働省ホームページ「行政分野ごとの情報」内「障害者福祉」   →「分野別施策情報」内「身体障害者補助犬」 (裏面3ページ) ほじょ犬の受け入れ施設の方へ ●ほじょ犬は、ユーザーの指示に従い待機することができるので、特別な設備は必要ありません。 ●ほじょ犬の同伴を受け入れる際に他のお客様から苦情がある場合は、「身体障害者補助犬法」で受け入れ義務があること、ほじょ犬の行動や健康の管理はユーザーが責任をもって行なっていることを説明し、理解を求めてください。 ●ほじょ犬が通路をふさいだり、周まわりのにおいを嗅ぎ回ったり、その他、何か困った行動をしている場合は、そのことをほじょ犬ユーザーにはっきり伝えてください。 ●ほじょ犬を同伴していても、ほじょ犬ユーザーへの援助が必要な場合があります。ほじょ犬ユーザーが困っている様子を見かけたら、まずは声をかけたり、筆談をしたりコミュニケーションをとってください。 【イラスト:レストランの店員がほじょ犬を同伴したユーザー3人を迎え入れている様子】 (裏面4ページ) 身体障害者補助犬法の概要 ●身体障害者補助犬法は、身体障害者の自立と社会参加の促進に寄与することを目的とする法律です(法第1条)。 ●身体障害者補助犬は、認定を受けた盲導犬・介助犬・聴導犬の3種類の総称です(法第2条)。 ●身体障害者補助犬法は、犬種、認定番号、認定年月日等を記載した表示をつけています。また、補助犬使用者が施設等を利用する際には、補助犬の健康管理に関する記録、補助犬認定証などの補助犬であることを証明する書類を携帯し、関係者の請求があればこれを提示しなければなりません(法第12条)。 ●以下の施設等では、施設等に著しい損害が発生し、施設等の利用者が著しい損害を受けるおそれがある等のやむを得ない場合を除き、補助犬の同伴を拒むことはできません(法第7条、第8条、第9条、第10条)。  ・国や自治体が管理する公共施設、電車、バス、タクシーなどの公共交通機関  ・飲食店、商業施設、病院等の不特定かつ多数の方が利用する施設  ・従業員50人以上の民間事業所(職場)  ※( )内の「法」は、身体障害者補助犬法のことです。 以上