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養育支援訪問事業ガイドライン

養育支援訪問事業ガイドライン

1.事業目的

養育支援が特に必要であると判断した家庭に対し、保健師・助産師・保育士等がその居宅を訪問し、養育に関する指導、助言等を行うことにより、当該家庭の適切な養育の実施を確保することを目的とする。

2.対象者

この事業の対象者は、乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)の実施結果や母子保健事業、妊娠・出産・育児期に養育支援を特に必要とする家庭に係る保健医療の連携体制に基づく情報提供及び関係機関からの連絡・通告等により把握され、養育支援が特に必要であって、本事業による支援が必要と認められる家庭の児童及びその養育者とする。具体的には、例えば以下の家庭が考えられる。

[1] 若年の妊婦及び妊婦健康診査未受診や望まない妊娠等の妊娠期からの継続的な支援を特に必要とする家庭

[2] 出産後間もない時期(おおむね1年程度)の養育者が、育児ストレス、産後うつ状態、育児ノイローゼ等の問題によって、子育てに対して強い不安や孤立感等を抱える家庭

[3] 食事、衣服、生活環境等について、不適切な養育状態にある家庭など、虐待のおそれやそのリスクを抱え、特に支援が必要と認められる家庭

[4] 児童養護施設等の退所又は里親委託の終了により、児童が復帰した後の家庭

3.中核機関

(1) この事業の中核となる機関(以下「中核機関」という。)を定める。中核機関は、本事業による支援の進行管理や当該事業の対象者に対する他の支援 との連絡調整を行う。

(2) 事業の実施にあたっては、中核機関と子どもを守る地域ネットワーク(要保護児童対策地域協議会)(以下「ネットワーク」という。)調整機関(以下 「調整機関」という。)がその連携に十分努めることが必要である。さらに、ケース管理を効率的に行う観点からは、ネットワークが設置されている場合には、可能な限り中核機関と調整機関を同一とすることが適当である。

(3) 事業の実施にあたっては、中核機関または調整機関は、対象者の状況により保健師等専門職の判断を求めるなど母子保健担当部署・児童福祉担当部署との連絡調整に努めること。

4.訪問支援者

(1) 訪問支援者は、中核機関において立案された支援目標、支援内容、方法、スケジュール等に基づき訪問支援を実施する。

(2) 訪問支援者については、専門的相談支援は保健師、助産師、看護師、保育士、児童指導員等が、育児・家事援助については、子育てOB(経験者)、ヘルパー等が実施することとし、必要な支援の提供のために複数の訪問支援者が役割分担の下に実施する等、効果的に支援を実施することが望ましい。

(3) 訪問支援者は、訪問支援の目的や内容、支援の方法等について必要な研修を受けるものとする。

5.支援内容

(1) この事業は、以下を基本として行うものとする。

[1] 支援が特に必要である者を対象とする。

[2] 短期集中的に又はきめ細かに指導助言を行うなど、密度の濃い支援を行う。

[3] 対象者に積極的アプローチを行うものであり、適切な養育が行われるよう専門的支援を行う。

[4] 必要に応じて他制度と連携して行う。

(2) このため、本事業については、具体的には次の類型を基本として実施するものとする。

[1] 乳児家庭等に対する短期集中支援型

0歳児の保護者で積極的な支援が必要と認められる育児不安にある者や精神的に不安定な状態等で支援が特に必要な状況に陥っている者に対して、自立して適切な養育を行うことができるようになることを目指し、例えば3か月間など短期・集中的な支援を行う。

この場合、保健分野その他の専門的支援が必要となるときは、支援内容・支援方針を検討し、当該専門的支援を担う機関・部署のサービスにつなぎ、児童福祉や母子保健等複数の観点から支援を行う。

[2] 不適切な養育状態にある家庭等に対する中期支援型

食事、衣服、生活環境等について不適切な養育状態にあり、定期的な支援や見守りが必要な市町村や児童相談所による在宅支援家庭、施設の退所等により児童が家庭復帰した後の家庭など生活面に配慮したきめ細かな支援が必要とされた家庭に対して、中期的な支援を念頭に、関係機関と連携して適切な児童の養育環境の維持・改善及び家庭の養育力の向上を目指し、一定の目標・期限を設定した上で指導・助言等の支援を行う。

6.中核機関の役割

(1) 対象家庭の把握

[1] 対象者の把握については、以下のような経路から中核機関に情報提供が行われることが想定される。

ア 乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)の実施結果や母子保健事業、妊娠・出産・育児期に養育支援を特に必要とする家庭に係る保健医療の連携体制に基づく情報提供

イ 児童相談所等関係機関からの調整機関への通知・通告等や中核機関への情報提供

[2] 中核機関は、上記ア又はイ等により把握された養育支援が特に必要な家庭について情報の収集を行う。

(2) 対象者の判断

[1] 中核機関は、本事業により実施する訪問支援の対象者及び支援内容を決定する。この場合、必要に応じて調整機関や児童相談所等と連携し、個別ケース検討会議を開催する等、必要な検討を行う。

[2] 本事業の対象者は、一定の指標に基づき判断された等、支援が特に必要と認められる家庭の児童及びその養育者とする。

○ 支援の必要性を判断するための一定の指標<項目の例示>

●基本情報 ●子どもの年齢
●家族構成
●関与機関または経路(機関名 担当者 経過)
●乳児家庭全戸訪問事業実施報告
(支援の必要性有り・検討のため要調査等)
●子どもの状況 ●出生状況(未熟児または低出生体重児など)
●健診受診状況
●健康状態(発育・発達状態の遅れなど)
●情緒の安定性
●問題行動
●日常のケア状況・基本的な生活習慣
●養育者との関係性(分離歴・接触度など)
●養育者の状況 ●養育者の生育歴
●養育者の親や親族との関係性
●妊娠経過・分娩状況
●養育者の健康状態
●うつ的傾向等
●性格的傾向
●家事能力・養育能力
●子どもへの思い・態度
●問題認識・問題対処能力
●相談できる人がいる
●養育環境 ●夫婦関係
●家族形態の変化及び関係性
●経済状況・経済基盤・労働状況
●居住環境
●居住地の変更
●地域社会との関係性
●利用可能な社会資源
   

●妊娠期からの支援の必要性
<特定妊婦>

●若年
●経済的問題
●妊娠葛藤
●母子健康手帳未発行・妊娠後期の妊娠届
●妊婦健康診査未受診等
●多胎
●妊婦の心身の不調
●その他(        )
(3) 支援の開始と支援内容等の決定方法

[1] 支援の開始にあたっては、中核機関において、要支援児童等の状況等に応じて具体的な支援の目標及び当該目標を達成するための具体的な支援 の内容、期間、方法、支援者等について計画を策定し決定する。

[2] この事業における支援内容は、支援が特に必要と認められる家庭に対する養育に関する専門的相談・支援であり、具体的には以下の内容を基本と.する。

ア 妊娠期からの継続的な支援を特に必要とする家庭等に対する安定した妊娠・出産・育児を迎えるための相談・支援

イ 出産後間もない時期(おおむね1年程度)の養育者に対する育児不安の解消や養育技術の提供等のための相談・支援

ウ 不適切な養育状態にある家庭など、虐待のおそれやそのリスクを抱える家庭に対する養育環境の維持・改善や子の発達保障等のための相談・支援

エ 児童養護施設等の退所又は里親委託の終了により児童が復帰した後の家庭に対して家庭復帰が適切に行われるための相談・支援

[3] 産褥期の育児支援や家事援助等については、「2.対象者」に定める支援が特に必要と認められる家庭に対して、一定の目標を設定し相談・支援の 一環として実施するものとする。

[4] 上記ア及びイについては「5.支援内容」に定める短期集中支援型による支援を想定しており、この場合、例えば3か月以内の短い期間を設定しつつ、当該期間内に例えば週に複数回の訪問を行うなど、頻回に訪問支援 を行うものとする。

[5] 上記ウ及びエについては「5.支援内容」に定める中期支援型による支援を想定しており、この場合、6か月から1年程度の中期的目標を設定し た上で、当面3か月を短期的目標として、定期的な訪問支援を行うとともに、目標の達成状況や養育環境の変化などを見極めながら支援内容の見直しを行っていくものとする。

(4) 支援の経過の把握

[1] 中核機関は、支援の経過について訪問支援者からの報告を受け、支援の実施や家庭の状況について把握する等、支援における経過についての進行管理を行う。また、支援の経過の中で適時、訪問支援者の役割分担や支援上の課題について確認する等、対象家庭や訪問支援者へのフォロー体制を確保する。

[2] 中核機関は、必要に応じて調整機関がネットワークの会議を開催する等の対応を求める。

(5) 支援の終結決定の判断

[1] 中核機関において、支援の目標が達成されたかどうか、養育環境が改善されたかどうか等の支援後の評価を行い、支援の終結決定についても事業担当者、訪問支援者、関係機関等と協議の上決定する。

[2] 本事業による支援を終結する場合においても、他の必要な支援につなげることや、必要に応じてその後の継続的な支援体制を確保する。

7.訪問支援者の研修プログラム

(1) 必要な研修プログラムについては、各地域の実情に応じて実施するものとし、実施に当たっては、家庭訪問に同行することや援助場面を想定した実技指導(ロールプレイング等)などを組み込み、訪問の内容及び質が一定に保てるよう努める。

なお、専門資格を有する者については、各自の専門領域に関する部分につ いては省略しても差し支えないものとする。

(2) 支援経過の中で生じる様々な課題の解決のためには、必要に応じ中核機関による訪問支援者へのフォロー体制を整えることが必要である。

(3) 訪問者の研修は、[1]訪問実施前に実施する基礎的研修、[2]実際の訪問における問題解決のための技術向上研修、[3]事例検討などの応用的研修など、訪問者の能力と必要性にあわせて計画的に実施すること。

○養育支援訪問事業 訪問支援者基礎的研修プログラム例

・事業の意義と目的
・守秘義務について
・児童虐待の予防について
・地域の子育て支援の情報
・傾聴とコミュニケーション
・訪問支援の実際
・事例検討

8.個人情報の保護及び守秘義務

事業の実施を通じて、訪問支援者が知り得た個人情報の適切な管理や秘密の保持のため、以下の対応等により万全を期す。

[1] 個人情報の管理や守秘義務についての規定を定め、これを事業の従事者に周知する。

[2] 特に訪問支援者に対しては、個人情報の管理や守秘義務について研修等を行い周知徹底する。

[3] 非常勤職員の委嘱手続等においては、誓約書を取り交わすことなど、具体的措置を講じる。

[4] ネットワークが設置されている場合においては、訪問支援者をネットワークの構成員とし、当該構成員としての守秘義務を課す。

9.委託先について

(1) 事業の委託先としては、本事業を適切に行う観点から、少なくとも以下の要件を満たすことが必要である。

[1] 必要な研修を受講した訪問者を配置するなど、本事業を適正かつ円滑に遂行しうる人員を有していること。

[2] 訪問者に対して、個人情報保護や守秘義務に関する研修を受講させ、本事業に係る個人情報の具体的な管理方法等についても一定の規程を設けるなど、委託に係る事務に関して知り得た個人情報を適切に管理し、秘密を保持するために必要な措置を講じること。

[3] 事業の全部を委託する場合には、本事業の対象者の状況に応じて、具体的な支援の目標及び援助内容を決定できる等、本事業のマネジメントのための体制が確保されていること。

(2) 市町村が事業を委託する場合においては、市町村が事業主体としての責任を果たす観点から、委託先との関係について、以下のような点に留意する。

[1] 委託先に対して、本事業を適切に実施するために必要十分な情報提供を行うこと。

[2] 委託先の事業実施状況の把握や指導等により、適正な事業運営を確保すること。

10.第2種社会福祉事業の届出等

児童福祉法等の一部を改正する法律(平成20年法律第85号)により、適切に事業開始の届出を行うとともに、都道府県の指導監督を受けること。

11.地域における支援の充実

本事業は、支援が特に必要である者を対象としており、対象家庭の必要性に応じ計画を立て、地域のさまざまなサービスを組み合わせるなどして包括 的な支援を行う事業である。そのため、本事業の実施を通じて、必要な地域のサービスをさらに充実させることが求められる。

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